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日記『しとしと』

 しとしと、という言葉がある。雨がしとしと降る、なんていえば、小雨が降り続けているんだなあ、と思う。個人的にはパラパラよりも静かでずっと降っているイメージ。
 ただ一時間ほど前に、ふと気づいたのだけど、この『しとしと』雨の表現以外では使われないのでなかろうか。今日はしとしとです、なんて聞いたことないし、汗がしとしとこぼれ落ちる、も、蛇口から水がしとしとと流れ出る、も妙に居心地が悪い。このパンはしとしとである。なんて言われると、別語彙のしっとりのせいか、なんだか意味が伝わった気にもなるけれど、深く意味を考えだすと、水っぽくてまずそうだ。しっとりで充分なのにしとが二つも続くのがよくない。

 前後の文脈もなにもなく、ふと思いついた言葉の話だったけれど、こんなことを考えたのは今日雨が降っていたからだろうか。あれ、雨降っていたっけ。忘れた。なんか文章を書く時って、伝えるぞ!と肩に力はいってよそ行きの紹介文とか書きがちだけど、こんなふうにゆるーく書いていくのもいいよねと思う千早であった。
 


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