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鳥のきもち「腹八分目でメタボ予防」

 栄養のバランスの次に起こる問題は「食べすぎ」です。
 もしかしたら私たちの祖父母時代は、自然を飛びまわっていた野生の鳥だったかもしれません。
 たかだか3、四世代しかたっていなければ、そう簡単には野生の本能はなくならないでしょう。そのため、食べられるうちに食べておこうという野生の本能が働き、つい食べすぎてしまうのかもしれません。
 でも、野生であれば「つい食べすぎた」と言っても許容範囲です。なぜなら野生の鳥は、自然の中をを長距離、また長時間飛びまわらなければなりません。そのため、ある程度食べてスタミナをつけておかなければ、体力がなくなり危険にさらされてしまうからです。
 
 しかし、飼育されている私たちは違います。
 長時間にわたって体力を消耗するようなエネルギーは必要としません。せいぜい、六畳くらいの部屋を飛びまわるパワーで十分です。しかも外敵から追われ、全力で飛ぶということもありません。生活のほとんどがケージや部屋の中であれば、野生の鳥に比べ、圧倒的に運動不足です。
 野生の鳥と飼育されている鳥の運動量がこんなに大きく違うのに、食事量が変わらなければ肥満になるのは当然かもしれません。
 対策は明瞭です。
 運度不足を解消するか、食事量を減らすかです。ケージから出してもらったら、たとえ六畳の部屋でも、自然の中にいるように、くたくたになるまで動き回りましょう。自分の体質や条件に応じて、上下運動をしたり、おもちゃで激しく遊ぶなどいくらでも方法はあります。
意識して体を動かすことが大切です。そうすれば食事量を減らされなくてもよさそうです。量を減らされるよりは、カロリーの低い食事を食べさせてもらえたら、鳥としてはうれしいですね。……脂肪分が低いペレットは味気ないかもしれませんが。

 また、ケージの中にいつも食事があるのも困ったもんです。
 たしかに飼い主さんがいない時間が長いときはしかたがないかもしれませんが、自然界ではいつも食べ物があるとは限りません。いつも同じ場所に好物の食べ物があることは稀です。
 毎日、食べ物を探しに行くことが日課です。
 もし、食べ物が見つからなかったらたいへんです。命に関わりますから。ケージに食べ物が置いてあっても、野生の鳥たちを想像して、できるだけ食べない時間も作ってください。本当は飼い主さんが時間を上手に配分して、食事時間を決めてほしいです。
 また、食べ物は自分で探して見つけないと食べられないなどの工夫をしてくれると、スリルがあって毎日の食事が楽しくなりますね。
 いずれにしても、私たちケージの中にいる鳥たちは、「上げ膳据え膳」の生活に甘えると、肥満の道にまっしぐらです。

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