運動連鎖〜人は「しなる」生き物である。
人はこのように「しなる」生き物である。
しなる設計が、もし人体にされていなければ人は感動できません。
大谷翔平のHRも投球も、井上尚弥の左ボディも生まれません。メイウェザーのディフェンスも、モデルさんのランウェイでのウォーキングも、役者さんの芝居も何も生まれません。
運動連鎖
慣性の法則と運動連鎖について簡単に
振り子の糸と球の間に釘を置きます。
振り子を離して落下させると、糸が釘に引っかかりブレーキがかかって勢いよく球が回転します。
車も急ブレーキすると左図のように後方が浮き上がって、前輪を軸に回転しますよね。
慣性によって運動する物体の端に運動方向と逆向きの力を加えると軸を中心に回転するんです。
ボクシングのパンチも投手の投球も槍投げでも体幹を軸にして腕を回転させますよね。
大きな円が体幹です。
体幹を回転させると肩関節が一緒に回転します。
つまり肩関節が反時計回りの角速度(回転運動の速さ)を得ます
ある程度、肩関節が回転し、反時計回りの角速度を持たせてから体幹を急停止させます。
すると今度はさっきの体幹の回転(反時計回り)とは逆向き(時計回り)の力が肩に加えられます。
腕の両端(肩と拳)にそれぞれ逆向き向きの力が加わるので、末端(拳)が回転して高速で左方向へ振り出されます。
つまり、体幹が回転して角速度がトップスピードへ到達した瞬間に体幹の回転を急停止させると慣性によって高速で腕が前方へ振り出されるんです。
最初に述べたように、パンチを打ちだした後に体を流さないことの重要性、つまり体幹を制止することの重要性が何となく理解していただけたと思います。
これは『運動連鎖』というしなりを生み出す動作へ繋がっていきます。
運動する物体の一方の端を掴んで急停止させると、その物体は軸を支点にして回転するんです。
これは動いている物体は動き続けようとする『慣性』という性質が物体には全て備わっているからです。
物理が得意でなくても、何となく感覚的に理解できると思います。
既にお気づきの方もいると思いますが、人間の体を抽象的に捉えると、それは連結された振り子なんです。
人体は骨同士が関節で連結した振り子構造だと見なすことができます。
つまり、『ブレーキ効果』を各関節で起こせれば、末端をどんどん加速させていくことができるってことです。
これは『運動連鎖』と呼ばれる身体連動の様子を時間-速度で表した簡単なグラフです。
赤丸で囲ったのは各関節の減速局面です。
スピードが落ちる、つまりブレーキ(運動と逆向きの加速度)がかかるので『ブレーキ効果』が起こります。
足関節のトップスピードに到達する前に膝関節が動き出したり、股関節のトップスピードを過ぎてから肩関節が動き出すと『ブレーキ効果』が薄れて十分に加速させられません。
このタイミングはとてもシビアですが、一流選手は練習によって体得しています。
この関節の連動こそがしなりの正体です。
ただこの連動を起こすのはかなりの練習が必要で、動作原理も理解しなければなりません。
上記画像は下半身の力を体幹を通して末端のボールへ伝えています。
この時の肘のしなりを見てください。
体幹の回転が肩、次にに肘、その後に手首、その後にボールへ力が伝えられている様子が分かりやすいと思います。
範馬刃牙
漫画 範馬刃牙での愚地克己はこの理論を伝えていました。
末端から人体の骨の数骨の数は206個を加速させていく。
克己は常にこれにこだわっていました。
近代アスリート、体の使い方(美しさ)というのは大概このことを示していると考えます。
母指球で地面を踏んだエネルギーを末端まで加速させる。
常にこの練習と考えます。
末端から人体の骨の数骨の数は206個を加速させていく。というのを(206という数字をイメージで囚われない)という話でした。
イメージはスポーツや身体表現で一番大切です。
この理論東大筋肉学の石○先生も大絶賛したらしいです。❗️
そもそも骨格調整も正しい位置に骨がありその部位の筋肉も正しく拮抗し合って成り立つ原理だと私は習いました。
特にアスリートで難しいのは人体で一番大きい関節「股関節」
(下半身から上半身へのエネルギー移行)
特にここで減速させないために骨盤前傾、後傾の動きの練習をします。
そして脊椎の頚椎7 胸椎12 腰椎5 の加速。
つまり胸椎の伸展ができるかにこだわります。
そしてポステリアチェーン。
人間の身体の後部(脊柱起立筋、大殿筋、ハムストリングスなど)の筋肉群のことで、これらの筋肉は動きの中で「鎖」のように連鎖、共同して働く機会が多いため、運動生理学でこのように呼ばれています。
(SQやDLで鍛えられる背面筋群)
「骨盤前傾、後傾の動きの練習、胸椎の伸展、ポステリアチェーン。」
この3要素からわかるようにBIG3(BP,DL SQ)が最強のTRということですね!(結局原点回帰!ドーン!)
テノデーシスアクション
手首の屈曲伸展によって拳が自動的に握られるテノデーシスアクションというものがあります。
日本語だと「腱固定効果」です。
下記画像、手首を曲げることを「掌屈」と言います。
掌側に手首を曲げることですね。
実際に同じようなことをやってみてください。
掌の緊張が解けて指が伸びます。
上記背屈です。
実際にやってみてください。
指が自動的に握られるのが分かると思います。
これは手首の腱が肘に繋がれているので、背屈させると腱に引っ張られて指が握られるからです。
チンパンジーが楽そうに木にぶら下がっていられるのもこのテノデーシスアクションを利用しているからだと考えられます。
物を投げる時もこのテノデーシスアクションを利用しています。
この場面は手首が背屈するのでボールが自動的に握られます。
この場面は掌屈しているので自動的に指の緊張が解放されます。
投球をするときに指を握って、開いてなんていちいち考えませんよね。
勝手に握って勝手に離しています。
テノデーシスアクションを利用しているからです。
人間は物を投げる生き物である説明にもなりますね。
そう陸上種目の3要素
走る・跳ぶ・投げる・は神様が人体OS初期設定を設計した時に備えた贈り物かもしれません。
この複雑な組み合わせでスポーツは成り立っております。
そしてここにもう一つ加えるとしたら
重いものを持ち上げるという運動です。
運動連鎖(キネティックチェーン)
開放運動連鎖(OKC)とは「オープン キネティック チェーン:open kinetic chain」
連動する関節のうち、遠位部の関節が自由に動くことができる場合の運動と定義されており、「開放運動連鎖」とも呼ばれます。
一方、閉鎖運動連鎖(CKC)は「クローズド キネティック チェーン:closed kinetic chain」
連動する関節のうち、遠位部の自由な動きが外力によって制限(固定)されているような場合の運動と定義されており、「閉鎖運動連鎖」とも呼ばれます。
ベンチプレスやチェストプレスがOKCであるのに対して、SQはCKCとなります。(末端が固定されているか否かで判別できます)
マシントレーニングはOKC、フリーウエイトはCKCのTRが多いと分かります。これらは、運動連鎖の違いという観点で分けられています。
(上記OKC CKCは NSCAなどのテストには出やすいがフーンくらいで、普通は覚えなくて大丈夫)
その中でもポステリアチェーン運動連鎖で重要なのはCKCである。
てSQである。
そう運動連鎖で一番重要なのはSQなのだ。
そしてもう一つ、ウエイトリフティング(クリーン、そしてジャーク)
これは何が言いたいかというと膝関節、股関節の同時伸展の重要性について
(厳密には同時ではないがややこしいのでここではそうする)
この運動力学の動きが最もシンプルかつ最も美しい軌道ではないでしょうか?膝関節、股関節の同時伸展、ポステリアチェーンを伝い、関節が連動し、運動連鎖が起き末端まで伝わっていく。
その運動連鎖の重力の動きの過程がこの動きである、
重いものを持ち上げるという行為は重力から逆らう行為ではある。
重力は誰もが扱える永遠に枯渇しない地球の資源であると考える。
この重力をうまく扱えるかどうかでパフォーマンスは大きく変わる。
その上で重力の真逆の運動力学を表した線が上記である。美しすぎないか。。
神が設計したOSの結果がこれである。
流石に長くなりすぎたのでこのくらいで。
「まとめ(何が言いたいかというと)」
「母指球で地面蹴って関節伝って末端までエネルギーを伝えていく話。
そのためには、骨盤の前傾後傾(ヒップヒンジ)重要です。
胸椎伸展重要です。
「この途中にあるのがBODY MAKEです。(お尻の位置あげる、胸を張れる,大筋群使って代謝あげる)」
それができたらSQやりましょう。
ポステリアチェーン使って伝っていく感覚わかりましょう。
(走る・跳ぶ・投げる・重いもの持ち上げる動作全てこれが一番重要です)
※レッグプレスじゃなくてSQやりましょう。
そしてそのあとウエイトリフティングどうですか?
膝関節、股関節の同時伸展(パンチ打つ、ものを投げる、etc)
てか↑この重力の軌道って美しすぎないすか?って話(ざっくり!)」
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