守屋佑一のこと6 失ったものと手に入れたもの

文:守屋佑一

頭が良いかどうかは置いておいて、僕は小学校中学年くらいまでとっても成績が良かった。小2にして学習塾に通い、進研ゼミを真剣にやっていた。
ただ、勉強が好きなわけではなく、あくまで「やらされている」感が強かった。
両親の離婚により、「やらされる」ものをやらなくてもよくなり、小学校後半ではいたって普通の成績となった。
そして、中学生になり、前回までの自己紹介の通り仲間との遊びと野球にのめり込んで、そして、野球を中学から初めて下手くそだった僕は夜も朝も練習に練習を重ね、勉強なんてやる余裕はまったくなかったし、そもそもやる気もなかった。
特に中学1年の後半から夜に仲間と集まって素振りやら、ランニングやらをするようになった。小学生のころと違い、寂しくない日常になった。
中学1年のころはまだなんとかついていけた学校の授業も、日々の野球の練習に疲れ果て、授業中は眠りこけてしまうことも度々で、先生からはかなり過激に起こされて、怒られて。
特に数学と英語はひどかった。好きな国語と社会はなんとかそこそこの成績をキープしていたけれど。

ここで勉強していれば、現在また違った自分になっていたと思うし、自分の持つ資質として意外とそういう人生もあっていたかもしれない。
しかし、この時好きなことを勉強してきてある「いま」になにも後悔はしていないし、そうだったからこそ身につけられたものがある。
学歴は無いよりあったほうがいいだろうが、無くたって別に大して不便はない。
無理してやりたくないことをやるより、好きなことをやったほうが発揮できるものがあるだろう。

こうして、僕は成績を引き換えにいまに続くかけがえのないものを少しずつ手に入れ、2002年が過ぎていき、そして中学3年生になった。

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