鳥飼重和の「何があっても上り坂」第7回 成功体験に注意

今日はなかなか難しい話をさせていただくのですが、テーマとしては「成功体験というのは変化の時代には怖いよ」とそういう話であります。

①時代の変化が成功体験の価値を変える
私も実は弁護士の新人時代に税務をちゃんとわからないとM&Aをちゃんとできないよねというので、弁護士でありながらどちらかと言うと税務に対して関心を持って勉強してました。そのおかげで有名になってきて、いろんな税務訴訟をたくさんやるようになっていきました。それはいいことだったんですが、時代が変わってくると訴訟の数がどんどんどんどん減ってきて、どちらかと言うと求められてるのは訴訟になる前の税務の予備的予防的な段階で何とかしなきゃいかんという風になってきたんですね。
そうすると後処理としての訴訟で有名なったとしても、前段階で先手打たなきゃいかんっていう業務と結びつきませんから、案件が著しく減ってくるという時代が実はありました。今はどちらかと先手必勝という考え方で、予め将来のことを予測してそれに対してどう対処するかという方向での舵を切り始めてるわけですが、やっぱり成功体験と言うと「自分の過去から現在に至るまででうまくいってるからこれをこのまま維持すればいいんじゃないか」と言う考え方ですので、時代が変化すると「それはいらないんだ、あなたのその経験はいらないんで別の知識あるいは能力が必要なんだ」って言われた時に対応できないからお客さんが来ないと。社会からの要望されないというのがありますので、時代の変化があったら、過去の成功体験というのは捨てなきゃダメですよと。
特に今はデジタル社会って言われてますが、日本は実はデジタル化が遅れてるわけではなくて、デジタルの使い方が生産管理のところでどうしたら合理的に生産できるかみたいな、そちらの方で実は巨額の投資をしてたんですけど、今はビジネスモデルを変えて従来の商売と異なるやり方じゃないと生き残れない時代に入ってます。逆に言うと昔莫大なお金をかけて今償却時期に入っていて、将来に対して非常に大きな投資ができなくなってるというのならばビジネスモードを変えてそのビジネスモデルを生かしてどちらかと言うとデジタル化によって情報を集めて情報データの下で新しい事業を始める、業務改革していく、新しい市場を作ると、そちらの方ずっと伸びているという将来の知的財産権的なところで伸びてるところが今の中心なので、従来の成功体験で生産設備をしっかりしてそこ合理化するために短い期間で安い製造原価で作れるみたいなそちらの方にデジタル投資したというところが重荷になったらですね、それでは自分達の方でも今までうまくいったことがそのままの通り通ればいいんですけど、そのままやってたら衰退するよと、仕事が減ってくるよと、人が寄ってこなくなるよということがあるとわかれば、切り替えをして新しい時代新しい予防というものに焦点を当てて、同じデジタル使うならそちらの方でビジネスモデル変革する方向でやってかなければならんということです。

②アフターコロナ、社会に提供するべきは
自分の仕事も後手後手で何か問題が起きてから後処理として何かやってたことに対して社会の要望が少なくなってるんだったら、将来のリスクがあるからそのリスクに対してどう対応するのかという形でリスク対応型に変えなきゃいけない。予防を中心にするというような発想で転換をしなければいけないと。したがって今まさにアフターコロナ、コロナの終わった後は時代が全く変わってくる可能性がありますので、従来の常識で従来はよかったっていう成功体験の下では恐らくうまく行かないってことがいろんな面で出てくると思います。そういう意味では成功体験をした方については、そのままで安心しないでいただいて、これから変わった時に対応できないと困るぞということは頭に入れて、社会が何を要望してんのかどういう変化をした方が自分達は社会の役に立つのか、そのためにはビジネスモデル、なにを市場として、なにをお客さんとして、どういう手段を社会に提供するのが望ましいかをもう一度考え直すっていうそういうことが必要な時代に入ってくるんではないか。という意味では成功体験というのは本当恐ろしいものに切り替わるということをぜひ頭の中に入れていただきたい、というのが今日のお話であります。
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