小悪魔LOVE♡概論~桜坂しずくのすべてが詰まったラブソング~
いよいよFly with you、ニジガクのラブソングが発売されましたね!
新曲、しかもラブソングということで、発表された時からワクワクしていましたが、いざ聞いてみると想像以上に感情が昂りました。なかでも特にしずくちゃんのラブソング、「小悪魔LOVE♡」は破壊力満点で、桜坂しずくの魅力がギュッと詰め込まれていて、めちゃんこあざと可愛くて……つまり最高です!今回はこの曲について私なりの感想、解釈、妄想を語っていこうと思います。
早速ですが、目次を貼ってみます。
しずくの「あなたの理想のヒロイン」はもちろんとして、せつ菜、かすみんの曲ともリンクしてるように思えてならないのです。また、しずくちゃんの演劇に対する向きあい方の変化も感じました。もしよろしければ読んでくれると嬉しいです。
あなたの理想のヒロイン
~あなたが主役のストーリーからしずくが主役のストーリーへ~
曲を聴いたとき、「あなたの理想のヒロイン」を思い出した人は、きっと私だけじゃないはず。
早速ですが、まずはサビの部分の歌詞を振り返ってみましょう。
このときは「ただの後輩を演じさせてください」だったのが、ここまでグイグイ前に出る子になるとは……しずくの成長を感じます。しかしあまりにも急成長過ぎてちょっとびっくりしています。どういう風に心境が変化したんだろう、という話も後の項で話していこうと思います。
色々話したいことはあるのですが、まず注目してほしいのがこの部分です。
「いつの日にかなれますように」とあるように、この段階ではヒロインにはなれていないんですよね。そして「素敵なシナリオで導いて」とありますので、これは桜坂しずくのストーリーではなく「あなた」のストーリーと言えるのではないでしょうか。「桜坂しずくのストーリーではない」というのは語弊がありそうですね……主人公は「あなた」であって、桜坂しずくはあくまで脇役なのです。「ただの後輩」という脇役なのです。
「あなたの理想のヒロイン」では主役は「あなた」、しずくは脇役のただの後輩。ですがこの主役と脇役の関係性は「小悪魔LOVE♡」では逆転します。
主人公は君(=あなた)に恋した桜坂しずく。ですが君は鈍感で恋心に気づいてくれません。君はしずくの物語の舞台に登場はしているものの、しずくと君のW主演!という段階にはまだ至ってない状況ではないでしょうか。
うかうかしていたら君は誰か別の女の子に取られて、いなくなってしまうかもしれません。このまま物語の脇役のままではいて欲しくないんです。二人でハッピーエンドの物語を紡いでいきたいのです。
あなたの理想のヒロインはあなた(君)が主役の物語の曲。
その物語からスピンオフして、君と私が主演の二人だけの物語を作ろうよ!だからこっちに来てよ!新しい物語の主役を一緒にやろうよ!
「小悪魔LOVE♡」はこういうメッセージの曲じゃないかな、と妄想しています。
優木せつ菜と「小悪魔LOVE♡」
「小悪魔LOVE!」は好きな子に向かって一直線!という印象を感じました。このまっすぐな感じ、どことなくせつ菜ちゃんを感じます。
しずくは自分自身をさらけ出すのが怖い、という葛藤がアニメでは描かれていました。せつ菜も同様に自身の「大好き」を隠そうと、消してしまおうとしていました。二人の悩みはどこか似ているところがあります。
せつ菜は同好会での一悶着から自分の想いを封じ込めようとしていました。ですか彼女は本来、「大好き」を真っすぐに、燃え盛る炎の様に魂から叫ぶスクールアイドルです。大好きは大好きのままでいいんだ、と気づきを得てからは更に生き生きと「大好き」を叫びます。
自身の「大好き」の感情を伝える、というのは恋愛においても必要な要素です。だからこそ、せつ菜ちゃんからインスピレーションを貰って「小悪魔LOVE」が作られたのではないでしょうか。
一途な感じ、走り出したら一直線な所からはせつ菜ちゃんを感じます。
そして「演技しちゃうのは君の為」と言えるようになった所も好きなポイントです。
勿論、元々演技が好きだったことは確かなのですが、「変わった子」だと思われるのが嫌だから演技をしていた、という側面があります。
自分をさらけ出すことが苦手なしずくと、「大好き」を叫ぶせつ菜。
この二人は対極の関係にあって、だからこそせつ菜に対して、どこか憧れのような感情があったんじゃないかな、と妄想しています。
冷静に考えると、舞台ではなく日常で色んなタイプの子を演じる女の子は「変わった子」といえてしまいそうです。ですが、そんなことはもう関係ありません。アニメ1期8話にこんなセリフがありました。
演技が好きだから、そして何より君が好きだから。もう迷わない。ただひたすらに真っすぐに。変な子だって思われちゃうかもしれないけど、全然へっちゃらだもん。大好きに真っすぐ向き合っている姿は、せつ菜ちゃんと重なります。
歌詞以外にもせつ菜ちゃんと重なるところがあります。
随所にホイッスルの音色が散りばめられているんですけど、どこかで聞き覚えがないでしょうか?
そう、せつ菜ちゃんの「ヤダ!」にも登場してるんです。このホイッスルの音色がたまらなく好きなんですよ。こっちだよ、ついてきて!と言っているような、チアリーダーの応援のように元気を分けてくれているような、そんなイメージを感じます。
改めて「ヤダ!」を聞いていたんですけど、2番のサビの歌詞は「小悪魔LOVE♡」の文脈で解釈しても全然違和感がなかったんですよ。「小悪魔LOVE♡」は桜坂しずく版の「ヤダ!」と言っても過言ではないかもしれません。
それではサビの歌詞を振り返ってみましょう。
「責任取ってほしいの」と同様のフレーズが、「小悪魔LOVE♡」にもありますね。
ここで、「それもヤダ ヤダ」「どれもヤダ ヤダ」
と言っているのは歌い手ではなく「君」と解釈して意訳してみましょう。
ここまで違和感なく解釈できることに驚いています。「小悪魔LOVE♡」は色んなタイプの女の子を演じて、君を振り向かせたい!という曲です。同好会メンバーは一人一人が個性的で、それぞれがそれぞれの魅力を持っています。だから、演じるうえで同好会メンバーを参考にしたり、研究したりしてるんじゃないかなって思うんです。そんな中、特にかすみんとせつ菜にクローズアップして、曲作りを進めてたら面白いなって妄想しています。
中須かすみと「小悪魔LOVE♡」
つぎにかすみんにクローズアップして語っていこうと思います。
今回の「小悪魔LOVE♡」は、あざとさが限界突破してますよね。
「君色にそ・ま・っ・ちゃ・う ね♡」のラストの「ね♡」なんて、もはやあざとさの権化です。このあざとさって、かすみんから来てるように思えてならないんですよ。
この部分なんて、もうかすみん本人じゃないかと思うくらい。
小悪魔LOVEが発表される前に、「かすみんの次の曲の歌詞です!」って紹介されたら、何の疑いもなく納得しそうです。
「あざといなんて誉め言葉」の部分は、かすみんの信念を体現するフレーズであり、かすみんの「カワイイ」を追求する姿勢のリスペクトでもあるように思えます。このあたりは次の項で詳しく解説していきます。
かすみんを軸に色々語ってきましたが、一番語りたいことは次の項に詰め込もうとおもいます。最後にかすみん要素を感じられるフレーズを紹介してこの項を締めようと思います。
しずくちゃん、かすみんのこと好きすぎるな?
いつか二人のデュエットver.を出してほしいです。
演技への向きあい方と、かすみんの無敵級*ビリーバーの哲学
最初きいた曲を聴いたとき、ツンデレ・ヤンデレ・ドジっ子・ぶりっ子と演じてるけど、アニメ1期8話でも描かれていた「自分をさらけ出す」ってことと矛盾してない……?と少しひっかかりました。
ですが曲を聴きこんでいくうちに、「演じることが好き」という桜坂しずく、ありのままの姿を受け取って!というメッセージなんじゃないかな、と腑に落ちました。演技と本心の関係について、掘り下げていこうと思います。せつ菜の項、かすみの項で触れた部分もあるのですが、この項と次の項にかけて、改めて整理していきます。ここでは、かすみんの無敵級*ビリーバーと比較しながら話を進めていこうと思います。
まずはしずくの抱えていた悩み、アニメ1期8話での成長について振り返っていきましょう。
「変な子」と思われたくなくて、自分の本心を隠したくて、別の自分を演じるようになってしまいます。演じるというモチベーションは100%が「好きだから」という気持ちではなく、一部に「自分をさらけ出したくない」という、ネガティブな感情が含まれていました。
作中で抜擢された役を演じるには自分をさらけ出すことが必要です。でもそれはしずくがずっと目をそらしていたこと、怖くて出来なかったことでした。一人で思い悩むしずく。そんなしずくを救ってくれたのはかすみんでした。
嫌われようが、どう思われようが、かすみんは信じる「カワイイ」の道を進みます。このカワイイの哲学が、どうしようもなく好きでたまらないので掘り下げていきます。
私が抱いている「好きでたまらない」という感情をしずくも抱いていたら嬉しいなって思ってます。だからこそ、かすみんをリスペクトして「小悪魔LOVE♡」が作られたんじゃないかなて妄想しています。
先ほどのセリフと同じ意味の言葉が、無敵級*ビリーバーにも登場します。
この背景には、かすみんも自分に自信がない、という悩みがあります。
あの子と比べて自分はまだまだだ、ダメダメだって思ってしまう。
それでも、
それを実現するには、「カワイイ」が必要不可欠なのです。
「カワイイ」の追求するなかで、自分を好きになってあげることが出来るのです
そして「カワイイ」は自分のためだけじゃありません。
「カワイイ」によって、笑顔によって、明るい気持ちにしてあげたい。幸せな気持ちにしてあげたい。無敵級*ビリーバーで歌われていた「笑顔の魔法」は自分自身に対してだけではなく、みんなへ送る魔法でもあるのです。
自分に自信を持つためでもあり、そしてみんなを笑顔にするために「カワイイ」を追求する。他の人が何と言おうと、自分の信じる「カワイイ」の道を貫く
これこそが「かすみんの哲学」だと思っています。ちょっとかすみんについて話しすぎました。推しなもので、ついつい熱が入ってしまいました。閑話休題、しずくちゃんの話に戻りましょう。
「自分を信じる」そして、「相手を笑顔にしてあげる」かすみんが歌っている2つの決意、かすみんの哲学は、目標こそ違えども、しずくも共感するところがあるのではないでしょうか。完全に一致というわけではないかもしれないですが、同じ価値観、同じ哲学がそこにはあると思います。「自分をさらけ出す」という観点からも、かすみんの哲学は非常に力強いエネルギーをしずくの胸に宿すのではないでしょうか。
だからこそ、かすみの「カワイイ」を取り入れて、しずく流にアレンジしたのが「小悪魔LOVE♡」じゃないかな、と妄想しています。
「桜坂しずく」の全てをぶつける
~自分自身をさらけ出して~
この曲は「自分をさらけ出す」ってことと矛盾してない……?と少し考えた、という話を前の項の一番初めに書きました。
ですが結論として、この「小悪魔LOVE♡」でも、キャラを演じる中でも、自分をさらけ出していると私は解釈しています。相手に迎合して「演じたそのキャラを、その人格を好きになってもらおう」というわけではないのです。
ここのところのリリックビデオの演出からは、舞台が暗転してスポットライトが当たるようなイメージを感じました。しずくの独白、しずくの本心が詰まったフレーズだと思っています。
「あなたのことが好きだから」演技しちゃうというところかキーポイントです。決して、「自分に自信がないから」「今の自分じゃ振り返ってもらえないから」ではないのです。
「演技が好き」というありのままの自分を好きになってもらいたい!そんな想いの詰まった一曲だと思います。さらに、演技の中にもしずくの素の姿が見え隠れしてるように思うのです。
ここの「アドリブ」って「自分をさらけ出す」と似た意味を持ってるんじゃないかなって思うんです。台本通りじゃなくて、自分なりに解釈して演技をする。自分自身の要素を混ぜ込んで演技をする、ということではないでしょうか。
つまり演技の中の100%のうち、100%すべてが演技ではなくて、自分自身の要素が一部含まれている、ということだと思うのです。演技の中の自分の素の割合を徐々に増やしていって、もっと自分のありのままの姿を見てもらおう、という考えもありそうです。
「小悪魔LOVE♡」でもしずくちゃんのアドリブ、つまり素のしずくちゃんが見える箇所があります。
ここのところ、すごくしずくちゃんらしさが溢れてるように思います。
「ぷんぷんぷん!」とか「きゅるりん」だったりと、誇張表現は入っているんですけど、負けず嫌いでいじっぱりな感じが、しずくちゃんらしさを感じて最早愛おしいくらいです。
アニメ1期4話の中須かすみ教授のスクールアイドル概論にて、「あれー? しず子、分からないんですかー?」って煽られたときの、この表情が思い浮かびます。しっかりしてるようで、年相応に幼い一面もあって、ムッてしちゃうしず子可愛いよしず子。桜坂しずくのすべてを詰め込んで、もはや殺しにかかってる曲ですね。
最後に
この曲を聴いて、しずくの軌跡を振り返りながら記事を書いてる中で、「ただの後輩を演じさせてください」というところから、めちゃめちゃ成長したなぁと感じました。
「自分をさらけ出す」と「演じる」が両立した時にはこんな破壊力を持ってしまうんですね。
桜坂しずく……恐ろしい子!
さらにかすみんやせつ菜ちゃんの要素も取り入れて作曲した、と妄想すると自然とニヤニヤが溢れてしまいます。キャンディー、クッキー、マカロン……色々てんこ盛りのお菓子箱!!って印象で楽しいし悶絶するような素晴らしい楽曲でした!まさに桜坂しずくの全てを詰め込んだような曲で、曲を聴いて、あれこれ考えていて、ブログを書いていてすごく楽しかったです。6thライブで披露されるのも楽しみです!
長くなりましたがここまで読んでいただき、ありがとうございました!
もし共感する点、新しい発見などあれば嬉しいです!
今回はかすみんとせつ菜ちゃんにフォーカスしたんですけど、他のメンバーの要素も取り入れてるような気がするんです……もし気づいた方がいればTwitterやコメントなどで教えてもらえると嬉しいです。その他感想、あなたの解釈など、お気軽に教えてくれると嬉しいです。
あとがきも長くなってしまいましたが、ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました!
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