小村トリコ

ことりと暮らすフリーランスライター。人物インタビューを中心に、取材記事を書いています。…

小村トリコ

ことりと暮らすフリーランスライター。人物インタビューを中心に、取材記事を書いています。 ポートフォリオ:http://torikomura.mystrikingly.com/

記事一覧

短文バトル222第4回目「紙」

「こういう時、私たちは必ずあれを使っていたの」 A4サイズのタブレットの上に、鮮やかな手つきでスタイラスペンを走らせていた若い女性は、私の言葉に驚いた表情で「へえ…

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短文バトル第3回「一番古い記憶」おすすめ

米光さんのこちら、参加しました\(^o^)/ 出されたお題に沿って、222文字以内で自由に文章を書くというもの。 私のおすすめはこちら。しまむら、好き! 「222文字のテキ…

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短文バトル第3回目「一番古い記憶」

近所に大きな日本庭園があって、週末は父と出かけていた。ある日、いつものように池のまわりを歩いていると、茂みでうずくまる猫を見つけた。なでようと手を出したら、勢い…

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短文バトル222-1「徹夜」おすすめ

米光さん主催の「短文バトル」参加しました。 出されたお題に沿って、222文字以内で自由に文章を書くというもの。 わたしのおすすめはこちら。 「独特に楽しい」という表…

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短文バトル222-1「徹夜」

会社勤めをやめて、昼夜の境目がなくなった。原稿作業はつい夜中にまわしがちだ。とはいえ、翌日会った人に「わたし昨日徹夜しちゃって……」と言うような人間にはなりたく…

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短文バトル222第4回目「紙」

短文バトル222第4回目「紙」

「こういう時、私たちは必ずあれを使っていたの」

A4サイズのタブレットの上に、鮮やかな手つきでスタイラスペンを走らせていた若い女性は、私の言葉に驚いた表情で「へえ」と返事した。

「今日みたいにいっぱい話を聞いてメモしたら、すぐになくなっちゃいますね!」

インフルエンサーとして当時絶大な影響力を持っていた通信会社の社長が《紙を使うものは、もはや人間ではない》と宣言してから、今年で73年。思い出

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短文バトル第3回「一番古い記憶」おすすめ

米光さんのこちら、参加しました\(^o^)/
出されたお題に沿って、222文字以内で自由に文章を書くというもの。

私のおすすめはこちら。しまむら、好き!

「222文字のテキスト」というルールだけが敷かれた中で、こうして印象的な画像を差し込むかた、キャッチーなタイトルをつけるかた、テキストに改行を入れまくるかた……と、装飾の方法は人によってさまざまなのが、おもしろい。

こちらは最後がきになる。

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短文バトル第3回目「一番古い記憶」

短文バトル第3回目「一番古い記憶」

近所に大きな日本庭園があって、週末は父と出かけていた。ある日、いつものように池のまわりを歩いていると、茂みでうずくまる猫を見つけた。なでようと手を出したら、勢いよく引っかかれた。痛くて、怖かった。

最初の記憶は、「その人が最も嫌悪すること」を表すと聞いたことがある。ドイツの心理学者アドラーも「人生初期の強烈な記憶は、当人の人生観を示している」と主張した。これは私の場合、「不条理な暴力が許せない」

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短文バトル222-1「徹夜」おすすめ

米光さん主催の「短文バトル」参加しました。
出されたお題に沿って、222文字以内で自由に文章を書くというもの。

わたしのおすすめはこちら。

「独特に楽しい」という表現がそもそも、とても独特なのである。最初の一文から、ぎゅぎゅーっと持っていかれた感じ。

あと、与儀さんの「ぶわん」の使い方も独特で、おおーとなった。こういう文体、わたしはたぶんこの人生で書けない。

今回、31名のかた(note

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短文バトル222-1「徹夜」

短文バトル222-1「徹夜」

会社勤めをやめて、昼夜の境目がなくなった。原稿作業はつい夜中にまわしがちだ。とはいえ、翌日会った人に「わたし昨日徹夜しちゃって……」と言うような人間にはなりたくない。そんな折、「断片的に眠る」というライフハックを耳にした。日暮れから夜明けまでのあいだに、一瞬でも目を閉じて意識が飛べば徹夜ではないというルールだ。半年が経ち、わたしは一度も徹夜をしていない。なぜなら、大抵の場合はそのまま朝まで寝てしま

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