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短歌初心者、歌会に行く(オンライン)

はじめに

 短歌、ずっと興味はありました。でも「短歌つくろう!!」と一歩踏み出す機会が無くて、本を読み時たま文章を書く近縁ジャンルをうろつきつつ、ちゃんと足を踏み入れたことはなかったのです。知人と一緒に詠んだことがあるくらい。

 さて、かれこれ四ヶ月前、推しかつ友人の古書屋敷こるのさんが歌会を開催して、それに参加させていただいたのです。(多分?)短歌のムキムキ強者が参加する感じではなく、リスナーさんや短歌初心者さんが思い思いに作った歌を投げる会でした。

 と、こんな感じで、第一回の開催にわくわくしていたら、第二回歌会が開かれまして、これまたすごく楽しかったです。短歌うまくなりたいって思えました。さて、今回はその出場記録とも日記とも自作批判ともとれるような話です。

前回の短歌

 前回、提出したのは三首。作り溜めていたわけではないけど、過去に作っていた歌でした。

海苔かんぴょう太巻きの具の電車内桜でんぶの君は彩り
あきあります 看板灯る冬の夜 春の仕入れはまだ先ですか
同じ釜の飯食う仲だと言うけれどご飯炊くのはいつも私よ

 褒め合う会なので、そこそこ褒められた記憶はありますが、今見返すとめっちゃこそばゆいです。当時、短歌に平安和歌のイメージを引きずっており、情景や恋愛をよみこむべきだって思い込んでいた気がします。平安和歌も実際に知っていくと恋愛の歌だけでは勿論ないのですが、後朝の歌イメージに引っ張られていたんでしょうね。

 わたしは狂歌や川柳が好きなので、洒落っ気を出した歌を好んでしまうので、そういう歌を出しました。でも、なんだかんだ直接的よね、この歌。今詠むなら、もう少し先が予想できない/良い意味で飛躍のある歌が詠みたいです。

第二回開催の前に 『桜前線開架宣言』を読む

 さて、第一回歌会のあと「短歌楽しいなあ」と思ったのですが、特に何か歌集を読むこともなく、第二回が近づいてしまいました。そこで引っ張り出したのが『桜前線開架宣言』でした。前に俳句をメインでやっている知人の方などに「短歌のおすすめ本ってありますか?」と尋ねて教えてもらって積んでいた一冊です。

 1970年代以降の著名な歌人さんの作品を集めたアンソロジーです。冒頭の大松達知さんのただごと歌を知って、「こんなことも短歌に出来るんだ」「こんなに笑える短歌あるんだ」と衝撃を受けました。

〈二十一世紀を考へる会〉本日の議題その一、名称変更
大松達知『フリカティブ』

 初読時、凄い笑っちゃった。こういう洒落っ気を効かせた歌大好きです。他にも石川美南さんの連作『物語集』も素敵。

乱闘が始まるまでの二時間に七百ページを費やす話
石川美南『離れ島』

 『話』で終わる短歌を集めた連作集です。すごい想像力を刺激されますね。こういう歌もOKなんですね!! この歌集は欲しいですよと思ったら、Amazonで高騰してた......知ってた。

短歌を作ってみる

 今回テーマ詠『夏』ということで、そこから夏に関する単語を連想して書き出してみたり、存在しない失恋に浸ってみたりして出来た歌がこれ。

質問の答えは0.066バナナの皮の摩擦係数

 失恋とか全く関係ない遠いところにきたな......結構お気に入りです。唸っている時にふと『バナナの皮の摩擦係数』の下の句を思いついて、そこからするする上の句が生まれました。バナナの皮の摩擦係数、初めて調べました。また一つ賢くなりました。こういう句沢山作りたいな、とちょっと思いました。歌会があってもなくても定期的に練習しようと思います。 

 今回の歌会、みなレベル上がっていてそういう意味でも面白かったです。隣席読書会、次回も乗り込もうと思います!楽しかった!!

 

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