贖罪

大人になれないまま大人になっていた。

10代の、存在を否定されて育った、あの、ひとりぼっちで寂しがりだけど正しく生きようともがいていた女の子と、30代の、寂しさと虚しさを奥底に隠し、他人との距離感を考えてたら周りに壁を作ってしまった女性が混ざったような人間。それが今の私の完成形。

大人とは周囲との調和か共存か。
とかく波風立てないように生きている。

求められれば答えて、答えて、答えて...。
答えすぎて、何が本当の自分の感情なのか分からなくなってしまった。
見せすぎて裸になることに躊躇いなんてどこかに落としてきた。
むしろ、私の奥の奥の、一途に思いやりのあったあの頃の自分を見つけられることがツラい。

見てほしいけど見られたくない。
探さないでくれ。
そこまでいくのに中も外も汚れてしまった。 
触られたくない。
触れてほしい。

ごめんなさい。
醜い人間に育ってしまった。
この人生も失敗だ。

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