池のまわりで出会い追いつく問題の考え方(中学数学)
2人が池のまわりをまわって出会ったり追いついたりするとき、時間や速さや場所をたずねる問題があります。
理解しておかないといけないこと
★2人が逆の向きに進むとき
頭の中に小さい池を思いうかべてください。その池のまわりにそって池を一周する道があります。
あなたと友だちが、同じ場所から、池のまわりの道をそれぞれ逆の向きに歩いていきます。お互いの姿はよく見えています。
逆の向きに歩いていくと、出会います。
そのとき歩く速さがほぼ同じだと、あなたは池の約半分、友だちも池の半分ほどを歩いているはずです。
そして、2人の歩いた距離を合わせると、ちょうど池一周分になります。
1人の進んだ距離+もう一人の進んだ距離=池1周の長さ
これが、理解し、知っておかないといけないことです。
★2人が同じ向きに進むとき
次に、同じ場所から、2人が同じ向きに進んでいきます。
1人はめちゃくちゃ遅い速さで、もう1人は結構早足で進みます。
小さい池だと、速く進んだ人は、すぐに、ゆっくり歩いている人に追いつきます。
遅い人は、まだほとんど進んでいません。
早足で歩いたあなたは、ちょうど池1周分、遅い人より多く歩いたことに気づくはずです。
言い換えると、2人の歩いた距離のちがいが、池1周分だということになります。
速い方の進んだ距離-遅い方の進んだ距離=池1周の長さ
これが、理解し、知っておかないといけないことです。
問題の例(1)・・・中1の一次方程式の文章題
★例題1:池の周りに1周480mの遊歩道がある。この道を同じ地点から同時に出発して、Aは毎分65m、Bは毎分55mの速さで歩く。
(1)2人が反対方向に歩き出すと、はじめて出会うのは出発して何分後か。
(2)2人が同じ方向に歩き出すと、AがBをはじめて追いこすのは出発して何分後か。
(式の作り方と解き方)
(1)2人が反対方向に歩き出すと、はじめて出会うのは出発して何分後か。
まず、方程式で解くために、何をxにするかを決めます。
「出発して何分後か。」とあるので、x分後として式を作ります。
次に、方程式は等式です。
求める時間をxとおいたので、左辺も右辺も、同じもの、距離で表わして、等号で結びます。
最後に、この問題だと、反対方向に進む問題なので、
1人の進んだ距離+もう一人の進んだ距離=池1周の長さ
が使えます。
距離=速さ×時間ですから、
65x+55x=480
この方程式を解けばよいわけです。
65x+55x=480
120x=480
x=4
答えは4分後です。
(2)2人が同じ方向に歩き出すと、AがBをはじめて追いこすのは出発して何分後か。
追いつく時間をx分後とします。
等式を作ることを意識して、左辺も距離、右辺も距離で、式を作ります。
この問題は、同じ方向に進む問題なので、
速い方の進んだ距離-遅い方の進んだ距離=池1周の長さ
が使えます。
65x-55x=480
10x=480
x=48
答えは48分後です。
問題の例(2)・・・中2の連立方程式の文章題
★例題2:1周2100mのジョギングコースがあり、A、Bの2人が同じ地点から同時に出発する。反対方向に走ると、出発してから7分後に出会い、同じ向きに走ると、出発してから35分後にAがBを追いぬく。A、Bの走る速さをそれぞれ求めなさい。
(式の作り方と解き方)
問題文の最後に「A、Bの走る速さをそれぞれ求めなさい。」とあるので、Aの走る速さを分速xm、Bの走る速さを分速ymとします。
速さをx、yとしたので、左辺、右辺ともに距離を表わす式で等式を作ります。
反対方向に走るときは、
1人の進んだ距離+もう一人の進んだ距離=コース1周の長さ
7x+7y=2100
同じ向きに走るときは、
速い方の進んだ距離-遅い方の進んだ距離=コース1周の長さ
35x-35y=2100
7x+7y=2100…(1)
35x-35y=2100…(2)
(1)×5+(2)
35x+35y=10500
+)35x-35y=2100
70x=12600
x=180
(1)に代入して、
1260+7y=2100
7y=840
y=120
Aの速さは分速180m、Bの速さは分速120mです。
★まとめ
池の周囲をまわる問題を解くときは、
同じ地点から逆の方向に進むときは
1人の進んだ距離+もう一人の進んだ距離=池1周の長さ
同じ地点から同じ方向に進むときは
速い方の進んだ距離-遅い方の進んだ距離=池1周の長さ
俊英塾代表。「塾学(じゅくがく)」「学道(がくどう)」の追究がライフワーク。隔月刊誌『塾ジャーナル』に「永遠に未完の塾学」を執筆中。関西私塾教育連盟理事長。