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なるべく明るい乳がん日記3私の主治医が頼もしい

〜前回のあらすじ〜
どうにも言葉足らずな医師に見切りをつけ心機一転!
新たな病院からの連絡を待ちつつ、まずは大事なこの手続きから。

ーーーーーーー

限度額適用認定証」の交付を申請する。
自分の加入する健康保険を調べて申請。10日ほどで郵送されます。
(この頃まだマイナンバーカード作ってなかった。)


転院を宣言して約一週間後、転院先の病院から
「紹介状受け取りました。内容を確認してまたご連絡しますね。」
と電話をもらう。この連絡があるだけで安心する。心遣いがありがたい。

さらに一週間後、診察日の連絡が来た。
一緒に術前検査もしましょうということに。

ものすごく感じの良い電話で
「〇〇さん(私の下の名前)の気持ちが大事です。」
と言って下さった。
その一言がとても嬉しくて初めてちょっと泣きそうになった。

この頃には乳首を内側からずっと何かに引っ張られているような痛みを感じていた。しこりもなんかすごく大きくなってるような気がしたり右わきの下辺りや鎖骨辺りがピリピリするような気もした。
精神的なものかもしれないしここにあるリンパ節が闘ってくれてるのかもなと思ってみたりした。

…っていうかこんなに気にするなら毎年検診受けとけよと今更ながら思うがなかなかその為に休みを取ったりできなかった…というのも言い訳に近い。

本気で動こうとしなかった。そこまで自分の中で優先順位が高くなかった。だからここ数年、検査は受けていなかった。

でも会社の健康診断は特に問題ないのだ。がんが体内に居ても。
健康診断だけじゃ全然足りない。
がん検診も一緒に受けないと意味がない。
これ義務化してもいいんじゃないかと思う。

ちなみにこの頃更年期では?と思われる症状も出てきていた。
きっちりきていた生理が遅れたり、終わったのにまたすぐきたり。
ホットフラッシュはないけど手指の第二関節が痛かった。

とにかくこの ”ただ待つだけの日々” が不安に飲み込まれることのないよう、面白いことを積極的に探してはアホほど笑ってナチュラルキラー細胞を活性化させ、付け焼き刃とわかりつつも毎朝ヤクルトを飲むよう努めた。


やっと待ちに待った転院先での初診察日がやってきた。
乳がんとわかってから1ヶ月が経っていた。正直長かった。

上だけ検査着に着替えて検尿、採血(たっぷり6〜7本採った)の後ついに私の主治医となる先生との対面を果たす。
診察室に入るとそこには、病院を探していた時に見つけた、この人だったらいいなと思っていた、まさにその先生が座っていたーーー!!!

めっっっちゃ嬉しかった!!!
平静を装いながら心の中でくす玉を割る。

先生は、私がそれまで受診していた総合病院で何も聞かされていないことに心底驚きながら、手元の紙に大きなおっぱいの図を書いて説明してくれた。

乳がんには浸潤と非浸潤があって、私の場合は浸潤していること。浸潤しているということは、がんがリンパ管を通って全身に広がり転移する可能性があるということ。

乳がんにはいろいろな性質サブタイプがあり、それによって治療法も変わること。乳がんには女性ホルモンを餌に大きくなるものがありそれを防ぐ為にホルモン治療というものをする場合があること。そして私はホルモン治療が効くタイプだということ。HER2というがん細胞の増殖に関係するタンパク質は陰性なこと。
つまりホルモン治療が有効でHER2陰性なルミナルAというサブタイプ。

さらにグレードという ”がん細胞の顔つき” と言われるものがあり、それは穏やかだということ。
そしてKi-67というがん細胞の増殖指標の数値は低いとのことだった。


乳がんの治療には局所(手術、放射線)と全身(抗がん剤、ホルモン療法)があり、私の場合はまず先に手術をして、摘出した細胞を病理検査で詳しく調べて必要であれば抗がん剤もする。ホルモン療法は効くので確定でする。

手術をする前、現状把握のために、全身のCTや乳房MRIなどをするのが通常の流れだけど私はすでにやっているのでそれ以外に必要な検査をこの後することになった。

先生はテキパキとわかりやすく、なんの質問も浮かばないくらい懇切丁寧に話してくれた。以前の病院でのモヤモヤがパーーーっと晴れていく。

この病院にして良かったーーーーー!!!


診察室を出て今度は別室で看護師さんから今後の流れなどの説明があった。私は早速看護師さんに「ここに転院して良かったです!!」と元気いっぱいに伝え、「え?もう?」と笑われた。

ただ、そんな病院なのでもちろん患者も多く、手術は早くても2ヶ月以上先の4月上旬から中旬になりそうとのことだった。
え?そんなに先でも大丈夫?……と不安になるけど、乳がんは比較的進行の遅いがんなので心配ないそう。

むしろ準備期間がある方が良いと前向きに捉える。
乳がんの基本的な治療の流れや知識が書かれた冊子ももらった。

その後、身長、体重、血圧、心電図、酸素濃度などを測定。左右の胸とわきの下の超音波エコー、腰椎大腿骨骨塩定量検査、胸部X線、肺活量も測定。さらに私の場合は肝臓をもう一度調べておきましょうということで、肝臓のMRIを撮った。次の診察は検査結果の出る一週間後。
問題がなければ手術の日程が決まる。

大きな病気をしたことのない人生だったので全てのことがとにかく新鮮。
なによりやっと進み出したことに安堵した。
気持ちがとてもスッキリしていた。

頼もしい主治医の先生に出会えて本当に良かった。

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