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岡田監督で変わるもの

報じたら出禁―早くもこの密約は破られた。

9月27日朝刊、サンスポが次期監督に岡田彰布元監督が内定したことを報じた。

これを受けて、巷では賛否両論、個人的には賛否否否賛否否否否否否否否賛賛否否否両論が起こっている。
そして、ここでは岡田政権に変わるにあたり、これまでの矢野政権とはどのように変わるのかについて見ていこうと思う。

岡田采配の特徴

一言で言えば、岡田采配の特徴は「贅沢に勝つ」である。
就任前年に獲得した金本知憲を筆頭に、就任後も積極的な補強を断行。前監督でリーグ優勝を果たした圧倒的な打撃陣に加え、広島の主力であったアンディ・シーツ、新井貴浩を獲得。
また、JFKという鉄壁のリリーフ陣を完全に確立し、「阪神戦は6回で攻撃終了」と相手に言わしめるほど彼らを積極的に投げさせ逃げ切るというパターンでの勝利を積み重ねた。

岡田監督に期待できること

積極的補強

さて現在の阪神はというと、投手陣こそリーグトップクラスであるものの打線のひ弱さがかなり目立っている状況と言える。
しかし、岡田監督は先述した通り広島から2人の主力を引き抜くことに成功するなど補強には一定の評価がある。
今オフはFAの目玉に強打の捕手・森友哉やトップクラスの二塁手である浅村栄斗、広島の3番打者である西川龍馬など打線の補強には欠かせない選手たちが沢山上がっている。ぜひ彼らを効率的に獲得し、岡田監督に「御祝儀補強」をしてあげたいところだ。

若手OBの復帰

またチームで課題となっているのが首脳陣の高齢化である。
和田豊元監督以降、金本知憲、矢野燿大が監督を務め若返りには成功しているものの、それに続く監督候補の不在というのはチーム内で頭を抱える課題となっていた。
しかし、岡田監督の下で主力であった藤川球児、今岡誠、また岡田監督を師と仰ぐ鳥谷敬など多くのOBのコーチ招聘が予想されている。特に鳥谷に関しては、「恩義のある人に求められないと阪神には戻らない」という趣旨の発言をしていたのもあり復帰に大きく期待がかかっている。
未来の監督候補育成という点でもこれは必要なことであるだろう。

岡田監督に期待できないこと

ドラフト戦略

矢野現監督はドラフトの一つ一つに明確な目的を持って挑んでいたというのは周知の事実であろう。
2018年は即戦力の確保、2019年は未来の主力となる高卒の確保、2020年はまたまた即戦力確保、そして2021年は高卒の素材と大社卒の即戦力のバランス補強と各年ごとに補強したい層がはっきりとしているのが特徴であった。
しかし、岡田監督といえばドラフトに全く長けていないというのが本音である。
現に、今季で引退した糸井嘉男(41)の次の年長者がソフトバンクから加入した二保旭(32)であるということに全てが込められているだろう。そう、この間の世代、つまり岡田監督が補強した世代がほぼ全滅状態であるということだ。
今年は高卒の浅野翔吾など補強したい選手が数多くいるドラフトとなりそうなだけに今後の展開には期待できないというのは非常に残念である。

リリーフ陣の適切な管理

岡田監督といえば末期に鉄壁の勝ちパターンであるJFKを破壊したことでも有名である。
2008年、Vやねんを発行しながらV逸したのはウィリアムス、藤川が打たれ始め、久保田を投げさせすぎてしまったのが一因である。

JFKの3人の登板数。2004-08年が岡田政権。

明らかに異常であることは上図を見れば明らかであろう。特に久保田は明らかにこの期間で投げすぎて今後のキャリアに影響を及ぼした明らかな被害者と言える。
近年はリリーフ陣の負担は減らしたいという考え方が主流となってきており、また阪神は湯浅、浜地など若いリリーフ陣が整備されつつある段階なので、ここでの酷使は是非とも避けたいところではあるのだが…

現所属選手との不仲

岡田監督といえば大物OBであるだけに現所属選手とも関係が深いのは当然とも言えるが、それが必ずしも良いものとは言えない。
大山悠輔、藤浪晋太郎などメディアに不仲を取り上げられるような選手がいるのと同時に不安視されてあるのが、西勇輝のFA流出である。
西は2018年オフに矢野政権がスタートした段階からいる選手。以降多少の波はありながらも毎年先発ローテを守り続ける投手陣の柱とも言える存在である。今のチームには欠かせない戦力だ。
しかし、その西はオリックス時代に当時の監督であった岡田監督との確執があったことが報道されている。やはり自分を可愛がってくれない監督の下でやるというのも西自身にとっても苦しいところもあるであろう。外様の人間ということもあり、残留が確実視されていたが一転移籍の可能性も浮上しつつある。
また、今季FA権を保持している岩崎、岩貞や来季FA権の取得が見込まれる大山も移籍となる可能性も出ており、今後の情勢に注目が集まる。

就任前になんとも言えない空気が立ちこめる中、岡田監督は自身の前政権以来となる悲願の優勝に導けるのか注目が集まる。

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