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短文バトル第3回目「一番古い記憶」
近所に大きな日本庭園があって、週末は父と出かけていた。ある日、いつものように池のまわりを歩いていると、茂みでうずくまる猫を見つけた。なでようと手を出したら、勢いよく引っかかれた。痛くて、怖かった。
最初の記憶は、「その人が最も嫌悪すること」を表すと聞いたことがある。ドイツの心理学者アドラーも「人生初期の強烈な記憶は、当人の人生観を示している」と主張した。これは私の場合、「不条理な暴力が許せない」
短文バトル222-1「徹夜」おすすめ
米光さん主催の「短文バトル」参加しました。
出されたお題に沿って、222文字以内で自由に文章を書くというもの。
わたしのおすすめはこちら。
「独特に楽しい」という表現がそもそも、とても独特なのである。最初の一文から、ぎゅぎゅーっと持っていかれた感じ。
あと、与儀さんの「ぶわん」の使い方も独特で、おおーとなった。こういう文体、わたしはたぶんこの人生で書けない。
今回、31名のかた(note
短文バトル222-1「徹夜」
会社勤めをやめて、昼夜の境目がなくなった。原稿作業はつい夜中にまわしがちだ。とはいえ、翌日会った人に「わたし昨日徹夜しちゃって……」と言うような人間にはなりたくない。そんな折、「断片的に眠る」というライフハックを耳にした。日暮れから夜明けまでのあいだに、一瞬でも目を閉じて意識が飛べば徹夜ではないというルールだ。半年が経ち、わたしは一度も徹夜をしていない。なぜなら、大抵の場合はそのまま朝まで寝てしま
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