鴎校門

鴎友学園アゲイン(学校訪問記)

※こちらは旧ブログでアップした
2018年6月2日訪問の記事の再掲です。
(ほれ、旧ブログ、爆死したからね)

教育の神髄をここに見る

いやね~、行って良かった!
マジ、良かった!
皆にも自信持って、薦める。
鷗(カモメ)、いいよ~。ここには勢いがある。
そして、ここが一番大事!
生徒と先生が学校をものすごく楽しんでる。
みんな、めちゃ、いい笑顔なんだよ~~。

正直に言うとね、何しに行ったかと言えば、
粗探しに行ったのよ(うふ♡良い性格でしょ?)。
だってよ、鷗で悪い噂を聞いたこともなければ、
そもそも鷗を悪く言う人に出会ったことが
ないんだよ、この15年。
ひとりくらい「サイテーな学校!」って
言っても良くない? 不思議じゃない?

(ここの不登校だった子の母だって、
悪く言うどころか、感謝しか言わない)

物事は裏表があってナンボだろ!?って思う
からさ、あまりに良い事ばかりを耳に入れると
「まぢかよ!?」と疑うのは「クリティカル
りんこ」の仕事じゃん?

ってことで
ちーすっ!粗探しに来ましたにゃ♡」って
校長先生に言いに行ったの。
(本当にこう申し上げましたのよ、ワタクシ♪)

そしたら、今年度から新校長になった大井先生
(前教頭)と名誉校長になられた吉野先生
(前校長)が(あ、ちなみにここは歴代、
生え抜きの先生がトップ就任な)

お?いいですね!(大笑)どうぞ!どうぞ!
逆に、ありがたい!見つけたら、小さな事でも、
是非、教えてくださいね!
(至らない部分は速攻、改善!)」

って、両巨頭がニッコニコの笑顔でそう
おっしゃるわけよ。

ここはトップが嫌な顔をするとこなのに、
さては「鷗じゃなくて狸だな!?親父~!?
みたいになったんだけど、あまりのウェルカム的
空気に戦闘モードMax、フリーザ様的気分だった
のに出鼻を挫かれた、くそー、面白くない。

(皆さんも、是非、訪問を!誰であっても、
いつであっても、訪問可能(アポは取れ!)。
運が良ければ、生徒と一緒にあなたの子猿も
授業に混ぜてもらえ、理科実験にも参加可能。
普通の授業中だよ?生徒も喜ぶから、
いいんだって。実際、取材中にも見学パパがいたよ
(土曜日だったから)。子猿、歓迎されます♪)

結局ね、ワタクシ、粗を探し回るために12時間、
徹底的に鷗の先生たちと話をしましたよ。
大激論(ワタクシとではなく、先生方同士が
めっちゃ熱く「生徒の為にこうして行こう!」
って語る、語る!
もう「うっさいわ!」ってほど(笑))。

結果、なんだよ、教育ってこういうことぉ~~!?
って最後は夜中に、先生たちと一緒にめちゃ
泣けてきた。
今回はりんこ完敗の巻。
ごゆっくりご覧くださいまし~(長いよ)。

鷗は鷗、それでいいから、
何としても生き抜け!の親心

鴎ソフトボール

中島みゆきさんの歌に「かもめはかもめ」って
あるの知ってる?
「かもめはかもめだから孔雀や鳩には
なれないよね~」って歌。
その歌を校内見学の時に口ずさんだら、案内して
くださった先生ふたりと3人合唱になったんだけど
(爆)その時、先生がこうおっしゃったんだよ。

「うんうん、鷗は鷗です(それがいい)」って。

無理に豪華な羽をまとうことをしなくても、
そのままで大丈夫だから、自信持て!って
意味に聴こえた。
(いや、この鷗、結構、豪華な衣、着てるけどな(^-^;))

実際、校長先生も「ウチはホンダ理論(笑)。
トップに立とうは思わない。
でも、オンリーワンを目指している!
って宣言なさった。

ここの先生ね、驚くけど、全員「マグロ」
なんだよね(動いてないと死ぬ)。
でも、生徒のことはどんな子でも「そのまま」を
受け止めて、そして、その芽を大事に育てている
ってのが伝わってくる。

キリスト様の教えのトッピングが降りかかっている
学校(ミッションスクールではないってことね)
だからかな。
宗教色は薄いんだけど(トッピングだから)、
この真髄に「愛が溢れる」のはこの影響も
大きいんだとみる。
これ、すごい幸せなことなのよ、人生にとってね。

思春期の「自分がキライ」って時期に
そう?私はあなたが大好きよ」って、誰かが
全身で語りかけてくれたら、それだけでその子の
未来は大丈夫なんだと思うから。

すごく心に響いたのは教頭先生
(まどか先生@鷗の看板)のこの言葉。

「(難関)大学に入れることも(進学校としての
使命だから)大事。
でも、生き抜く力を付けることの方がもっと大事

それは私が「鷗のOGには独特な匂いがあって、
それは『鉄壁の自己肯定感』。
よく分かんないけど、出会うOG、出会うOGが
『根拠なき自信』を持ってる(笑)」
って「鷗の姉さん」の印象を語ったので、
それを受けての話ね。

更に続けて、教頭先生はこうおっしゃったんだよね。

自己肯定感があるととんでもない男には
引っかからないから、いいよね(笑)

ウチの子たちは“力”が実際にあるから(その土台の上に
成り立っている)自分はOK!って気持ちは本当に大事。
(生きていく中で)うまく行かないことを
修正していく力があるの。

でもね、『自分らしく』って難しい。
そんなの分かんないし、変わっていくものだから。
ウチの子たちに望むのは『“嫌”から逃げる勇気
ってことと、その代わり『“好き”なことをやる勇気
を持ち続けて欲しい。
求め続けるものがあるって幸せだから」

(どうでもいい余談だけど、フィンランドから
タンザニアに仕事を変えたOGがヤギ2頭でプロポース
されたって話で「ヤギ、少っ!」っていうので、
速攻断ったって聞いて「多かったら、嫁ぐんかーいっ!?」
って爆笑した(嫌から無事、逃げ切った!?)。
ここのOGたち、グローバル過ぎだよ…)
 
私学の良い所はね、思春期のほぼ全てをそこで過ごすから、
生徒はそこの強烈な洗礼を浴びざるを得ないんだけど、
それと引き換えに、その子の生涯に渡る全てを引き受ける
覚悟があるんだよね。
だから、目先の「大学実績がぁ~」なんかよりも、
遥かに先を見通した「この子の人生のために」って
いう強い思いがあんのよ。

鷗の教師陣からはその決意がすごく伝わってくるから、
結局、泣けちゃう。

鷗、躍進の理由

鴎自習室

鷗はね、宗教法人的バックボーンもないし、大学付属
でもない。財閥系でもないから創設以来、下手こくと
「即→潰」になる可能性がいつの時代にもある。
つまり、教職員をはじめとした関係者が「常に理想を!」
って時代に合わせて、「良くしていこう!」っていう
気概がないと簡単に「お取り潰し」になっちゃうわけ。

実際、1975年から1984年までは何処の私学も似たり
寄ったりだったんだけど、鷗は超低迷期だったのよ。
先生方は本気で「鴎友丸が沈む!」って危機感を
持ったらしい。

そこで、教職員が一致団結して1985年から
「このままじゃダメだ。改革しよう!」って
機運が高まって、トップから下々までが話し合いを
重ねて、実践してみて、改善してっていうことを
繰り返していたんだって。

例えば、こんな感じだったらしい。
「これからの鴎友を考える」にあたり、この
段ボールに「これだけは捨てられないっていう
鴎友の宝を入れてみよう」ってことで、とりあえず
入れてみたと。

すると、全員が「慈愛と誠実と創造」
「リトミックの太鼓」「ムカデ競争の縄」「園芸」

(注:全て創立以来のもの)を「捨てられない!」宝物
としてチョイスしてたんだと。

その時、全員に「最後はそこに行き着くか!?」って
いう感動があったんだそうだ。

理念に向かって、方向性が一致しているってことが
分かったのが大きかったと名誉校長以下、その当時を
知る教師陣が口々に「そうだったね!」
「毎日、ワイワイやったね」
「上下関係なんかなかったよね」
「みんなが納得した!」
ってことをおっしゃる。

(りんこ注:今も上下関係なさそうやん!?
校長を「同僚」と言い切る教員団”(-“”-)”)

そして、こういう方針を改めて確認したんだそうだ。
「ウチはインクルーシブリーダーを作る!」

※インクルーシブリーダー=1人1人の中にあるリーダー
としての資質を引き出しながら、全員で組織を
引っ張っていくという概念。誰もがリーダーである故に、
リーダーとしての責任や考え方を全員が持つことになる。
周囲の人と競争し、自分だけが利益を上げるのではなく、
全員で協力し、組織を育てるという姿勢。
今、流行りの考え方なんだが、30年前からなんて、
先取りしすぎだろ!?)

しかし、これが、鷗の強さだと実感する。
(女性は共感力に優れているので)女子校だからこそ、
全体を育てながら個を高める、そして、それがまた
全体を高めるという「共同体になる」という選択を
したということになるんだな。

この1985年からの改革は多岐に渡っているのだが、
少しだけ具体例を記すならばこれである。

生徒ひとりひとりの学力だけではない、例えば、
生活実態、生活態度など複数の個人データを
エクセルに入力し、複数の生活軸を見ながら、何が
どうなるとその子が充実していくのかを徹底的に
検証したんだって。

そこでは、勉強だけで追い込んでも伸びない。
教師が一方的に指導するのは違う。
生徒同士でお互い教え合いながら、励まし、仲間を
作り、集団を自らの意志で形成していくことが結果、
成績にも直結するってことが実感として理解できた
って話を先生方が嬉々として語るのよ。

この頃から今に至るまで、教師陣の合言葉は
良くなるためなら、何でもする!

もちろん1990年代までは新しい事を選択する者と
阻止しようとする者とでぶつかり合うことを
繰り返したんだって。
ここまではよくある話なんだけど、ニューウェーブ
組は「反対」は「良くするための問題提起」と考え、
それをクリアするためにどうすればいいのかを
諦めずに話し合い、改革の輪を徐々に大きくして
いったそうな(今は全員がニューウェーブ組だね)。

「やりたい!」っていう一人の気持ちがやがて
「やろうよ!」に変わり「やれる!」に変わって
いく「しびれた時代」だったらしい。

これは、鴎友の生徒たちの今に繋がっている。
教師同士の生の姿を見ながら、やがて
「自分たちも!」というムーブメントになったため、
それが歴代引き継がれて、今も進化し続けているんだ
よなぁ。

2000年代に突入すると、中1を8クラスに分け
(今もだよん)、30人学級で運営しだす。
少人数クラスの先駆けなんだよ。
2003年、当時としては珍しかったシラバス導入。
今はこれが更に進化していて「教科ルーブリック」と
いう学習達成度の判断基準を明確にしている
(シラバスはまた別にあります)。

そして、2004年、今や鴎友名物、オールイングリッシュ
授業(英語の授業は全て英語でやるザマス)開始。
2005年、これも鷗マジックのひとつ、3日に一回の
席替えスタート。
(なんでも「イジメって席が固定化するからじゃね?」
っていう先生の学年会で出た話がきっかけで、
これをやったらすっごく良くなったんだって)

そしてついに今はこんなんなってないる。
「高校生は自宅にある端末ならタブレットでも
PCでもスマホでも何でも持って来て、授業で
使っていいよ」(持ってこなくても可 )
なので、各々がマイiPadなんかを持参して、
授業中に出題された図形に線を引いたり、画面を
大きくしたりしてるんだな。つまりWi-Fi環境完備。

鴎マイ端末jpg

私学って公のものではないから、時代の空気にも
簡単に影響されちゃう。
だからこそ、創設以来変わらない理念と、時代の
進化と共に大胆に改革しないといけない部分の
両輪で動くんだけど、鷗の“意志”って今、考えても
素晴らしいと思う。

この学校は1935年創立なんだけど、開校5年目に
校長になった石川志づ先生は津田梅子の秘蔵っ子
として可愛がられた人だったんだと。
その影響も多分にあったとみる。太平洋戦争真っ只中
「鬼畜米英」一色の時代に、この石川先生は
「戦争は必ず終わる。終わった後に付き合わなければ
ならないのはアメリカ人。
ならば、その時にきちんと話が出来るように英語を
学んでおきましょう」と言い切り、実際に生徒たちに
英語を教えていたというから、この、時代の先を読む
先見性って何?とびっくりする。

下手したら「非国民」扱いで重罪だよ。
戦時中、しかも負け戦濃厚の時代に「未来の子たちに
何が必要か」と考え、実践したのは文字通り、命がけ
だったと想像する。
すごい“意志”だなぁと石川先生のお写真をしげしげと
眺めるりんこ。

この石川先生最後の教員チルドレンが名誉校長の
吉野先生。
この「理念」が今も脈々と受け継がれているのには、
ちょっと唸ってしまった。

それでね、校長先生に「生徒の未来に何を望むか?」
を聞いてみたの。

そしたら大井先生、穏やかに、でも熱く、こう
おっしゃったんだよね~。

世界平和に貢献してほしい
男って戦闘本能があるから(男文化で進んできた)
古今東西の歴史は戦争だらけでしょ?
でも、(特性として協調の心がある)女性たちには
それを変える力があると思う。
出来れば、国連、国家の中枢、医療芸術分野、
その他、あらゆる分野に進出してくれたら
ボーダレス社会の中で『平和な地球』を実現できる
と思うんだ。
もちろん、家庭の平和も有り!だけど、そういう
大志を抱く子を育てていきたい。
君たちは平和を守れ!まずは俺が鴎友の
平和を守る!」

ああ、だからこそ中学生で沖縄を見せるんだね~。
ここ、教育の何もかもが一貫しているんだよなぁ…。

鷗の授業をあっちこっち見学してみた

もうね~、超、楽しかったよ、鷗の授業。
片っ端から覗いてやったが、どこでも
めっちゃ笑ってたの、私も生徒も先生も。

ここの授業はスローガンのようなものが
あるみたいで
「楽しい学び、一生の学び、未来にワクワク」
って言葉を先生から聞いた。
学校っていいな、学ぶって楽しいな」って
思って欲しいんだって。

鴎園芸

リトミックと園芸、アサーション教育は有名
過ぎるから、どっかの媒体で見てね
(出た!りんこ得意の他力本願。
写真だけ貼っとくわ)。

鴎リトミック

こっちも名物、オールイングリッシュだけは
ちょいと説明しよう。

中1・6月で「本当か嘘かクイズ」をしていて
「ブラッド・ピッドは犬ですか?」って
やっていて、英語を始めて2か月の生徒たちが
笑顔で答えている。

これね「高校になると文法がチンプンカンプンで
外部模試で全員、撃沈って噂だけど、
失敗なんじゃね?」って聞いてみたのよ
(あら?失礼だったかしら?)

そしたら、そんなことないんだね~。
浴びるように英語を聞くし、英語の本(含、絵本)
読ませるし(すごい洋書の数!
中学3年間で100万ワード読ませるって)、
とにかくシャワー状態にしているので
「これが過去分詞で、副詞で、どったら」という
前に体で英語が解るようになるんだって。

例えばね
「I am not good enough yet to play Mozart
 on the piano.」って文章があるとするとnot yetを
何処に入れると「スッキリ感」が出るのかを
骨の髄に染み込ませるっていうのかな?

「be 動詞 + not + 形容詞 + yet」って覚えるん
じゃなくて、中学生の内に「感覚として、
この言い方はちょっと変?」っていうネイティブ
思考に持っていくそうな。それが、後で
すっごく効いてくるんだって。

要は中3まででざっくりと意味を掴み、日本語に
翻訳する前に英語脳で考えるってことを優先して、
高1できちんと和訳に持っていく授業展開に
してるんだとみた。

やっぱり、ここで日本の大学受験対応が出るから、
高1で「苦しむ」ことになるっぽいけど、
先生たちは余裕だね。
「慣れろ~!何とかなる~!先輩もそうだった~!」
って応援している(笑)。

鴎洋書専門図書室

ここ越えたら、絶対行けるから、約束する!
っていうのは中3で化学に悩む生徒に先生が直接、
諭していた言葉を私が盗み聞きしたもの。

これは鴎友の教師陣の合言葉なのかな?
何とかなる~!!」って台詞を先生たちが
よく口にするんだよな。
生徒さんに聞いたら
「不思議と、そう言われると大丈夫な気がして…」
って。

「おい!教師の甘言に騙されてるかも
しれないぞ!?(笑)」って言ったらね、
生徒さんは
ウチの先生なら騙されてもいいんです(#^.^#)
って言うじゃない?
行けばすぐに分かると思うけど、生徒と先生、
ものすごく仲が良い。

どの授業もすごくフレンドリーで、りんこを案内
している先生を見るや、授業中なのに、
生徒が手を振るし、教壇にいる先生も手を振るし、
指摘したら「え?普通じゃないの?」って言われる
始末よ(普通じゃねっし"(-""-)")。

この学校、言うまでもなく、超が付くほどの
進学校だけどね、芸術分野にも造詣が深くて
従って「主要教科」って表現がないんだよね。
どれも人生にとって「大事でしょ?」って
スタンスなの。

だからか知らんが、毎年、音楽も美術も専任教師の
力で芸大に入れてるんだって。
何年か前だけ芸大音楽合格が出なかった年があるそうな。
その時は生徒が「私の求める音は芸大にはない!」
と言って、芸大よりも更に難関のフランスの
サン・ モール・ デ・ フォセ地方音楽院に行ったから
って聞いた(呆)。

この音楽の高2の選択授業を体験してみたら、
すごかった。

先生が全身楽器みたいな方なんだが、こんな感じ。

「♪ソラシミレ~。ここ、すっごくしゃれた
音なの(#^.^#)
ロマンチックで終わるのではなく、最後、
“ハッ”って感じで終わるの!
毅然として~!この音符を見た時に何か感じるの!
そうよ、この音で“ハッ”とするのよ!
試験官はここを見るのよ~♪」

更に後で、その先生に直接、お話を伺ったら、
こんなことを言っておられた。

「プロを目指している生徒だから、音符どおりに
歌うだけでは仕事にならないってことを教えている。
音符から読み取らないとね。
合格させないといけないし。

でもね、♯や♭って実は素晴らしいの。
ドレミファソだけの人生でいいの?
飾りの♯や♭を付けてみなさいよ!
人生は素敵に輝き出すのよ~♫

私は最初は面食らって、次に大笑いしたんだが、
最後、こうなった。
「最後“ハッ”って感じで終わるの!」という
美しいお声に音楽から見た人生観を感じてしまった。
アタシ、人生に♯付けて来たかな?
音楽でそんなこと教えてもらえる鷗の生徒、
めちゃ、贅沢じゃね~!?

鴎吹奏楽部

高2の生物の授業も覗いてみたら、ここも笑いが
絶えない授業だったんだな。

先生が生徒にこう問いかけていた。

「《種》は中1で勉強しましたが、何をもって
同じ種といいますか?
私と皆さんは《同じ種》ですかぁ?」

ここで、なんでだか生徒爆笑、先生も爆笑。
釣られてアタシも爆笑。

その種の子孫を残せるなら、同じ種認定みたい。
例えば
馬+ロバ=ラバはラバ同士だと子どもが
生まれないから違う種。
豚+猪=イノブタならイノブタ同士で子が
生まれるから同じ種ってことを
先生の話術で面白く教えてくれるから、
知識なしのアタシが脳内で「ガッテン」
ボタンを連打していた。

ここね、有名だからご存知の方、沢山おられる
だろうけど、すごい「理科」に熱心なのよ。
結果、リケジョが大量に難関大学に行っちゃうから、
今では東工大とか農工大の方が
「YOUたち、ウチの大学の研究室に遊びにおいでよ!」
って鷗ご指名ツアーを開催してくれてるんだって。

でね、化学の実験室に移動してみたら、中2大騒ぎの
「はじめての化学実験・酸素編」をやっていた。
線香を試験管の中に入れてみて、途中で止めると
炎が大きくなったんだが「なんで~?」っていうのの
推論を立てさせていた。

ここのね、凄さは理科実験にもよく現れている。

中学3年生の高校化学では
「仮説検証実験未知資料分析実験 」ってのがあってね、
10種類の白い粉を生徒に渡すんだって。

それで、その粉が何かを調べろって。

無臭、色同じ、すり潰し済みなので結晶の粒同じ。
見せてもらったけど同じ粉、しかも小麦粉にしか
見えなかったんだが、それを当てさせるんだって。
(炭酸ナトリウム、塩化カリウム、硫酸マグネシウム
亜鉛なんていう薬品名だったような…)

先生が「中途半端にはやらせない。ノーヒント。
しかも答えは最後まで教えない」って言うから
「そんなん、意地悪じゃん!!」って生徒の代わりに
猛抗議して差し上げましたのよ、ワタクシ。

そしたら先生がニッコリ笑って、こう言ったんだよ!

「研究者には(研究している物の)答えがない」って。

そしてね「でもね、りんこさん、研究者には
絶対に正解であれば、答えがなくとも
『これが正解である!』っていう解る瞬間がある
の。
正解であれば絶対解る!それが実験の醍醐味ね。
結構、ウチの子たち、当ててくるわよ!(喜)」
っておっしゃる。

鴎ミニプラネタリウム

真っ暗な大海原に放り出された後、
さあ、どうする!?
大人の世界には「正解」を教えてくれる人は
いないよってことなんだな、きっと。

VIVA、オタク少女よ、花開け!!

先生方がね、笑顔満開で雑談してたんだけど、
その内容が超オタク。

「高校修学旅行は京都奈良なんですけど、
ここでね、ウチの子たちはオタクが多いから、
仏像見て『きゃー!?与願印(よがんいん)よ!
(願い事を叶えてポーズ)』ってなっちゃう(笑)」

「私たち(←先生)は小倉山を見たら
『キャーキャー』言う子を育てたいの♪
これが藤原定家の別荘があった小倉山なんだ!
って言われたいの(≧◇≦)」

「そうそう“にじょうさん”ではなく“ふたかみやま”
って言わせたい!」

「ああ、この、天の香具山を千年前の人も
見てたのかぁ…ってね(うふっ)」

「オタクは素晴らしい!!」で先生方が盛り上がる学園。
マニアック談義が続いた。

鷗からすべての女の子にかける魔法の言葉

おもろい話があったから、ちょっと書かせてね。

たまたま取材日に高3生の中で誕生日の子が
いたようで、センター対策授業の前に
クラスメイトから「何が欲しいの?」って
聞かれていたみたいなの。
そしたら、その子が「堅実な将来が欲しいです」
って答えたんだって。

それからが、この学校らしいんだよね。
周りのクラスメイトたちが一斉に
こうイジり出したんだと。

「は?堅実って何?」
「堅実だったら、面白いわけ?」
「何?堅実って食べられるの?」
「クッキー?」

「・・・。すみませんでした。
私が悪かったです。クッキーでいいです(笑)」

ってなったって目撃した先生が笑いながら、
教えてくれたの。

そしたらね、先生たちがこう言ったから
「ああ、らしいなぁ…」って。

これからの人生に堅実はない!

鷗の教育は「定型にはめるな!」って
ことだからね。

そのこころは?って聞いたらね、こんな答えが
学校から返って来た。

「さっき、りんこさん
『出産と仕事のバランスはどう取るのか?』って
言ったじゃない?もう古いよ!(笑)

4~5年前かな、ウチのOGで大学の准教授が
いるんだけど、出産1週間後に情報科学系の
学会があったらしくて、どうしても出たかった
んだって。
何でもね、学会ってコーヒーブレイクの
雑談タイムが一番、重要らしいの。
それで、彼女は企業に協力してもらって
棒人間モニターを借りて、そのロボットを
遠隔操作して出席したんだって。

つまりね、仕事と家庭はどっち?って
発想はもうない

彼女たちは、(旧人類が)思ったこともない
やり方を見つけていく。
ないなら、自分の力で作っていく
発想を変えれば何とかなる!
その力がウチの子たちにはあるんだなぁ
(どやっ!?)」

ここで、鷗学校から全ての女の子にメッセージ。

全ての女子よ、自信持て!! 
女の子母よ、常識を疑え! 
チャンスは一杯ある!

最後に目一杯聞かされた「泣ける話」から、
一番、短いバージョンをお届けしておしまいに
しようと思う
(長文、付き合ってくれて、ありがとう!)。

鴎生徒に囲まれる先生

何年か前のお話。高3の卒業アルバム撮影でのこと。
ちょっとこだわり度“強”の女の子がいて、いつも
決まった柱の前でモップかけをするのが
お気に入りだったんだって。

班で集合写真を撮らないといけなかったらしいん
だけど、出来上がった写真は、その柱の前で
全員が思い思いの掃除道具を持って
ニッコリ笑っている写真だったとさ。

鷗で育つと、こんな風になる。

「どやっ!? ええ学校やろ~?」
(って、アタシが威張ってどーする!?)

ご高覧いただきまして、ありがとうございます。 よろしければ、応援、よろしくお願いします<(_ _)>