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シエナ外国人大学附属語学学校の授業スタート

わたしがたどり着いた翌日から四日間、イタリアは全国的に連休だったらしい。
それで学校も閉まっていた。
大学はシエナ駅とつながってる駅ビルの中にある。

ほんとうにそんな所に大学があるのかと心配で毎日見に行ったけど、
入り口のガラス扉は開かないし門番さんも誰も居ない。
事務室は開いてると思ったのに、、。
でも入り口に確かにUniversita`per Stranieri di Sienaて看板があるし、
ガラス扉の向こうに見える掲示板に、クラス分けのお知らせが貼ってある。

CORSI DI LINGUA ITALIANA
PLACEMENT TEST
2 novembre ore 9.00

なんでPLACEMENT TESTのところだけ、
イタリア語じゃなくて英語なんだろう?
イタリア語もできないけど、英語はもっと分からないわたしは不安が増大する。。
もしかしてクラス分けの説明やもろもろは、英語なんだろうか、、。
聞きたいことがいっぱいあったけど誰にも尋ねられず、
同じ駅ビル内にあるスーパーで食料と水を買って帰る。

留学中の食費は一日2000円から2500円におさめようと思うが、
換金したら€1が152円という、ひどい円安でびっくりなのだ。

重たかったけど、
セブンイレブンの国産こしひかりご飯パック、アマノフーズのフリーズドライしゃきしゃき野菜味噌汁、鳴門産カットワカメ(乾燥)を持ってきてよかったよ。
石塚製菓の黒豆割せんはすでに二袋食べてしまった。

クラス分けテスト当日。
大教室に一番乗りだ。
トイレに行くと扉に、スカート姿の図とズボン姿の図、そして半分スカート半分ズボン姿の図が並んで描いてあり、BAGNI INCLUSIVI とある。
みなさんご一緒にトイレだ。いいね。
もしもわたしが身体は女子だけど、心は男子だったら、
これ見たらテストの前にほっとして、嬉しくなると思う。

筆記試験でわたしの前に座ったのはウクライナから来たという家族だった。
40歳くらいの女性と白髪の男性と14歳くらいの少年。
三人とも暗い表情で心が痛みました。

そのほか中国、韓国、コロンビア、リビア、フランス、トルコ、、。
いろんな国の若者がいっぱいなのだ。
明らかにわたしは最年長グループですね。
グループっていうか、、
全員見回しても「先輩」な感じの人はたった一人しかいない😅

クラスはB1というのになった。
一番レベルが高いクラスがC2で、
イタリア語の勉強はまったく初めてという人はA1だから、まあ真ん中くらいだね。

クラスは29人で、
あの唯一の「先輩」も一緒だった。
オーストリアの大学の化学の教授だったけど、
これからしばらくイタリアで暮らすらしい。
隣りの国だからね、イタリア語会話は淀みないよ。
いっぱい話してくれるけど、
わたしには5分の1くらいしか聞き取れません🥲

中国と韓国からの交換留学生あるいは普通の留学生がそれぞれ10人近くも居て、
活気がいっぱい!さっそく先生に
「はい、そこ!授業が始まったら上海ラジオは消してシエナ放送を点けて!」って笑って注意された。
彼らはほとんどの皆さんが「イタリア語の名前」も持っているんだよ!
シエナの北にあるプラートという町に一大チャイナタウンがあって、
そこで生まれ育った人も何人もいるみたいだ。
東京の三鷹に閉じこもっているとぜんぜん分からなかった世界が見えて
ワクワクする〜。

日本人はわたしともう1人、
ルネッサンス期のイタリアの歌を研究して歌っているという女性だけで、
若者はいない。寂しいな。
超円安とコロナ関係のせいなのだろうか?
政府や大学の交換留学生制度はどうなってるんだろう。
お金はかかるけどね、
若者の未来を育てるために、海外に送り出すのは大事だと思うよ。
わたしのようなおばさんだって、こうして発見すること、学ぶことが山ほどだからね。

115年も前の話だけど、
わたしのおばあちゃんは15歳の時に
茨城県の小さな村から一人で台湾に留学したらしい。
その勇気は受け継いだ気がする。

あとはリビアから来た可愛い姉妹、髪にあの布を巻いてる。
ねえリビアって行ったことないんだ。食べ物は何が美味しいんだろう。
聞きたいことがいっぱいだよ。
コロンビアから来た交換留学生の18歳の女の子は、
とにかくニコニコして楽しそうにイタリア語を上手に話す。
わたしボリビアとペルーは行ったけど、コロンビアは行ったことないんだ。
彼女とも話してみたいけど、いつも一番後ろの席に座ってるんよ。

わたしは、ホワイトボードに書く先生の字が見えるように一番前に座ってるのだ。
老眼鏡かけてるのは、わたしと先生だけなんだよ😅
オーストリアの元化学教授は目がいいのかメガネなしだ。

トルコの青年はお国でエンジニアをしているそうだ。
イギリスから1人、スコットランドから1人、この2人だけが金髪レディース。
アメリカから1人の男子は黒髪だし。

先生は2人。男性のフランチェスコ先生と女性のバーキ先生。
授業は8時50分から11時と、11時20分から13時30分。
長いし難しいし必死です! 

初日に「接続法半過去の活用を言ってみよう」って言われ、超焦りました。
この活用は難しいんだよ。

前にYoutubeで見たイタリア人の路上インタビューでも
「接続法とかマジ難しくて、苦手」って言ってたくらいなんよ。

若者達がお腹が空いてきたのか、集中力がたるんだタイミングで
フランチェスコ先生が気分転換に見せてくれた、
サンレモ音楽祭で賞を取った「接続法」というヒット曲のビデオクリップも
こうだった。

彼女へのラブレターに、ほんとは
「キミと一緒にいられたら、ぼくはすげえ幸せだろうな」って書いたつもりなのに、
まるで間違った文法で書いちゃったんで、彼女に幻滅されちゃって、
必死で勉強しなおして、接続法を正しく使ったラブレターを書き直して
リベンジ愛ゲット成功という内容だった。

ようするに、ネイティブの皆さんにだって難しい接続法の勉強が、
わたしの留学初日の授業で、頭が沸騰しちゃいました。
無我夢中で思い出して声に出して、、意識が飛びそうだったよ😭

だってさー、オーストリアの教授以外は、わたしの歳の半分以下の若者なんだよ。
みんな記憶力が抜群なのさ。
でもおばさんには図々しさがあるし、勇気があるんだ❤️
明日もがんばるぞ( •̀∀•́ )✧


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