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ロード・オブ・ザ『ロード・オブ・ザ・シンキョ』

結成9年。6年ぶり2回目の単独ライブ『ロード・オブ・ザ・シンキョ ~また東久留米に住みたいな~』ありがとうございました。おかげさまで昨日無事終えることができました。
単独ライブは2回目ですが初めての場所、そしてキャパが300人ということもあり、単独ライブ開催発表から約1ヶ月半はとにかく準備に追われる日々。特に1週間前からは謎の腰痛と不眠に悩まされました。
当日は当日で全く食欲がなく、朝から1度も食事をとれず本番を迎え、終わる頃には脳が限界でした。
自分がこんなにナーバスになれるとは知らなかったので驚きです。
しかし結果として皆様には2時間の長丁場にもかかわらず笑顔でお帰りいただくことが出来、正直ほっとしていますし感謝でいっぱいです。本当にありがとうございました!

ご来場のお客様や応援して頂いている方々にはご周知の事実かとは思いますが、昨年12月にカップルコンビであったマイティガールは元カレ元カノコンビとして再出発しました。つまり破局したということです。きっかけは私から。
実は数年前からどうしたものかなと考えてはいました。私たちがカップル芸人としてカップルネタでお笑いをやるのも、そこからやがて夫婦になり所謂夫婦漫才をやるのも、果たして伸び代があるのか。
私の見た目が普通なのもあり、1番手前のカップルあるあるのようなネタですら生々しくなりウケづらく、思い悩みすぎていっときはイップスのようになりネタを一切書けない時期もありました。
それでも『出来るかじゃない、やるんだよ』の精神で試行錯誤は繰り返しましたが、どうも思ったようにいかない日々を繰り返しました。
『このままだと売れることもなければ何も世の中に残すことはできない』
自分たちの数十年後を想像しました。『売れなかったけどわたしたち、なかよしで毎日幸せだったよねぇ』と老女のわたしが微笑む……耐えられませんでした。
私たちが今この時点で感じている辛さ、努力、理不尽、少しの喜びややりがいや悔しさや葛藤が全部無駄になった上(無駄な物なんかないよ、という詭弁はナシ)将来『でも「幸せ」だった』なんてボンヤリとしたもんに包んで終わるなんて。そんなのやりきれないだろ。そんな当たり前の幸せを望むくらいなら時間の無駄だからお笑いなんて今すぐ辞めちまえよ。
そんな想いが呪いのように渦巻いて、3日に1回は『お笑いも何もかも辞めたいな』と考えていた時期。『くるめ・ザ・コメディ』のお誘いがありました。
先輩であるぶくろ旋風さんが立ち上げた東久留米周辺に住む芸人ユニットです。
わたしの思いなどつゆ知らず、たむら氏にお誘いのDMが来たために二つ返事でOKする運びとなりました(たむら氏が)

そこでは久しぶりに会った同期も、くるコメで初めてお会いする先輩もいる環境でいい刺激を受けました。
特に『後輩が新ネタを2本作るならばその3倍の6本作る!』とか、『単独ライブで入場者が70人以上だったらお客様全員無料にします!』とか、先輩なのにとにかく率先して苦労したがるぶくろ旋風さんには衝撃を受けました。
最初は『この人たちちょっと変態なんじゃないか』と思っていた程度でしたが、彼らの姿を見ているといつの間にか尊敬の念が芽生え、『わたしももう少しやれること増やしてみよう、まだもうちょっとやってみよう』と前向きな気持ちになっていきました。
ぶくろ旋風さんが発足したくるコメですが、くるコメラジオ(TOKYO854くるめラ)ではマイティガール、やすし30秒、まきしまきおの同期4人組を信じて一任して頂けたのが何よりうれしかったです。信じてるって言われるとコロッと好きになります。
同時にくるコメには『何があっても彼ら仲間の力になろう』と思うほどの帰属意識を持ちました。

『お笑いを辞める』という前提が覆えっていったある日、父の体調が良くない、もう長くないと思うとの知らせを母から受けました。
グダグダやっている間に確かに時間は流れていたんだ。そんな当たり前のことが強く思い出され、私の思いは固まりました。

時間が無いんだ。どうにかして早く結果を出さないと。
カップルであるということで遠慮やしがらみが生まれそれが枷になるならば、そんなものはもういらない。お互い自由でなければならない。

勝手な言い分だとは承知の上で別れたいという気持ちをたむら氏にぶつけました。
賭けでした。

たむら氏はただただ、うん、うん、と私の話を聞いた上で『分かった。そんな気がしてた』とだけ言い、しばらくして『コンビは続けるよね?』と言いました。
目にたくさん泪を溜めたたむら氏の頭の中は別れる瞬間もなお、お笑いのことでいっぱいだったのです。
コンビは続けよう。できるとこまでとにかくやろう。そう答えてわたしたちのカップルとしての9年は幕を閉じました。

『ロード・オブ・ザ・シンキョ』はそんな私たちが別々に暮らし再出発をするためのライブでした。引越し費用を捻出するのが目的ではありましたが、どうやらギリ赤字になりそうです。私たちらしいな!
しかし前回の単独ライブより動員は増え成長を感じると共に、貴重なお時間を頂き、ご来場頂き、暖かい空気でたくさん笑って頂いたお客様には感謝してもしきれません!本当にありがとうございました!
たむらはピンネタでもパワーがあって素直にすごいと思いました。あとわたしが全く分からないパソコンや音響まわりをやってくれて助かりました。わたしはネタ書いたり絵を描いたりしてたら単独ライブが終わってました。色々と記憶がございません。

色んなことに感謝しつつ次回の単独は…しばらくやらないかもしれないしまたすぐやるかもしれません。

長くはなりましたが、これからもどうぞ応援よろしくお願い致します。
わたしもがんばるから、みんなもがんばれよ。






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