死集

詩を書いてみようと思います



「美女と野獣(現代版)」

死ねるのなら、汚い男に生まれ変わって

この世で1番綺麗な顔の持ち主に

罵られて死にたい



「飛べるなら」

大空を舞って

あなたの元へ会いに行きたい

それが決して

叶うことのない夢だったとしても

快晴の元

君に会いに行きたい

たとえそれがどんなに苦しい道のりだったとて

私の願いは変わらない

ああ、



あの雲の泳ぐ大海原を越えて

今すぐ会いに行きたいのです



「嫉妬」

喉が燃える

罵倒が頭の中でふつふつと

音を立てている

目尻から湧いて出た水蒸気が

溢れて、つたった



「結局は」

「話していいよ」

どこまで話せばいいのだろうか

死にたい事まで話せばいいのか

毎日が憂鬱で仕方ない事までなのか

落ちこぼれであることまでか

「元気だよ、大丈夫だから」



「死にたくて」

死にたくて

死にたくて

死にたくて

死にたくて

死にたくて



これを世は「イタイ」と言うらしい



「文才」

私には何もない

文を書く才ですらない

あるのはただ惨めで空っぽな抜け殻だけ

形のある殻を

言葉で縁取っていく

私には文才がない

あるのは言葉だけだ



「星に溶ける」

耳を塞いで

目を閉じて

冬の夜空に溶けてゆく

オリオンはきっと

私のすぐ側で

ただ光っている



「」

死んだんだ

私の知らないところで

「ひどいよ」

そう投げかけられた言葉は死体よりも冷たい



「雨が降っている」

しとしと

わたしの肩を濡らす

狭い道を避けるように歩いて

しとしと

靴は中まで濡れている

水溜りの水滴がはねる

しとしと



「夕焼け」

「今日が命日」

朝の自分にそう言い聞かせて満員電車に乗り込む

「死ねる」とわくわくしながら授業を受けて

一日が終わっていく

死を決めた日の夕焼けは酷く綺麗だった



「」

難しいやつだとか訳のわからんことで悩むやつだと思われているらしい

半歩下がって低空飛行

それだけなのに



「美」

君は美しい

君のことをすごいやつだとか評価する人間はたくさんいるだろうけど

違うんだ

美しいのはそのしなやかな心なんだよ



「逃亡」

時々、どうしようもなく逃げ出したくなる時がある

そんな時は君の手を引いて

ただ星空の下

どこともつかない場所へと

逃げていくんだ

僕らに終わりはない

きっとどこまでだって行けるんだ

世界の果て、終わりまでも



「創造」

空を飛びたい

自由に駆け回れたらどんなに幸せだろう

ああ、創造の翼を広げて

只々、自由に空を飛び回りたいのだ



「破壊」

海に沈んだ

創造の翼は折れて、深く深く沈んでいく

深海の青と、深紅の血が混ざって

きっと私はどす黒い色をしている



「麻酔」

今日も麻酔を打つ

感覚が鈍くなる

これできっと今日も生きていける



「怠惰」

生きることを怠って

今日も死を思って

布団の中に潜っている

人はこれを怠惰と呼ぶ



「」

「殺してくれ」

独りよがりな願望

それでもまだ

「殺してやる」よりはましだと思うのです



「作品」

この長方形の紙の上でしか私は生きられない

思いを綴れない

そういう性分だと気づいたのはいつ頃だったでしょうか



「食事」

「命をいただく」

その重みがわからない

別に生きていたい訳でもないのに

今日も口に味のしないパンを運ぶ



「私」

右も左も分からない

よしも悪しも分からない

右がいいなら右へ

左なら左へ

振り回されながら生きている

取り繕って誤魔化して

より良い人間に見えるように

馬鹿であることを売りにして

吐くように息をする



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