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岡田阪神が「アレ」する方法

 新生岡田阪神が始動して約一月が経過した。
秋季練習も終わり、秋の安芸キャンプでこれからレギュラー候補たちをふるいにかけていく段階である。

 そんな中、岡田監督と「アレ」するために必要なピースは何なのかを考えていきたいと思う。

 岡田監督は今オフのFA補強を見送ることを表明した。
さすがにこの打線でFA豊作年に何もしないというのはどうかと思うが…一旦その可能性は排除して考えていく。

現役ドラフトに賭ける

 今オフから開催される現役ドラフト。そこでの戦力補強も考えられる。今回はもし可能ならば、二遊間を主戦場とし攻守にバランスの取れた内野手の北村拓己(巨人)、”ダイナマイト”とも称される豪快なバッティングが魅力の外野手である石川慎吾(巨人)、甲子園を沸かせた発展途上の逸材でもあり、何かと話題性に富んでいる、捕手と外野を守る中村奨成(広島)などの即戦力候補を獲得したいところである。

現有戦力の底上げへ

 ここまでの可能性をすべて否定し、現有戦力で戦うことになる場合のメンバーについて考えたい。

まず、現有戦力で打線を組むと以下のようになる。

8近本
4中野
3大山
5佐藤輝
9森下
7前川
2梅野
6小幡

かなり確実性に欠けた打線であることが見て取れるだろう。まず、この打線の中では森下、前川、小幡の3人は活躍する保証がない。

ここに新外国人の野手を入れるとすれば外野両翼のどちらかになるだろうが、岡田監督がミート・パワーにバランスが取れたサンズ型の助っ人よりもパワーに全振りしたボーア型の助っ人を望んでいることや、右・左を3連続以上させたくないといった岡田監督の野球観から、3番打者タイプではないが大山が3番に入る可能性もあるのではないかと予想する。

ここからは、新外国人を除く日本人野手たちに何が必要かを選手ごとに考えていきたい。

小幡の全体的なレベルアップ

 まずは、来季の遊撃レギュラー筆頭候補の小幡。
二軍では3割近い打率も記録し、フェニックスリーグでも4割超えの打率を誇るなど、一軍で固定すればミート力も徐々に良くなるだろうと考えられる。
しかし、高校通算24本のホームランを放ったパワーが未だに発揮されていない。OBの藤川球児氏に「松井稼頭央になれ」と声をかけられたように、高校時代の活躍からすればそうなれるポテンシャルを秘めた選手でもある。
阪神では、主力の大山を始め、井上、遠藤などといった若手も1,2年での肉体改造に成功しており、彼らほど筋肉質になれとは言わないが将来的には2桁ホームランを打てるような選手になってほしいところである。
 「鳥谷2世」とも称される小幡。来季目指すべき目標は来年の小幡と同じ年齢である鳥谷氏の1年目の成績だ。

大山、佐藤輝、梅野の再生

 これらの3人は打線には欠かせない。
大山は'20~'21春のようにホームランと二塁打がバランスよく出るような打者に、佐藤輝は'21春のようにホームランを量産、また梅野は'19のように2桁ホームランと得点圏打率3割を狙えるようなバッティングができるようになれば打線として機能してくるのではないだろうか。
大山と佐藤輝には岡田監督の打撃指導が行われるとの情報もある。あわよくば2人とも30本を打てるようになってほしいところだ。

外野に若手を固定

 現在、阪神の支配下の若手外野陣では、前川、井上、小野寺、豊田、そして来季のルーキーである森下、井坪がいる。
このメンバーのうち、1人は必ず来季固定して起用してほしい。というのは、多くの大打者が一軍でフルシーズン過ごした経験が糧となりさらなる飛躍につながったからである。
 特に井上あたりは前川、森下といった強力なライバルが出てきている以上来季は一軍での活躍が見たい。岡田監督も秋季キャンプで絶賛していたこともあり、チャンスはある。ぜひとも限られた出場機会を掴んでほしい。

新たな若手投手の一軍定着

 今季は西純、才木、浜地、湯浅などといった若手投手が新たに一軍に定着した。
その他にも森木、及川などといった期待の若虎もファームでアピールを続けている。来季はこの二人のどちらかが一軍に定着して欲しいというのが本音だ。
現在、二人は先発として投げているが、森木は先発として好投している一方で、及川は先発再転向後は苦しんでいる。しかし、森木は来季は中継ぎに挑戦するという計画もあり、また及川は一軍で中継ぎとして活躍した経験もある。球界のエース・山本由伸(オリックス)が先発→中継ぎ→先発として様々なポジションを経験して飛躍したように、若いうちの様々な経験は決して無駄にはならない。どのような形であれ、来季は彼らが一軍で活躍する姿を見たいところだ。

その他外国人の補強は…

クリーンアップを張れる外野手

現在、阪神の新外国人候補として以下の選手がリストアップされている。

テイラー・ジョーンズ
・パワーとユーティリティ性(本職の一塁・三塁+外野両翼)が魅力
・腰痛持ち、三振率高め?
・一塁大山、三塁佐藤輝とのポジションの兼ね合いを考えると…?

ジョーダン・ルプロウ
・打率+1割ほどの出塁率を誇る
・外野両翼の守備がかなり上手
・低打率、変化球を見逃せるか?

アリスティディス・アキーノ
・圧倒的なパワーに定評
・外野守備も平均以上
・三振率が異常に高い

ブレント・ルッカー
・AAAで無双中
・侍ジャパンとの対戦で結果(3-2,1四球)
・守備がかなりマイナス、置くならレフト専門か

ルイス・ブリンソン
・マイナーで打率.298・OPS.922と結果
・高い身体能力を活かした走塁と外野守備に定評
・落ちる変化球の克服が必須

 おそらくここから1人〜2人を獲得するものとみられるが、岡田監督の意向次第では獲得を見送る可能性もある。
 個人的には3番に置くことを想定して低打率ながら出塁能力の高い、'21マルテタイプのルプロウ、そして既に日本の投手から結果を残しており、かなりのプロスペクトでもあるルッカーの2人を獲得すべきではないかと考える。

 また、捕手も守れる大砲・A.マルティネス(前中日)や、今や内外野全ポジションを守れる長距離砲・ウィーラー(前巨人)なども選択肢になりそうだ。

先発1,2枚+セットアッパー候補1人

 今季のローテーションから藤浪、ガンケル、ウィルカーソンが抜け、また獲得を検討していた有原航平がメジャー残留を表明したことからローテーションの再編成が急務となっている。青柳・西勇・伊藤将の表ローテに加え、西純・才木などの若手が中10日で回っている裏ローテでローテーションを組んでいた今季。ここにファームで好投を重ねている村上や桐敷、さらに復活を期する秋山など対抗馬こそ多いが、若手の負担を減らすべく中6日で回せるローテ候補の獲得は必要だ。

 また、「”令和のJFK”を5,6人で作っていきたい」という岡田監督の構想も実現したいところ。今季は、岩崎・ケラー・湯浅の今季の勝ちパターンに加えて、岩貞・浜地などが控えるなどリリーフは安定していたが、今季が実働1年目だった湯浅や浜地に負担がかかっていたのが現実。さらに候補を増やしてさらなるブルペン陣の充実を図りたいところだ。

平田ヘッドに懸かる期待

 今季まで二軍で指揮を取っていた平田勝男ヘッドコーチ。現在、投打ともにチームは若返りが進行している。前川、井上らの大砲候補に榮枝や中川といった次代の正捕手。また村上や桐敷といった左右のエース候補。
平田ヘッドは彼らのポテンシャルの高さもよく分かっているであろう。ぜひ彼らの力を積極的に活かし、「アレ」に貢献して欲しいところだ。

 前回優勝を果たした岡田監督と平田ヘッドの”オカヒラ”コンビの復活。ここから黄金期に向かって走り始める瞬間はすぐそこだ。

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