小田急のIC小児運賃50円に死角はないのか。

最近、小田急がIC小児運賃を50円にするという発表をし、世間は大絶賛である。

小田急としては小児運賃を50円にするということは、親の行動が伴うので親が小児運賃を気にすることなく利用することで鉄道利用を促し、小田急のグループ企業にも恩恵が広まるということであり、小児運賃を50円にすることの減収はそれほどの影響はないのだろう。なにより親子家庭に優しいという社会的なイメージがつき企業価値は上がるのであろう。

親にとっても小児50円というのは昨今の賃金が上がらない社会ではなんとも嬉しいことであろう。

こんないいことづくめの事にデメリットなんてないではないかとなりそうだが、あえてデメリットを探してみたい(笑)

先の通り小児運賃についての減収は小田急としては織り込み済みであると思われるので、利用者の視点でのデメリットがないかを探してみる。

子供と言っても小学校高学年になればあちこち移動するようになる。自分が子供の頃も自転車に乗って色々な場所へと遠出していたイメージである。

さて小児50円というのは子供にとっては電車に乗るという金銭面でのハードルが下がるということである。自分が往復100円だったらどこまでも電車に乗って旅してみたいと思ってしまうかもしれない。そんな子供たちが多くいれば列車やホームも子供達の遊び場になってしまうのではないかという懸念も出てくる。時間という概念が抜けてしまえば遠出の帰り道に時間がかかり夜遅くの帰宅となってしまうかもしれない。

昨今ではネットの発達でSNS等で子供が事件に巻き込まれる危険性が出てきた。怪しい人物に誘い出されてどこか知らない街におびき寄せられてしまうかもしれない。また、知らない街で迷子になったり、思わぬトラブルに巻き込まれ事件・事故の遭遇度が高くなってしまうのではないだろうか。

ICだったら子供の行動が記録に残るじゃないかと思うかもしれないが、それは事件・事故が起きたときの結果であり、事件・事故に巻き込まれた後に記録が分かっても手遅れということもある。

物事にはメリットとデメリットがあり、自分の都合のよい一面だけを見て絶賛するのではなく、リスクというのも常に考えるべきであろう。

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