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鳥のきもち「品よくゲージの外へ」

あなたは自分専用の部屋(ケージ)に住んでいますか?
他の鳥さんと同居ですか?
お部屋は快適ですか?
広くて、清潔ですか?
ケージの外に出してもらっていますか?
もしかしたらずっとケージの中ですか?

……実は私もそうでした。
今の施設に来るまでは、ケージの外に出るのは新しいところに引き取られるときでした。
外に出るというより、要するに引っ越し(ケージの交換)で一瞬だけ外に出ただけです。
私もいろいろなケージに引っ越しました。
どれがよくて、どれが悪いとか、言えばきりがなくなります。もちろん、広くて清潔で安全であれば、あるにこしたことはありません。

私たちは野生の鳥ではありませんので、ケージで生活するのは当然のことです。
しかし、あなたはケージの中がいちばん居心地がいいですか?
外で遊んでいるときよりも、自分の部屋がいちばん楽しいですか?
たしかにケージの中が大嫌いな鳥さんに比べれば、ケージが好きな鳥さんは飼い主さんにとってはありがたいでしょう。
でも、ケージの中ばかりはいけません。鳥らしくありません。
私たち空が飛べる鳥たちは、自然の中を自由自在に飛びまわってきました。
たとえ飼い鳥であっても、そのことは忘れてはなりません。

ケージの中の生活が長いといろいろと困ることがあります。
まず、自分が飛べるということを忘れてしまうということです。
今の施設でも羽根はきれいに揃っているのに、全く飛ばない仲間がいます。
また、ケージの中のほうが安心なので、外に出るのがイヤだったり、こわかったります。
私もケージの外に出るようになっていろいろなことがわかりました。
それはケージの外はとても楽しいということです。
羽根を大きく広げられるし、歩いたり、走ったり(飛べばいいのに!?)できます。
目の前に楽しそうなものを見つけると遊んだりすることができます。
ものによっては飼い主さんに叱れたり、取り上げられたりしますが。
しかし、私たちが住んでいるケージは自分では開けることができません。
飼い主さんにケージから出してもらわなければなりません。

では、飼い主さんはどうしてケージから出してくれないのでしょうか。
私のことを例に考えてみました。
まず、ケージの外に出たら飛びまわって、周りをめちゃくちゃにします。
特に高いところに止まってものを落としたりしてしまいました。
飼い主さんは掃除がたいへんでした。
また、目につくものをかたっぱしからクチバシで壊してしまいました。
せっかく外に出たのだから、ケージに戻りたくはありません。
最後はタオルでくるまれて強制的にケージに戻されてしまいます。
そのうち私もタオルでくるんだりする人が嫌いになりました。
果たして飼い主さんは、私たちをケージに閉じ込めたいのでしょうか?
私たちをケージの中に入れっぱなしにして、ただ鑑賞することが目的なのでしょうか?
いや、それは違うでしょう。
本当は、飼い主さんはきっとあなたとスキンシップをとりたいのです。
あなたと一緒に遊びたいのです。
ただ、あなたをケージから出したときに、戻ることができなかったり、回りをムチャクチャにしたことがあったので、ケージから出すことを躊躇したのではないかと思います。

ケージから出してもらえるチャンスが巡ってきたときは、次のことを気をつけて行動してみてください。
まず、ケージから出たらあまり遠くに行かないようにしましょう。できればケージの上とか周辺に待機します。
そして飼い主さんがケージに戻そうとする前に自分で戻りましょう。
確実な方法としては、飼い主さんの協力が必要ですが、ケージの外には飲み水も食事も置かないということです。
飲み水、食事が欲しければケージに戻るしかありません。
あなたはただ、飲み水や食事を欲しくてケージに戻っただけですが、飼い主さんは大喜びであなたを褒めてくれるでしょう。
これがうまくいけばこれからは頻繁に、いや、毎日決まった時間にケージから外に出してくれます。

ケージの外に出ることは、あなたにとってははじめの一歩です。
これからすばらしい世界が広がってくるのですよ。
さぁ、次はケージの外ではなく、ガラス越しに見える本当の外の世界にお話しましょう。

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