映画『怪物』を東京03のファンが見た感想【ネタバレあり】


 私は先日映画『怪物』を映画館で見ました。私がこの映画を見に行った理由の一つは、私が大好きな東京03というお笑いトリオの角田晃広さんが出演していたことです。是枝監督作品の映画を見るのはこれが初めてでした。

 『怪物』という映画自体は、二回目を見に行ったほどに気に入りました。この映画については、インターネットでも色んな方が賛否問わず感想を言っていて、見ているだけでも楽しいです。その中でも、安藤サクラさん、田中裕子さん、子どもたちを演じた子役たちなど演者に対する評価が高いと感じましたし、私自身もそう思います。

 しかし、東京03ファンである私は思いました。角田さんのこの映画での演技について、あまり語られていないのでは? と。

 なのでこのnoteでは、映画『怪物』での角田さんの演技について語りたいと思います。ファンなので褒め全開の記事になりますがご容赦ください。また、既に映画を見た方向けの感想になります。

 角田さんが演じているのは、主人公の子どもたちが通う学校の教頭先生です。以下この役を教頭先生と表記します。

 この教頭先生は主に学校の名誉や保身のために動く、保護者や保利先生(主人公の子どもたちの担任の先生)などからするとずるい人物です。私は教頭先生の性格を把握すると同時に、この役は角田さんが東京03でのコントで演じそうな役だなと思いました。つまりぴったりということです。

 どちらかというと悪いやつだけれど、どこまでいってもスネ夫的な小悪党、といったイメージです。もちろんこの映画ではなんだか憎めない人だなあ、なんて思っている余裕は登場人物の側にも観客の側にもないのですが、私はそう感じました。

 教頭先生という役は、はっきりいってあまり目立つ役ではありません。実際角田さんの演技もコントの時と比べると(役柄上当然ですが)抑えめに感じます。ちゃんと役や映画の作風に合った芝居をしているなあと思いました。いつものコント的なオーバーリアクションの演技をしていたら違和感がでてしまうからだと思います。私の書き方は上から目線かもしれませんが。

 ここから、私がこの映画で好きな角田さんのシーンを紹介します。そのシーンは二つあります。細かいところが間違っていたらすみません。

 一つ目は、職員室で飼われているチンアナゴに教頭先生が餌をやるシーンです。チンアナゴを飼っている学校って珍しい気がします……というのは置いておいて、この映画ではほっこりしたり笑えるシーンが少ないので癒やしポイントになっていました。

 もう一つは、湊くんという子どもが相談室にいて、その子を教頭先生とその子の母親で迎えに行くシーンです。

 相談室に着くと湊くんがおらず、ベランダに続くドアが開いていたため母親は湊くんが飛び降りをしてしまったのではないかと心配になります。その時の母親役の演技(安藤サクラさんの演技)もすごいのですが、教頭先生はすぐに下を確認し、母親に対して安心させるための笑みを浮かべながら、「大丈夫ですよ、違いました」と言います。

 その時の教頭先生は、もちろん学校の名誉や保身などのために湊くんが飛び降りていたら困るという気持ちもあったのかもしれませんが、それだけではなく本当に湊くんが飛び降りていなくて良かったというふうに思っている感じがして、それは私がイメージするいつもの憎めない東京03の角田さんの演技だという風に思えて良かったです。

 この映画では全部が良い人、逆に全部が悪い人はいないような構成になっていると思っていて、教頭先生の場合はこのシーンでそれを表現しているのかなと思いました。

 今回のnoteは以上になります。ここまで読んでくださって本当にありがとうございました。

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