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ありがとう矢野燿大

キャンプ開幕前日に激震が走った。

阪神の矢野燿大監督が、今季限りでの退任を発表した。開幕前に監督自ら退任を発表するのは史上初だという。

今回は、矢野が残したものと、今年阪神が成すべきこと、また次の監督候補についても書こうと思う。

矢野監督が残したもの

ドラフト会議

2018年シーズン終了後に監督に就任した矢野は、早速ドラフトで近本光司を引き当てる。
当時は賛否両論あったが、今となっては触れるまでもない。入団から3年でチームの顔となった。他にも、即戦力を中心としたドラフトとして、木浪なども獲得した。早速翌年ドンピシャで当てはまるとは夢にも思わなかった。

翌年のドラフトでは、1位で西純矢、3位で及川雅貴と高校BIG4を2人も引き当てることに成功。この他にも、この年の夏の甲子園王者の履正社高の4番・井上広大を指名するなど前年度は打って変わってほぼ高校生で固めた。

さらにその翌年は、1位で大卒No.1野手の佐藤輝明を競合の末獲得。2位で伊藤将司、6位で中野拓夢と即戦力を多数獲得。再び即戦力重視のドラフトとなった。

そして昨オフのドラフト。1位で森木大智を指名した後も4位で前川右京など高校生を指名しつつ、2位3位で即戦力投手を獲得するなどバランス型のドラフトとなった。

矢野のドラフトで特徴的なのは、明確にテーマがハッキリしていることが多い点である。

今までにはない新しいドラフトの切り口を開いてくれたことは言うまでもない。彼らの成長に大きく期待したい。

ベンチ改革

金本監督時代は割と締まっていた印象のあるベンチだったが、矢野政権では「矢野ガッツ」と呼ばれるガッツポーズなど派手なパフォーマンスが目立つようになった。
これはあの名将、野村克也氏の「プロ野球は興行」という考えにも合っており、ファンは大いに喜んだものだ。
また坂本は、控えながらも度々ナインを鼓舞するなどの功績も認められ、今季からキャプテンに就任。矢野野球の体現者として今季の立ち振る舞いにも注目だ。

ファンを大事に

阪神は誰もが認める人気球団である。そのためファンも自然と多くなるのだが、そのファンを大事にしたのも矢野監督だった。

プロ野球では、勝利時にナインが整列しファンに向かって一礼するという儀式を行うが、矢野監督はこれを敗戦時でも行った。球場に観戦しに来たファンに感謝を伝えるためだという。

また、春の甲子園を開催できなかった時には、矢野監督の発案で、日本全ての高校3年生の野球部員に甲子園の土を詰めたストラップを配布。選手たちと共に汗に塗れながら土を集めた。

日本ハムの新監督・新庄BIGBOSSもスローガンに「ファンは宝物」を掲げるなど、やはりプロ野球はファンあってのもの。これからもタイガースはファンを大事にし続けて欲しい。

今年阪神が成すべきこと

言うまでもないだろう。優勝である。
しかし、ただ優勝すればいいという訳では無い。矢野チルドレンと呼ばれる選手たちに求める具体的な成績を考えていこうと思う。

まずは、大山悠輔。どちらかと言えば金本チルドレンの印象の方が強いかもしれないが、大山を4番に抜擢し、調子が悪くても固定し続けたのは矢野である。たいそう恩義も感じていることだろう。
そうなるとやはり、自己初の30本塁打はどうしても達成して欲しいところだ。

続いて、近本光司。近本こそ真の矢野チルドレンであるが、彼には首位打者になってもらいたい。昨年は自身初のゴールデングラブ賞と最多安打のタイトルを獲得。もう彼に目指せないものは無い。 

最後に、藤浪晋太郎。和田政権から経験しているという意味では矢野チルドレンとは言えないかもしれないが、昨年は自身初の開幕投手に抜擢されたなど期待の厚さは桁違いであった。彼にはどんな形でもいいのでチームに貢献して欲しい。ただそれだけだ。優勝には藤浪の力は必要不可欠である。

次期監督候補

シーズンが終わっていない中でこのようなことを書くのもなかなか失礼ではあるが、やはり気になるところ。予想していこう。

鳥谷敬&藤川球児

タイガースファンに知らない人はいないレジェンドである。
しかし、2人とも引退して間もなく、また入閣経験もないため、可能性は低いと考える。

井上一樹

ピンキーの愛称で親しまれた中日OB。
矢野監督との"お友達"ということもあり、矢野監督就任時に入閣。
その後は打撃コーチ、ヘッドコーチに就くも、あまり目立つことはなく。おそらく矢野監督退任時にそのまま退団するだろう。

今岡誠

僕が勝手に次期監督候補筆頭だと思っている人物だ。
阪神OBで、過去に147打点を記録したこともある名選手だ。阪神退団後はロッテに移籍しそのまま引退。引退後も阪神、ロッテの双方でコーチを務めた。また、ロッテでは一軍ヘッドコーチの経験もあり、そのシーズンを2位で締めているため、監督適性はないことはないだろう。
その他OBで今岡と同世代の人間は入閣経験がない者が多く、やはり外様から呼ぶとしてもコーチ経験がある方が良いだろう。そのため、今回は今岡が有力候補だと考える。

あと1年しかないシーズン、矢野監督と阪神ナインには悔いなく終えて欲しい。上記のように、矢野監督がチームにもたらしたものは計り知れない。まさに偉人である。
是非とも彼を胴上げしてユニフォームを脱がせてあげて欲しい。それが選手とファンと、また矢野監督自身の願いであろう。

ファンもチームも共に優勝に向かって突き進む季節が、今年もついにやって来た。

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