_中高校舎全景_業者撮影_

西武文理中学・高等学校       私立中学訪問記

今回、ご紹介する学校は埼玉県狭山市にある西武文理。
りんこの住んでいる漁村からはメッチャ遠いんだが
「♪は~るばる来たぜ、さいたまぁ!」

りんこが西武文理に行ったわけ

最初になんで行く気になったのかを説明しよう。
私はフェイスブックっつーもんをやってるんだが
その「お友だち」の中にここの先生がいるんだな。

で、その先生が毎度毎度、自慢こいてくるわけよ。
それが、全部、自分の学校絡みの投稿!
どんだけ自校愛が強いんだよ!?って思うんだが

私は、自分が自慢するのはすっごい好きなんだが(殴)
人から自慢されると「はい~?なんだってか!?」
ってゆー、極少級の心の狭さを示すんだな
(すまんのぉ~)。
でも、段々とその先生の投稿を見ている内に、
すっごい気になり出したわけ。

例えば、これ、見てみ!

かとじゅん

↑今年の先生のクラスからの誕プレ黒板な。

そのコメント欄を見ると、教え子さんからの
「おめでとう!」コメントで溢れてるんだな。

「先生の授業をまた受けたいよ~~♡」みたいな感じ。

え?何、これ?
卒業して何年も経ってる生徒たちと延々と繋がって
るってどーゆーこと!?って思うわな?
(しかも、卒業生たちと頻繁に飲んでるし"(-""-)")

でだ。そんなに自慢こける学校ってどんなよ?って
押しかけてみることにしたとゆーわけさ。

そういうことで、今回は西武文理中学、お楽しみ
下さい!

あ~、もう、お尻がムズムズするぅ♪

なんか、この表現、変だな。言葉を変えるとしたら
「あ~、なんかもう、キュンキュンするぅ(≧▽≦)」

ここはね~、男女共学
別学愛が激しい私なんだが(男女一緒への嫉妬だって
事は認めなくもない(^^;)
色んな生徒さんの話を聞くと、ああ、自由な思想の
共学って、こういう感じになるんだ!?って
ちょっと内心、羨ましくなるね。

①中学校舎

アクセスは何処の駅からも歩けないので、極めて
良くないんだけど、学校がめちゃ広いのよ。

大学のキャンパスか!?ってほど。
(あまり進学する子はいないんだが、併設大学の
西武文理大学も同じ敷地にあるっちゃ、ある)

これがさ、入間川沿いに建ってる「リバーサイド
スクール」なんだが、まず校舎にやられるね。

「え?外国!?」って思うような作りなの。

パッと見の印象は「玉川学園に似てるな」って
思って、校長先生に聞いたら、なんとビンゴ!

玉川学園っていうのは小原國芳(おばら くによし)先生
というすっごい高名な教育学者が創設した学校なんだが
小原先生は「全人教育」ってのを理念として掲げたことで
有名な方で、この考え方に魅せられた人たちは本当に
多いんだな。

(ちなみに成城学園とか、湘南学園なんかも
小原先生の息がかかっているので、雰囲気的には
似ているよってことを付け加えておくね。

この似ているはいわゆるイケメンでも「醤油顔
グループ」とか「塩顔グループ」っていう分け方で
言えば、同じグループ内に入るってことで、同じ顔
って意味じゃないからね。
当然、各校、個性が違います)

りんこ流に解釈すると「教育が人を創る」ってことで
「点数を取るための詰め込み棒暗記」は教育ではなく
真の教育は「調和のとれた人格形成を目指すもの」って
感じだね。要は人としての「文化」を重んじている
んだと思う。

西武文理はこの小原先生の考え方に共鳴して、今の
理事長先生が創られた学校だから、違うものだけど
印象的には「あ!似てるかも!?」って感じになる。
(現校長先生も小学校からの玉川出身。いわゆる純玉)

私は行ったことがないから、真偽が分かんないけど
イートン校をはじめとする英国のパブリックスクールを
イメージしているって言ってたよ。

↓ 川べりから先生に学校を撮ってもらったが、
広すぎて入らんの巻

②中高校舎全景(加藤撮影)

中学は開校27年目。めちゃ若い学校だね。

学校のアレコレはまた後半で説明するけど、先に
「尻ムズ」について言っとくわ。

黒板アートの話したじゃん?
これって、ここの伝統なんだか知らんけど
高校生にインタビューした時にこういう話を
教えてもらったの。

高校生の男の子がこう言ったんだよね。

「今でも、この写真はお守りです」って。

それは、その子が中1の時の誕生日当日の朝に
撮られた写真で、「誕生日おめでとう!」っていう
文字が描かれたクラスからの黒板アートだったの。

↓ これな!

誕プレ

彼は一貫クラスに在籍しているんだけど、小6で受験
しようかな?って思ったんだって。
なんでも、ここを見学に来て、海外研修やら各種
行事がすっごく多いってことに気が付いて、それが
面白そうだなって思ったことが大きな志望動機に
なったらしい。

私立はどこもそうなんだけど、受験で入るから
入学当初は誰も知らないっていう初めての場所に
立たざるを得ない環境に置かれる。
まあ、12歳の子にしたら、それだけで試練だよね。

それで、彼は思い切って学級委員に立候補したん
だって。

ここはね、併設小学校があるから、内進生と
外進生の混合クラスになるんだけど、彼曰く、
そこに小さな見えない壁があるんじゃないか?
自分は学級委員として、クラスの融和に役立って
いるのだろうか?
自分個人は一部の人と仲良くなったけど、クラス
全体はどうなんだろう?って思ってたんだって。

しかも、誰もが陥るように、成績問題もあるし
慣れない電車通学も重なって、重いリュックが
ますます重く感じられるようになってきた時に
2学期がスタートしたらしい。

「自分はこのまま、ここでやっていけるのかな?」
っていう悩みを持っていた時期だったらしい。
そんな、ある朝、これを見たんだって。
本当に嬉しかったって言ってた。

「自分はこのクラスにいて…いいんだね?」
「自分は文理生なんだなぁ…」

「ここで良かったなぁ…」って思えたきっかけに
なったって言うの。

こんな「友情」っぽいことって、小学生の時には
考えられなかったから、クラスの子たちのおかげで
学校生活がすごく心強いものになって、今でも
「この思い出だけは消えないです!」
「これだけは忘れない!」
って熱く語ってくれるのよ。

おばちゃん、この話だけでも、お目目、うるうる
しちゃって…。
そっか、そっか、学校って本来、こういう場所だよね
って、思っちゃったんだよね。

仲間がいてさ~、自分のことをちゃんと見てくれて
いる先生がいてさ~。
なんやかんやあるけど、ここ、楽しいなって思える。
これが学校なんだと思うんだよ。

そしたらさ、傍にいた女の子たちも、次々に
いい話をしてくれるのよ。

なんだよ、ここって“アオハル”かよっ!?

この学校、さっきも書いたけど、人間は文化度を
高めることが幸せに繋がるっていう意識が強いのね。

そのひとつの取り組みに「CA(Creative Activity)」
というものがあんの。

↓ CAポスターセッション準備

③CA(ポスターセッション準備)

中1から中3までが学年を越えて、協力しながら
自分が選んだ1講座を探究するってものなんだけど
これが、おもろいんだな。

講座は20講座あって、囲碁将棋、トールペイント、
貼り絵、ロボット・パソコン、英語、合唱なんてのが
並んでる。

その中にアコースティックギターってのがあんのね。

どうも、それの集大成として、発表会があったんだと
思うんだけど、この話はその2日ある発表会1日目が
終了した後の夕方の話。

「私、中3までずっとアコギやってて、その日、
1日目の発表会が終わったんです」と女の子。

「でも、ハモリが上手くいかなくて…。
見に来てくれた友達からも『ダメだね』って言われて…。

『マイクの音量の違いで(音程が)流されたから、
音量調整をしたらどうかな?』って言ったら、バンド
メンバーに『そんなの関係ない!』って言い返されて、
雰囲気最悪で…。

『もう2日目の発表はやめよう』とまで言われて
泣いちゃったんです。

そしたら、この人が…、アコギとは関係ないCAに
いるくせに、こう言ってくれたんですよ。

頑張ってるんだから(2日目もやれば)いいじゃん

なんかね、『大丈夫、明日はうまくいくから!』って
言われた気がして、なんか、それで立ち直ったって
言うか…」

この人って言った先の子を見たら、「この人」はさっきの
黒板アートの学級委員君だったってオチ。

「あの時は、癒してくれて、ありがと♡」って言った
女の子に、学級委員君が一言

「・・・、お、覚えてねーよ!(照)」って(≧▽≦)

もう、おばちゃん、目の前で繰り広げられている光景に
思わず「アオハルかよ!?」って突っ込んじゃったんだな。

おばちゃん、大興奮なもんだから、「え?何?
付き合ってんの?付き合ってる???」って聞いたら

そんなことは特になくて、よくある光景なんだそうな。

↓ ここ、ホント男女仲がいい!(文中の子たちとこの
写真の子たちは別人だけど、仲良しなのは
どの子もそうみたい)

⑩男女仲良写真

例えば、そのアコギの女の子はこういう話もしてくれた。
「アコギの練習は皮も剥けるし、手も痛い。3年やっても
ギターテクがすごいA君みたいにはなれないなって
CAの授業の後で落ち込んでたら、A君にこう言われた
んです。

『中1の頃より、全然、上手くなってるよ!』って。

その一瞬は『いいヤツだな』って思いますよね(笑)」

きゃー!これで、頭、ポンポンとかされたら、たまらんな!
という妄想が働いて、溶けそうになってたんだが
そこに追い打ちをかけるように、別の女の子がこう言うわけよ。

「中学の時に、『駅伝部』を創るって活動に巻き込まれて(笑)
走るのが、めちゃ苦手なのに、練習に駆り出されていたんです。
2キロ走るんですけど、もうすごい疲れて、ドンドン抜かされて
遅れてっちゃったんですよ。(注:何せ、校庭も広くて、1キロ
走行ができるグラウンド完備)
そしたら、同じ学年の足の速い男子が「ファイト!
あともう少し!頑張れ!」
って伴走してくれて・・・。
すごく心強かったことがあります♪」

↓ ラグビー部練習風景

ラグビー部①

そうなんだ~!いいね、いいね♪って青春ドラマの脚本書けそう!
ってくらい興奮してたんだが、この3人組(学級委員君とアコギ
ちゃんと駅伝ガールちゃん)がね、こう言ったの。

「正直、この2人には感謝してます。意外と(照)」
「意外と!?(笑)」
「いや、マジで・・・」
「うん、私も。ここって、人間が良い人ばかりだもんね」
「色々、言う人はいるかもしれないけど、実際はすごく
いい学校だよね」
「うんうん、大人になっても、ずっと友だちでいたいな…」

いやだ、もう! 真面目にお互いの良いところを褒め合い
正面切って感謝の言葉を口にできるなんて・・・。

オマエら、マジ、アオハルじゃん!!

やっぱ、英語が出来ると何かと便利!

ここね、英語教育にはすごく力を入れている学校なの。

創設時(1981年高校・1993年中学創立)は公立王国・埼玉に
こんなに「お洒落」な「THE私学」という学校が!?と
話題沸騰で、ホンダの帰国子女の群れや、埼玉医大・防衛医大
などの近隣医大のドクターの子弟に熱烈歓迎されてきた
歴史がある。

まあ、そうだよね。需要と供給がピッタリマッチしたわけだ。

要は学校方針が明確で以下、3つのことを重視してるの。

1 国際人感覚を養う
2 学力をキッチリと上げる
3 保護者と共に子どもを育てる

1はね、とにかく「海の外」を意識しておられる。
つまりね、内陸県埼玉だからこそ、世界は広い、価値観は
いろいろ、異文化に触れて、そして理解せよ!っていう
「地球人」としての意識を呼び覚まそうとしてるんだな。

校長先生が「感性に刺激を!」っておっしゃっていたけど
この感性、磨くなら十代がやはりベストだよね。

まずね、どんだけ恵まれてるんだよ!?って
度肝を抜くことに、ここは中3で全員をイタリアに
連れて行くのよ。イタリア人に触れさせる学校って
聞いたことないんだが、「アモーレ運動推進家」の
私としてはね、本当に羨ましい。

↓ イタリア修学旅行

イタリア①

ローマ教皇のミサにも出席した年もあるってくらい
15歳で世界の総人口の33%もの信者を誇るキリスト教の
総本山、そして文明の都ローマをはじめとした都市へ行ける
なんて、どんだけ感性を刺激されんねん!?って思うよね。

もちろん、観光じゃないから、ちゃんと勉強して行くわけよ。

ここは中高一貫進学クラスと特別選抜クラス、そして
グローバルコースに分かれているんだけど、どこに所属
しようが、海外へ出ようと思えば、その瞬間、学校が責任を
持ってめんどうをみるシステムが確立されている。

グローバルコースだと中2でセブ島3週間、高2でアメリカ、
またはカナダへ2週間。

中高一貫進学クラスと特別選抜クラスは高2で1週間の
豪州またはマレーシア・シンガポール。

これらが必修なんだけど、海外に目が向いている子には
その上にこういうプログラムが待っている(希望者)。

高1・高2にカルフォルニア大学ロス校の寮に滞在しての
9日間プログラム。

中1から高2に国内での2泊3日のイングリッシュプログラム。

中2から高2に国内での3日間のハーバード大学生との
コミュニケーションプログラム。

中3から高2に2か月のターム留学(NZまたは豪州)。

校内にグローバルアカデミックセンターがあって、そこに留学や
海外大学進学へのサポートをしてくれる専門の先生がいるんだな。
生徒たちを若い時に安全安心な状態で海外に送り出そうと万全な
体制を敷いているってわけ。

↓ オンライン英会話

⑥オンライン英会話1

もちろん、生徒全員がオンライン英会話でネイティブと
しゃべっているので英語へのアレルギーよりも「通じた!!」
って喜びの方が勝ってくるから不思議っていう言葉を生徒さん
から沢山、聞けた。

やっぱ、語学はしゃべって、失敗して、経験してナンボだよね。

自校完結型の親にとってはありがたい学校

この学校、もちろん成績不振児に補習もかけるんだけど
一般生徒に対しても、塾要らずで臨もうとしてるのね。

サポートセンターというものが常設されていて、生徒は
部活を17時15分に終えると、19時までサポートセンターで
学習できるってわけ。
個別にプリント学習をするそうだ。

↓ サポートセンター(チューター常駐の自習スタイル。
もちろん、質問OK!外部チューターと先生は
常に連絡を取り合っているんだって)

⑦サポートセンター

「なんで、そんなんやってんの?」って聞いたら
「塾に行くと、色んな学校の子が来ていて、進度も教材も違う
から、それならば、ウチの教材で個別対応。
理解の速い子はドンドンやればいいし、補習ほどではないけど
じっくり考えたいって子にはそこで復習すればいい。

日々、こうしていたら、家に帰ったら、後は寝るだけ、
健康的(笑)金もかからないし、移動の手間もないから、
いいでしょ!?」と先生がのたまう。

まあ、親としては、これは魅力だよね。

もちろん、子どもたちのことを第一に考えているんだけど、
親と共に子どもたちを育てていく!っていう気概は大きくて
「公立ではできない」→「きめ細やか」なめんどうみを
誇っている学校っていう印象を受けた。

世のバッシングにどう行動しているか?

ここらで嫌な事を聞いてみた。
校長以下、どうトップ陣が考えているのか、聞いて
みたかったから。

その嫌な事とは今から4年前に当時の学園長が学校の経費を
私的に使ったのではないか?という疑惑が報道されたこと。
世にいう所の「西武文理ナッツ姫事件」だ。

意外にも、校長先生は嫌な顔ひとつせずに、誠実に事の
経緯を教えてくださった。

で、その後、どうなった?ってことなんだが

学園長は小学校のトップだったので、立地場所も違うし、
直接、中高の経営にどうこうってことはなかったらしい。

その上で、元学園長はその費用を返還。学校経営からは
引退なさったということで、特にトップ陣の動揺は
感じなかった。  

↓ 生徒さんの日常風景

③CA(日常の活動)

では、肝心な生徒はどう感じていたのかを、当時を知る
高校生たちにインタビューしてみた。

「う~ん、小学校から知ってる先生だったから、ちょっとは
ショックでしたが、それ以上にショックだったのは
マスコミが事実と違うことを報道することでした」

「マスメディアが報道することを私たちは正しいと盲目的に
信じてしまう部分があると思うのですが、あの一連の騒ぎで
それはきちんと裏取りされていることなのか?というような
ニュートラルな視点で見ることができたことは自分に
とっての収穫です」

「学校ではきちんと経過説明と今後についてという説明が
なされていたので、特に私たち生徒に動揺はなかったです」

「ネットなどでも色々言われていたのは承知しています。
でも、大切なのは事実だけなんだなと。
憶測で、確かめもせずに、言いたいことを事後の見境なく
言う人がいる。それに踊らされない自分を持つってことも
重要だって話を友だち同士でもしました」

ヨガの言葉で「信じるな、疑うな、確かめよ」というものがある。

入ってくる情報を簡単に信じないこと。同時に、疑わないこと。
そして真実かどうかを自分で確かめてみること。
こういう態度で物事に接すると、徐々に確かなことが増えてきて、
一時的な現象や人の言動に惑わされなくなり、自分の中に確たる
ものが出来るという教えである。

ここの生徒さん達が、このヨガの格言のように、友と教師と話をし
そして、自分の頭で考え、この一石を貴重な教訓として学んだと
証言したことは、私にとって「きちんと学んだ青年はどこまでも
まっすぐ育つ」という推論を実証できたような出来事となった。

人生に必要な教え

長らく中高一貫校のアレコレを見聞きしている私の
持論に「学校は性と生と金を教えよ!」というものが
ある。

これは「何故、生きる?どう生きる?」という
人生の核に近付くために避けては通れない問題だと
考えるからである。

「金(貨幣価値)とはなんぞや?」
その流通形態、そのシステム、社会保障、国民の義務
などを含めた「お金の話」を知らずして、成人して
しまうには世の中、リスクが大き過ぎる。
子どもたちは、知っておくべきだ。

次に「生」がある。
人生は有限で、必ずいつかは死ぬ。人生には四季が
あって、やがて誰もが冬を迎えるという話は「春」を
謳歌している年代だからこそ、聞かせなければならない。

そして、最後に「性」だ。
昨今、「多様性」が大ブームだが、多様性を語るならば
「性」は必須だ。

互いに分かり合うためには、この問題は避けては
通れない。

これが私が学校教育(含 家庭教育)に今後、望んで
いくものであるが、この学校、実は「性」について
実に明るい稀有な学校ともいえるが、これは誇って
良い事だと思っているので、ご紹介しておきたい。

↓ 微妙な距離だが(笑)、やっぱ仲良し! 

11男女仲良写真

この講義は中2と高1全員に男女合同で行われている。
しかも、別日に保護者を招いて、保護者用の性教育
講座も実施していることが特徴だ。

卒業生の母である産婦人科医であるドクターに毎年
講演を依頼しているということであったが、その中身が
すごい。

まずは全員にそのドクターの出産シーンをオブラートに
包まずに見せている。

自分が母の痛みと共に血を被って、この世に産み落とされて
きたという事実を見せられるわけだ。

しかも、内容は多岐に渡る。

性交とは何か、緊急避妊について、精通とは、マスター
ベーションは害悪か、生理痛と隠れた病気、低用量ピルの
使い方、LGBTなどの社会問題。更には、知っておくべき
必須情報を堂々と語ることが特徴。

その上で思春期の心と体の問題を隠さずに、正面から、
事実を淡々と語っているのだが、このことだけでも性を
人間にとって崇高なものとして捉えていることがよく分かる。

「体だけでも求められると、自分が必要とされていると
感じることができる」という一般的な女の子にありがちな
悩みに対しても、丁寧にその心の在り方を教えている。

このことで何を学校側が伝えているのかを説明しよう。

「君たちひとりひとりが、大切な存在なんだよ」
性教育を通して、語りかけているのだ。

それを受けて、生徒たちの反応を見ると好循環しか
感じないと学校側は胸を張る。

例えば、これは次のような反応で確かめられるという。
男子は「女性には生理というものがあり、それは
体も心も大変ナーバスな状態になるものである」と
学ぶ。つまり、生理は特異体質でも本人の問題でもなく
女性は誰もが、そのような不安定な状態に置かれている
という理解が進む。

すると、クラスメートが機嫌が悪い、気分が悪そうという
時でも、ここの男子生徒は決して、その子を茶化したりする
ことがない
という。
これは本当の意味での紳士教育だと思うのだ。

逆に女子は男性には本能的欲求があるということを理解するが、
「YES」か「NO」かの決断は自分の気持ちを一番大切にする
べきなのだということを学んだりしているのだ。

性は恥ずかしい物でもエロいだけのものでもなく、性は「生」。
誰もが、どこかで出会うからこそ正しい知識を伝えていくことに
意味があると言い切る学校。

中2でざわついていた集団も、しばし経つと真剣に聞き入る
ようになると聞いた。

要は男女両方に「愛」と「性」、そしてそれが「生」に
繋がるということを考えさせているということだ。

この授業を通しても、お互いがお互いの気持ちを尊重し合う
いうことを目標に掲げているのだと感じた。
多様性って本来、こういう身近なことなのだ。

自己肯定感と自尊感情。このふたつは人間の幸福度を左右
する大変、重要な問題であるが、男女共学の中で
学校が逃げることなく、この性の問題についても、正面から
語ることによって、互いに思いやりが生まれている。

「自分は生きていていいのだ」という根本的な“自信”を持つ
ことを大切にしている学校
だが、その一端をこの授業からも
窺い知ることが出来た。

冒頭、ここの生徒たちが男女問わず仲が良いという話を
したが、お互いがお互いを思いやり、苦しい時にこそ
何気ない“エール”を贈り合っていることに驚いたが、
こういう地道な教育が実を結んでいるのだと思う。

下手でも、稚拙でも、誰も馬鹿に
したりしない

今現在、ラグビーワールドカップで日本全体が盛り上がって
いるが、この学校のラグビー部顧問の先生の話も面白かった。

「ウチのラグビーは強くはないってことを自覚してます(笑)
でも、私はこのラグビーの精神だけは生徒たちに伝えたいって
思ってるんですよ。

ラグビー憲章っていうものがあって、そのポリシーは
品性、情熱、結束、規律、尊重の5つなんです。
スポーツではありますが、同時に人間力を高めるって
いう目的があります。

もちろん「ノーサイド」も「One for All, All for One」も
大切にしています。

↓ ラグビー部

ラグビー部②

これを私は部員に口を酸っぱくして言っているんですが
中3からラグビー部に加入した生徒が、高2の終わりの
3月合宿で後輩たちにこう言ったんですよ。

『いいか、ラグビーで大事なのは【ノーサイド】と
【One for All, All for One】の精神なんだぞ!」
って。

そんな時分ですかね、その子の担任が私に
アイツは変わった。勉強するようになった』って
言ったんです。

『大学行ってもラグビーしたい』って思いが彼にスイッチを入れた
んでしょうね。
ああ、ラグビーを通して、アイツは大人になったんだ、人間って
成長すると色んなものが付いてくるんだなって、これは
しみじみと嬉しかった瞬間になりました…」

これは私が先生に「最近、泣けた話をしろ!」と強要
した時に出た話だ。

また、ある先生がこう言ったことが印象に残っている。

「本校は何でもできる学校、やりたいことが出来る
学校だと思っています。
勉強したい子、運動したい子、演奏したい子…、それぞれが
それぞれの興味関心に一生懸命なんです。
下手でも、稚拙でも、誰も馬鹿にしたりしないですから。

それぞれが、友の良いところを認め合うっていう風土が
できていると思うんですよね。
これって、実はすごいことで、人間褒められた経験が
ないと人を褒めることはできないです。
でも、りんこさん、ウチの子たちってそれを自然にやって
いる
んですよ。

自分は生徒がすべてで彼らがいてくれるから、日々、色々
学べているように感じます。結局、生徒に支えられている
ってことですよね。
生徒ひとりひとりが、すごくいいものを持っているって
ことが自慢
です」

そっか、そっか。
冒頭で、この学校の生徒は卒業しても、繋がりがすごくて
仲良しだって書いたけど、こういう暑苦しい先生方(笑)が
日々、見守ってくれているから当然か。

校舎の窓からは川沿いでBBQに興じる陸上部の面々の
姿が見えた。

「学校が楽しいです!」って言えるって、本当にいいね。

↓ ♪「BBQはリバーサイド!川沿いリバーサイド!」
これは剣道部のBBQ写真。どんだけBBQしとんねん!?

中高剣道部BBQ①

さあ、西武文理がどうにも気になってきた、あなた!
次回、学校説明会は11月9日(土)(要予約)
入試対策講座は12月8日(日)
12月22日(日)(いずれも要予約)です。

学校は実際に行ってみないと我が子に合うかは
分かりません。
さあ、ドンドン学校に出かけてみよう!

(2019年7月13日訪問でした)

「数字で見る西武文理中学・高校」に続く


ご高覧いただきまして、ありがとうございます。 よろしければ、応援、よろしくお願いします<(_ _)>