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#2 私立中学訪問記 世田谷学園(再)

2019年6月21日&22日訪問

昨年末にお邪魔したばかりなんだが
オーキャンで「講演してみる?」って機会を
頂いたので、せっかくだから取材もさせて
もらったよん。

今回は「再びの世田谷学園」
う~む、良い学校はやっぱ良いね(≧▽≦)

(写真)校訓が書かれた黒板上 ↓

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りんこが世田学を押す理由はね、
一言で言えば、これ。

「深い」の。

教育ってさ、何処で受けるかによっても
すごく違ってくるじゃない?
この学校にいると「教育」の意味を考え
させられて、結局、有難くて泣けてくる。

前回のレポートでは「どんな学校なの?」
ってことで「はじめまして♪」の人用に
綴ったんだけど、(↓これな!)

今回はこの学校に
400年前から流れ続ける「命の源」を
レポートしたいと思う。
皆の心に伝わりますように!

校長に聞く流れ続ける理念


まずは、有難い話をしようか。

宗教校の良さはね、一生ものなんだよね。
在学中には分からない(深すぎるから)かも
しれないけど、これがね、例えば40代とか、
50代とかになって、自分が社会の中で
もがきながらも、どうにか頑張ることができる
ようになってきた時に、フト、母校の教えを
思い出すんだとみたよ。

焦ってないんだよ。
人は一生、勉強で、一生、成長し続けるって
信念があるから、この学校も、生徒たちに
「今、解る必要はない。でも、この教育で
いずれ花開く時が来る」って大らかに
包み込んでいるんだよね。

(写真)鉄研ジオラマ制作中 ↓

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現校長先生は生徒たちから下の名前で
「じくん先生」と呼ばれている禅宗のお坊さん
(物理の教諭)なんだが、業界的には第3世代
最後のカリスマ校長のお一人に当たるお方だね。
当然、存在自体が有難い

今回、慈訓先生にりんこは色々、聴いて、
あまりの“深さ”にため息をついて、しばらく
立ち上がれなかったんだが、独り占めにするのも
なんだから、そのご高話を聞いてくれ。

まず私は「世田学の目指す教育は?」って
聞いたの。
そしたらね、先生は明確にこうおっしゃった。

「たった1回限りの人生を幸せに生きていく
人を育てたい」
って。

エリートにとか、大学がどっちゃらとか、
グローバルがうんたらとかは
一言もそのお口から、出てこないんだよ。

もう、ここでやられるよね。

そこで、私は聞いたんだな。

「人はどう生きれば幸せになるんですか?」

そしたら、先生は穏やかにこうおっしゃった。

「囚われないことです」

その意味をりんこ流に書くとね、こうなる。

「生きていれば、色々な辛いことがある。
でも、それに囚われすぎると、頭の中は
そればかりになり、不満ばかりが渦巻く。

どんな時でも人は10の内、9までは
満ち足りているのだ(呼吸できる、
手足が動く、ご飯が食べられるってことだと
思う)。それなのに、1つの不満で心を満タン
にすると、不満が心を占拠してしまう。

そこに執着するのではなく、敢えて、9の
部分を見つめて、そこに感謝するだけで
人は幸せになれる
存在。
『有難い(有ること自体が難しいもの
なのに存在している)』と感じられる事や
物は実は些細なことなのだ」

そして、こう言われた。

「人生はね、感謝している人が
“幸せ”なんです」

感謝される人ではなく、
感謝している人が幸せ…。
多分、これが真実なんだと思う。

私は畳みかけるように、こう聞いたの。

「先生は幸せですか?」

即答で「幸せです」っておっしゃった後の
理由が良くて、笑っちゃった。

「私のお昼はいつも家内が作った弁当
なんですよ。これを開けるときにね、
いつも朝早く起きて、私のために作ってくれる
家内を思い浮かべる。
そうすると弁当が一層美味しくなる!(笑)」

そうか、そうですよね~って言いながら、
私はこう思ってた。
「慈訓先生、アモーレ偏差値
(←学校教育にはこれが必要!と訴えている
りんこの造語)高くね!?(笑)」

(注:りんこ調べだけど、ここ卒の人は
平和主義者だから、女性にも優しくて、
それで良い家庭を築く率が高いように思ってる。
まさかの校長自らが「隗より始めよ」
だった(笑))

(写真)さすが男子校、廊下、広っ!
 暴れ放題!? ↓

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それで私は「生」を聞いたから、ついでに
「死」も聞いてみたの。

「先生、死んだら、どうなるんです?」

禅宗の坊さんって恐るべしなんだよ。
こんな質問でも答えをくれる。
先生は、ちょっと考えてから(多分、無知
人間に解るように説明する言葉を探したんだ
と思われる)こう説明なさった。

「お釈迦様はこう言われています。無記と。
つまり、解らないと(仰っている)」

※無記=仏教用語。事物の性質が善とも
悪とも記すことができないことをいう。
また,問いに対して、是とも非とも答えを
出さないことをもいう
(ブリタニカ百科事典より)

「お釈迦様でも解らないんですね。でもね、私はこのようには思っているんです。

人が死んだ後に残るものは『集めたもの』
ではなく『与えたもの』だと…」


私は、この言葉でしばらく動けなく
なっちゃったんだよね。

校長室に静寂の時が流れていた。

(動画)世田学が誇る吹奏楽部の練習風景 ↓
翌日のオーキャン本番では、生徒さん全員が音を楽しんでいた♪

世田学の理念は「天上天下唯我独尊」。
生きとし生けるもの、全ての存在に意味がある
ってことで、つまり
「あなたにしかない、かけがいのないもの
がある」ってことなんだって。

その子の存在を丸ごと認める教育を是と
してるわけ。
私はここでの深海魚、不登校生徒、問題行動
野郎への扱いをそれこそ腐るほど知ってるん
だが(あったかくて、泣けるよ)、
この理念はトップから下々の先生方にまで
貫かれているのがよく分かる。

校長曰く「我々にとって、その子がいると
いうことが幸せなこと」
なんだと。

先生は続けて「利益と功徳」って話を
してくださった。

「他を益するものと自分を益するものは
結局イコール。他人の為に尽くす人に嫌な
気持ちになる者はいない。
つまり、その気持ちが自分の功徳になる。
簡単に言えば、人に尽くすことは自分の
心を豊かにする
ってことです」

この具体的話を校長から聞いたから、
書いとくね。

「りんこさん、人間には“実践”が必要です。
(「する」ってことが大切だって意味)
それで、本校では15年前よりボランティア
活動を開始しました。
“やらされ感”が“やる感”に変わる時、人は
大きく成長するんだなってことが
よく分かります」

そして、現在、慶応大学に通っているA君の
高校在学中のエピソードを紹介してくれた。

これは秋の弁論大会での優秀作品で
「黄色い先生」ってタイトルが付けられている。
内容を簡単にお伝えしよう。

「僕は幼い子が親と一緒に遊びに来る施設に
ボランティアに行った。
『明るい色の服を着用』との指示があったので
僕は黄色のTシャツを着て行った。

すると、そこに偶然にも僕の保育園時代の
先生がいたのだ。

先生と話をしている内に
『何故、先生は保育園の先生になったのか?』
と質問してみた。
すると先生は僕にこう言った。

『はじめてボランティアで子どもたちと
こんな感じで遊んだ後、その子どもたちに
『また一緒に遊びたい!』って請われたから
かな?』って。

こんな自分でも、誰かの大切な存在になれる
かも…
って思ったんだよね…』

その時、僕はこの先生にお世話になったことを
思い出し、今、こうして自分が存在していら
れるのも、色々な人たちに世話になってきた
からなんだってことに気が付いた。
自分もいつか、この子たちの思い出になり、
それが未来に繋がっていく
んだなって思った。

ボランティアって、決して“してあげるもの”
ではなく“心を豊かにしてくれるもの
なんだと実感した。

家に帰って、僕は保育園時代の写真を
取り出してみた。
そこには、今より少し若い先生が
黄色のTシャツを着て笑っている姿があった」

校長先生は「『黄色い先生』って何かと
思いますよね?こういうオチで(笑)
でも、子どもたちってすごいでしょ?」って
自慢気に笑う。

私は聞いたの。
「いやいや、(慶応だし)すごいとは思うけど
そういうご優秀な子は勝手に羽ばたく
でしょうよ。
でも、飛べない子はどうすればいいんです?」
って。

そしたらね、意外な言葉が返ってきたんだよ。

「飛び立たなくてもいい」って。

大前提として、飛び立たなくても意味がある
からだって。
飛び立っていないからって卑下する必要はない。
存在しているだけで価値がある。
それに自分で飛び立っていないと思っていても、
実は飛び立っていることも多い。
それに、時が満ちれば自分で飛び立つからって。

(写真)「ポーズして!」とのリクエストに
応える高校生 ↓

画像4

ここの教師陣が口を揃えて言うのは
「(本人の気付きを)待ってる」って
ことなんだな。

「啐啄同時(そったくどうじ)」を意識している
先生の比率が高くて驚く。
(※禅で、機が熟して悟りを開こうとしている
弟子に師がすかさず教示を与えて悟りの境地に
導くこと。大辞林 第三版より)

男子校一筋400年。今後も共学はあり得ないと
トップ陣が断言する学校なんだが、思春期男子の
扱いはさすが!

野郎はね、思春期、やいのやいの言われたら、
伸びるものも伸びなくなっちゃうんだよね。

まあ何処の学校でも男女問わず中1&中2は猿。
難しい時期なのよ。
それで、この学校では段階を設けて教育して
いるんだよね。

中1に自由を与えても、持て余すだけ
だからって。そりゃそうだ。
それで中学生には一定の枠を与えて、徐々に
自分で考え、自分で動いて力を発揮させる
ようにしてるんだと。

(写真)教室のドアを開けただけで大歓迎
してくれたチュー坊 ↓

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例えば、獅子児祭では中1はアートギャラリー
中2は合唱、中3はパフォーマンスっていう
お題があって、その中で「好きにおやり~」
って見守っている。学年が上がるごとに
徐々に手を放すイメージなんだって。

高校になると、クラスも学年も取っ払って、
エネルギー注ぎ込んで、形にしてってくれ!
っていう学校なの。

校長先生が「青春っていいなぁ」って
文句なく思ったっていうのはこのエピソード。

3年前の話。生徒会長と獅子児祭実行委員長が
二人三脚で全体を引っ張って来て、明日が
学園祭という日の夕方。
突如、実行委員長が一杯一杯になっちゃった
らしくて「俺はもうダメだ!」って言って、
何処かに行っちゃったことがあるんだって。

慌てた先生たちに生徒会長が冷静に
こう言ったと。

ヤツは大丈夫です!僕が後で話を
しておきますから」

結果、獅子児祭は大成功だったそうだが、
その時のことを校長はこう振り返ったんだよ。

お互いのことがよく分かっていたんですよね

気持ちをぶつけ合って、互いに認め合って、
そして何かに一緒に燃えていく。
6年一貫ならではの話だよなぁって、私には、
その青春がすっごく眩しいものに思えた。

(写真)すごい迫力だった空手部練習風景 ↓

画像6

祭りと言えば、ここでは3年前から体育祭が
始まったんだけど(それまでは球技大会
だったの)このエピソードも校長先生は
本当に誇らしげに教えてくれたの。

「あれは、今年、大学3年の子たちが
高2の時でした。中3と高2の生徒会長が
校長室に一緒に来て、連名での企画書を
渡してくれたんです。

内容はこうでした。
先生方主導の球技大会ではなく、自分たちが
主役である体育祭をやらせてほしいと。

球技大会は終わっていますから、高2に
とっては例え、体育祭になっても出られない
行事です。つまり、自分らにはなんら関係ない
ことなんです。それでも、高2の彼は
こう言いました。『後輩たちのために』って。

彼ら高2は学校の未来を見ていたんですね…。
ここに心打たれない人間はいない
私はね、このことが本当に嬉しかった
んです、嬉しかったんですよ…」

世田谷学園の教育が実った瞬間のエピソードをお伝えしたが、ここの良さを分かってもらえたら、嬉しいな。

授業見学を片っ端にしてみたら、
爆笑した話

 
お邪魔した日は丁度、高3が総持寺で見習い
小坊主(朝4時起きで修行するの)になって
いる時だったんだけど、それ以外の授業を
片っ端から見てやった!
もう、オモロイなんてものじゃなかった!
ホント、男子校の授業って好き♡

高1数学クラスではこんな感じ。

先生が説明を一通り終えた後で
「ハイ、じゃ今から問題解いて」ってクラスに
言うわけ。

ここIT化が進んでいるから、生徒
(現高3除く)はiPadを持って授業だし、
電子黒板での授業なのね。

そしたら、生徒から
「先生、もう少しプロジェクター上げて下さい」
って声がしたの。
その画面には問題が映し出されているんだけど
下の方には赤字で答えが書いてあるのよ。

要は「同時に答えを見せて♪」っていう
リクエストだったんだけど、驚くことに
先生がこういう行動に出たわけ。

「ハイ、君たちには今から赤い字は
読めません!」ってね。

プロジェクターには答えも映し出されていた。

すると、こういう声が上がって、クラス全体が
超盛り上がる。

「先生!生徒を信じてくれるんですね?(喜)」

そしたら、先生がこう言ったから、クラスも
私も爆笑していた。

何故なら、僕は皆のことを(不正はしないと)
信じていますから!
あ、俺、今、すごく良いことを言ったね?
あ、これ(他のクラスでも)使おう♪」

(動画)数学の授業の1コマ・問題解いてるのに
先生が笑わせにかかる ↓

ここで私は、りんこお付きの先生に
あの先生は僧籍(お坊さん)なんですか?
って聞いたの。そしたらさ、そのお付きの先生が
こう返してくれたから、もう、何て言うか…。

いえ、単に薄いだけです♪

この学校、紛らわしいんだよーっ!?
(数学の先生、ごめんね。でも、
授業は最高、解りやすかったよ~!)

(禅宗のお坊さんは丸坊主なんだって。
この学校、行事の日が雨予報でも天気が持つのは
「てるてる坊主」先生(僧籍)が複数
いらっしゃるからかもね)

漢文の授業では、解ろうが解るまいが、
そんなのは後回しで、とにかく力の限り、
大声で読むそうな。

大きな声で怒鳴れ~!!」って
意味なんて考えずに読め~!」って、
教師の檄が入るから、読み終わると先生
含めて、全員、息切れでハーハー、
疲れ切るらしい。
でも、それが最高に楽しくなってくるから
不思議だよね。

高1現国ではこんな講義を見たよ。

「科学と宗教」っていうテーマだと思うけど、
一部をご紹介すると「あなたが今、余命半年の
ガンですと宣告されたら『なんで私が?』
『あの人はタバコを沢山吸っていても平気で、
私は吸わないのに?』って思うかもしれない。

医者は病気の経過は説明できても、根本的な
『何故』という問いには答えられない。
その時、宗教は“何故”の答えを出せる
だろうか?君達はどう思う?」って
生徒に考えさせるものだった。

面白いのは、私が授業の途中から、いきなり
入ったものだから、生徒たちから、その前に
話されていたであろう雑談とえらくトーンが
違うことを指摘されて、先生がこう言ったから
笑っちゃったんだよね。

尻に火が付いてからが本業です(キリッ)
生徒は大受けでね、この学校の授業、
生徒もドンドン発言していて、先生との
距離感が授業でも近いんだなぁって実感した。

(動画)英会話発表編withイケメン先生💛  ↓

大御所の先生が「高い授業料を親御さんから
頂いているんだから、予備校よりも良い講義に
しないとね

今の課題はもっと講義を充実させて、
寝ている子を出さないってことだよね。
やっぱり授業が命だからね…」
とおっしゃる。

ここさ、前回もご紹介したけど
男は勝負せいや!学校」だから、全員に
一般受験をさせて、敢えて試練を与えようと
するんだよね。

推薦に頼らせないっていう信念みたいなものが
あるんだけど(男には必要なんだって)、
その努力の成果かしらね、ダイヤモンド
オンラインで先日アップされた「中高一貫校、
6年間で本当に子どもの学力を伸ばして
『難関国立大』に入れた学校ランキング」で
堂々の1位に輝いているんだよね。

https://diamond.jp/articles/-/205377

↑ダイヤモンドオンライン2019/6/13付記事

ちなみに、同じくダイヤモンドオンラインでの
「中高一貫校、6年間で本当に子どもの学力を
伸ばして『早慶上理』に入れた学校ランキング」
では、これまた堂々の第3位。

https://diamond.jp/articles/-/204795

↑ダイヤモンドオンライン2019.6.6付記事


授業のことで言えば、今回
「りんこの勝手にお邪魔します」の授業見学の時
大抵のクラスに先客がいるの。
「え?誰、このオジサン?」って思ったら、
見学の先生なわけ。

なんでも年2回は「他の先生の授業を参観して
みよう週間」っていう取り組みがあるそうな。

自然発生的に先生同士で集まって「ここは
こうした方が…」みたいな研修会に発展するって
教えてもらった。

逆に生徒から先生への通信簿もあるんだって。
校長先生が「ウチの生徒は優しいから、
気を遣ってくれるんですよ」って笑ってた。

それでね、今回も相当数、生徒にインタビュー
しまくったね。なんせ、あたしゃ暇人にも
お泊りで行ったからね、やりたい放題さ(≧▽≦)

その証拠に、生徒たちに片っ端に
「校則が鬼のようにあって、校則だけに拘束
きつくね?」

って聞き回ったけど、みんな、こう言う。
「校則は多いだけで、取り締まりは厳しくない。
てゆーか、取り締まられたことがない

全部、当たり前のことだから、当たり前の
ことを当たり前にっていう意識が生徒に
浸透しているって言うんだよね。

中1の子が両足共に靴紐がほどけた状態で、
実験室に入って来たから、その時は先生が
すかさず「靴紐ほどけてるよ」って注意してた
くらいかなぁ…、まあ、そんな程度だね。

それより、ちょっと感動的だったのが、
生徒さんが先生のことも学校のことも
「大好きなんだな」って思う答えが続出したこと。

人生観が変わる講義

ある高1生(中々のイケメン君であった)は
「人生観が変わったほどの衝撃をもたらして
くれた先生がいる」っていう話をしてくれたわけ。

「J先生が『常識を疑え!』って。
多分、普通は先生って知識を生徒に与えるだけ
だと思うんですけど、J先生は
『知識を得ることで多角的な視野を持て!』
って教えてくれるんです」

そう聞いたら、俄然、私は張り切るよね?
どんな腹が出た狸爺が登場するんだ!?って
思うじゃん? で、会いに行ったわけ。

(写真)男子校の下駄箱♪ ↓

画像7

したらば!なんと颯爽と現れたのが29歳、
聖光→東大卒→新潟大卒の超若手。

ここ、国公立に生徒を入れてるせいか、
東大出身の先生が多いんだな。
このJ先生は中学時代から先生になりたかった
んだって。多分、頭が良すぎて、そのまま
東大に行ったんだろうね。
それで、うっかり教職課程を取ってなくて、
でも、やっぱり、子ども大好きだから
教員になりたい!って思って、それで、また
教職課程を取り直したとか言ってたよ。

それで、J先生の世界史の授業だが、こんな
感じで行われている。

「今、君たちが“常識”と考えているのは、
この時代、この地域限定の“常識”でしかない。

例えば、君ら(高1夏のカナダ研修)が行く
カナダは多文化主義だ。
民族、宗教、文化、各々の歴史的背景、すべてが
違う価値観の集合体だ。これを平等に扱うため
にはどうすればいい?そこでは、どういう
価値観を持てばいいのか考えろ」

「世の中の差別は悪意ではないことが殆どだ。
例えば、スロープがないとしよう。しかし、
これは障害を持つ人を困らせるためにワザと
作っていないのではない。スロープがないと
困る人がいるという事実を知らなかっただけだ。

マジョリティが自分の常識に従って“しくみ”を
作ることで差別が生まれる。
多文化社会になるためには、多文化主義的に
考えたら間違うってことだ。云々…」
(この後、移民問題、EU離脱、トランプの
メキシコ国境壁なんて問題もテーマに
なるんだろうね)

この学校、コラボ授業ってのが盛んでね、
このJ先生も生徒がすごく喜ぶから、
サプライズ的に物理の先生などを伴って、
クラスに現れたりするんだって。

それで、物理の先生と世界史の先生とで
「原子爆弾投下に科学者の責任はあるか?」
「AIの発達は人類を滅ぼすか?」なんて
ライブ感覚溢れる授業を展開するんだと。

他にもお題として「科学技術の発展と倫理」
ってテーマで「ナチスドイツの優生思想は
是か非か」「デザイナーベイビーは是か非か」
「出生前診断はやるべきか」なんてことで、
生徒に「もし自分だったら、どうするか」を
考えさせている。
この活発な討論には当然、生徒も参加する。

先生が感慨深げに言ってたけど
「(出生前診断では)成績が振るわない生徒ほど
親は子どもが出来た時点でその命に責任を
持つべき。(自分ならば、やらずに)産む!」
って言うんだって。
私も、これには本当に考えさせられた。

「この世の中にある問題点から目を逸らすな!
そして問題とも思っていない常識を疑え!」と
生徒に問い続ける授業が面白くないわけがない。

J先生が仰っていた言葉ですごく印象的な
ものがある。

「(授業内容で)生徒を笑わせるのは簡単。
でも怖がらせるのは難しい」って。

コラボ授業は日本史・地理・英語・現代文・
美術・世界史等の教科で、参加する側の先生
の空き時間(つまりご好意)で実施される
らしいんだが、J先生が「学校トップ陣が
自由にやれ!』って応援してくれるから
やれることで、この器の大きさに
救われている」とおっしゃるので、私が
ご親切にも校長にチクって差し上げたザマス。

校長先生は満面の笑みで、こうおっしゃった。
「いや、若手がこうやって頑張ってくれる
から当然です。これは本当に有難いことです」

なんだ、相思相愛ぢゃん!?


ここ、年寄りから若手まで先生の年代層も
いい感じで散らばっているから、そういう意味
でも安定感があるよね。

入口→出口偏差値で脅威の数字を叩き出す
学校なんだが、先生方は偏差値で大学を
選ばせてはいない。

先ほどのJ先生は「大学はアカデミズムを
学ぶところ。何をやりたいのを考えろ!
分からなければ、とりあえず興味がある分野
でいい。ネットではなく専門書を読め!
教授が書いた論文を読め!」と
生徒に語りかけていた。

この学校は大学で学ぶという事の意味の
根本を問う先生が多い印象を持っている。

ここの現役高校生ママたちに聞くとね、
先生が生徒と男同士の付き合いをしているのが
分かるって言うのよ。生徒同士は当然だけど、
先生も男同士で内面をさらけ出してくれるから
ここが6年一貫男子校、(女性の母から見ると)
羨ましく感じるんだって。
これで、大学実績も付いてくるんだから、
母の満足度も高いのは納得するやね~。

どうよ、皆さん、ここって
「坐禅、青学ラン、温水プール」だけじゃない
って分かっていただけたかしら?

ご興味が出た方は学校説明会にGOですよ~!
(説明会は学校HPから申し込み)
ちなみに今年度、獅子児祭は9月15日・
16日に開催されます。
お宅の可愛い小猿ちゃんに合うかどうかを
見に行ってみてね~!

「数字で見る世田谷学園」に続きま~す!
引き続き、そちらもお楽しみください(#^.^#)


ご高覧いただきまして、ありがとうございます。 よろしければ、応援、よろしくお願いします<(_ _)>