憩野

1ヶ月に0〜1回なにかを書きます。

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隕石はいつも夜に降らない

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       手がパーのカニがいるとしよう。  一般的にカニの手は、ジャンケンで言うところのチョキである。皆、等しくチョキである(シオマネキについては、大きいチョキである)。その特異性ゆえ、カニはしばしばジャンケンと共に語られる。  カニとジャンケンをするとして、カニの出す手は後にも先にもチョキしか有り得ないのだから、勝敗は完全に、こちらに委ねられる。グーを出せば勝ち、チョキを出せばあいこ、パーを出せば負け。その未来は確約されている。そんな条件で人は、いったい何本の指をカニに差し向け