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第4章 人といい関係をきずくには:鳥のきもち「仲良しなのが一番」

飼い鳥の場合は、自然界のように襲ってくる敵はいません。
誰かが犠牲になることもありません。
飼い主さんはやさしいし、平和です。
せっかく飼い主さんと毎日楽しく暮らしているのに、新たに鳥を増やすのは、私たちに鳥の立場からすると「ちょっと待って!」です。
新しい鳥が来たら、きっと私たちのことは後回しですよ。
名前を呼ぶ回数もきっと新しい鳥のほうが多いに決まっています。
飼い主さんが外出から帰ってきたら、間違いなく最初の視線は新しい鳥に向けられるでしょう。
注目度が全然違うのを私は知っています。
しかも新しい鳥は若い子が多いので、マナーができていません。
傍若無人にあなたのテリトリーまで、土足で入ってくるでしょう。
それを叱ろうしたら、間違いなくあなたが飼い主さんに叱られます。
「あなたはお姉さん(お兄さん)だからガマンしなさい」とか。
飼い主さんの多くが疑問に思っていることがあるようです。
それは、「一羽飼いより、多数羽飼いがいいのかしら?」とか、「鳥はペアがいいですよね?」などといったことです。
たしかに自然界では私たちの仲間は集団で活動しています。
だからといって仲がよいということではありません。
私たちは自然界では、襲われる立場です。そのため集団で行動するほうが、自分を守ることができるからです。
悲しいことですが、誰かが犠牲になることで私たちは生き延びているのです。

すべてが仲良くできないわけではありません。今まで私が見た中でも仲良くしてきた鳥もいっぱいいました。
同じ種類で、オスとメスであれば、発情期を迎えるとペア(夫婦)になり、子どもを授かることもあります。
違う種類同士でも、ケージの中に一緒に入り寝食をともにするくらい仲良しさんもいます。
繰り返しますが、一羽であろうが、複数羽であろうが、仲良しでなければ「ひとりぼっち」です。
一羽であれば平穏な日々だったのに、飼い主さんが「さびしそうだから」という理由で仲間を増やしてくれるのは、先にいた鳥からすると、よりさびしい思いをすることになるかもしれないことを知ってほしいのです。

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