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(23)The Future of ‘Birds-first’ Breeding」「もう一人の私の暴走」

いつもありがとうございます。鳥爺です。

2日目の繁殖場はさらに内陸でした。
そこまで行くのにレンタカーを借りることも考えました。しかしアメリカは日本と反対の左ハンドル、右側通行です。
たぶん最初のうちは意識して大丈夫だと思いますが、慣れてきたらつい習慣で左側を走りそうです。最近話題になっている逆走を起こしかねません。
慣れない土地で事故でも起こしたら大変なので、今回はタクシーを1日借り切りました。

出費が嵩みましたが、この判断は正しかったようです。
目的の繁殖場は、とても遠く、内陸なので山道を延々と走りました。
アメリカというと何となくどこまでも続く長い一本道を走るイメージがありました。しかし私たちが行ったところは、峠が多く日本の山道を走っている感覚でした。
違うところは、途中から人もいないし、民家もない。心配だったのではガソリンスタンドもないので、もしこんな山の中でガス欠にでもなったらどうしたらいいのか不安になりました。

スタートしてから約4時間。不安が頂点に達した頃、今回の目的地の繁殖場がありました。帰りも4時間なので、タクシーにしてよかったと思いました。
季節は1月。場所はカルフォルニアの内陸で山の中でしたが、寒い、という感じはしませんでした。なのでこんな山の中でも繁殖ができるのかもしれません。
ここのオーナーは男性です。40代半ばくらいで、体も大きく格闘技でもやっている感じの人でした。
早速、繁殖場を案内してもらいました。
山の中なので環境は素晴らしいです。空気も綺麗です。
ただインコ、オウム類は今までいろいろな繁殖場を見てきましたので、そんなにインパクトは感じませんでした。

一番奥の場所にあまり見たことがない鳥たちがいました。
近づいてみると、オオハシです。オニオオハシ、サンショクキムネオオハシなどが繁殖されていました。
当時、CAP!にはキョセンという愛称のサンショクキムネオオハシが1羽いましたので、ちょっと心がざわつき始めました。
日本でインコ、オウム、フィンチ類の専門店は数少ない時代です。そこにオオハシ類を扱えば日本で唯一のショップになり、一気にTOPに抜け出せます。

何のためにアメリカの繁殖場を視察に来たかという「想い」より、「商売」を優先にするもう一人の「私」が心の中で主張してきました。
さらにもう一人の「私」を元気づける鳥たちを見てしまったのです。
もう、もう一人の「私」の暴走を止めることはできません。

(つづく)


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