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割合・百分率・歩合は、「~倍」をつけると超簡単

小学生が一番苦手な割合の問題を楽に解くために、みなさんに提案したい1つの試案です。

割合百分率)、歩合割・分・厘)の問題は「~倍」をつけると超簡単になります。

★整数の場合

100円の2倍はいくらか?
誰が考えたって、100×2=200円です。・・・(1)

あるものの3倍が300個だった、あるものは何個か?
すぐに300÷3=100個だとわかります。・・・(2)

400mは100mのどれだけか?
400÷100=4倍ができない人はいないでしょう。・・・(3)

★小数の割合、分数の割合

割合が小数や分数の場合、単位のないもの~倍をつけたら、整数の問題と同じ簡単な問題になります。

100円の0.2はいくらか?
100円の0.2倍と考えると、100gの2倍と同じです。
100×0.2=20円です。・・・(1)

あるものの0.3が300個だった、あるものは何個か?
あるものの0.3倍が300個だと考えると、あるものの3倍が300個のときと同じです。
300÷0.3=1000個です。・・・(2)

400mの500mに対する割合はいくらか?
400mは100mの何倍かと同じです。
400÷500=0.8です。・・・(3)

★百分率

まず、百分率(%)の場合、%は、そのままでは計算では使えません。
1%0.01に、10%0.1にかえて、計算します。
2%だと0.02、20%だと0.2、25%だと0.25にしてから計算します。

%を小数にかえたあと、その小数に~倍をつけて考えます。

100円の20%はいくらか?
100円の20%→100円の0.2倍、だから100×0.2=20円です。・・・(1)

あるものの30%が300個だった、あるものは何個か?
30%→0.3倍が300個だった、だから300÷0.3=1000個です。・・・(2)

400mは500mの何%か?
400mは500mの何倍かと考えて、400÷500=0.8倍→80%です。・・・(3)

★歩合

歩合も、%とまったく同じです。

まず、歩合(~割~分~厘)の場合も、割・分・厘は、そのままでは計算では使えません。
1割0.1に、1分0.01に、1厘0.001にかえて、計算します。
2割だと0.2、2分だと0.02、2割3分4厘だと0.234にしてから計算します。

割・分・厘を小数にかえたあと、その小数に~倍をつけて考えます。

100円の2割はいくらか?
100円の2割→100円の0.2倍、だから100×0.2=20円です。・・・(1)

あるものの3割が300個だった、あるものは何個か?
3割→0.3倍が300個だった、だから300÷0.3=1000個です。・・・(2)

400mは500mの何割か?
400mは500mの何倍かと考えて、400÷500=0.8倍→8割です。・・・(3)

この方法が有効かどうか、実際の問題で試してみましょう。

例題1:容積2500Lの水そうの9割4分に水が入っている。入っている水の量はは何Lですか。

9割4分→0.94倍と読みかえます。
2500Lの0.94倍を求める問題だから、2500×0.94=2350L

例題2:庭の面積の56%が花畑です。花畑の面積は476平方mです。庭全体の面積はいくらですか。

56%→0.56倍と読みかえます。
庭の0.56倍が476だったので、476÷0.56=850平方mです。

例題3:A君の学校の生徒数は840人で、そのうち630人は自転車で通学しています。自転車で通学している生徒数の割合は何%ですか。

自転車で通学している生徒数は何%かを、何倍かと読みかえます。
自転車で通学している生徒数は全生徒数の何倍かという問題だから、630÷840=0.75倍
=75%

覚えるのも大変だし、覚えたって実際には使いにくい、割合の3つの式
(1)比べる量=もとにする量×割合
(2)もとにする量=比べる量÷割合
(3)割合=比べる量÷もとにする量
を覚えるより、~倍をつけるだけのほうがずっと簡単に解けるようになるのではないでしょうか?

俊英塾代表。「塾学(じゅくがく)」「学道(がくどう)」の追究がライフワーク。隔月刊誌『塾ジャーナル』に「永遠に未完の塾学」を執筆中。関西私塾教育連盟理事長。