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大雨で大破した階段を補修せよ!@御幸之浜


★母島で観測史上最大の大雨

今年(2023年)の10月18日に母島で大雨が降りました。1時間に125㎜の降雨が観測され、母島での観測史上最大の大雨となりました。島内では記録的短時間大雨情報や土砂災害警戒情報が発表され、小笠原村は避難所を開設するなどの対応をとっていました。

島内の歩道に被害が出ました

この大雨の影響で、歩道では土砂の流出や歩道施設が押し流される被害が出ました。そのため、万年青浜、南京浜、石門(林野庁指定ルート)への歩道は一部通行止めとなっています。 (2023年11月末現在)

沢を渡る木橋が流された@万年青浜
海岸まで流れた木橋@万年青浜
沢沿いが削られて柵と歩道がなくなった@南京浜

御幸之浜の歩道の被害

御幸之浜は周辺が海域公園に指定されていて、サンゴがきれいなシュノーケリングのポイントになっています。また、貨幣石と呼ばれる有孔虫の化石の観察もできるため、母島の中でも利用者の多い海岸となっています。
しかし、浜へ続く歩道の階段が大雨で流されてしまいました。
この階段はすぐ横に沢が通っています。大雨で沢の水が溢れ、階段の上まで広がったことで階段が押し流されてしまったと考えられます。
石が敷き詰められ、部分的にはコンクリートで固められているにも関わらず、それを押し流してしまう水の力に驚かされます。階段が流された箇所は土留めの木材が動いたり、土がむき出しになったりしていました。また、土がえぐれていて水が溜まりやすくなっているなど、歩きにくくなっていました。

黄色の点線が本来階段だった箇所。写真の画角外でも1箇所流されている。


★御幸之浜の階段を補修!

足元に注意を払えば通行はできましたが、利用者の安全確保と更なる破損を防ぐため、11月5日に壊れた階段を補修してきました!

どうやって直す??

壊れた箇所は流された石を拾い集めて直していきます。集めた石をしっかり固定するために土を石の形に合わせて掘っていきます。はじめは大きな石から置いていきます。

この石(黄○)を基礎に段を作っていく。

大きな石を置いた後は、隙間を一回り小さな石で埋めていきます。1つ1つの
石の角度にも気を配りながら隙間を埋めることで石同士の噛み合いがより強くなり、階段自体の強度の向上と、石のガタつきによる利用者の転倒防止につながります。

先ほど置いた大きな石の隙間(黄〇)に一回り小さな石をはめ込む。

階段の段差の部分ができたら上面(人が踏むところ)にも石を敷き詰めていきます。段差を作った時と同じく、石と石を隙間なく詰めて強度を上げていきます。

黄色の面に石を敷き詰めていく。


補修完了!

石を運んで、並べて、叩いて、噛み合わせて、、、
1日作業をして御幸之浜の階段が復活しました!
今回の補修で3箇所・計4段の階段を作り直しました。

補修箇所①
左:補修前 右:補修後
補修箇所②
左:補修前 右:補修後
補修箇所③
左:補修前 右:補修後

今後、補修箇所に雨で土や小さな石が溜まったり人が歩いて踏み固められたりすることで、さらに強度が上がっていきます。どんどん強度を上げて、どんな大雨にも流されない階段に育ってほしいですね!

今回の御幸之浜の階段は大雨で派手に壊れてしまったので優先的に修理をしました。東京都レンジャーは普段から各歩道の歩きづらい箇所や老朽化が進んでいる箇所をチェックしています。
次回以降は他の歩道の補修もご紹介させていただきます!