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古事記についてのメモ

※非常に私の偏った知識と偏見に基づいた感想なのと、かなり勝手に噛み砕いた説明なので、あまり間に受けてはいけません

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ファンタジーも神社も大好きなので、改めて神道、日本の神様というものを調べてみようと思って古事記を解説する書籍を読んでます。

翻訳者さんの意向もあるのかもしれませんが、神々は天皇の元になった系譜であることなども含めてとても人間的というか、当時の風俗を表しているのか、なかなか俗物的な話が多い。
とても多くの神について語られているので、私の知っている逸話などについてメモを残しておきます。

あと、陰陽道は中国から由来していることもあり、そちらはそちらで別の神様(道教)のようです。こちらも書籍を探してみます。

イザナギ、イザナミ

この国を生んだ神様とされる。この2人より前にいらした神はみんな無性だけど、この二人からは男性女性という概念が生まれる。

この2人は夫婦となって国土や神々を生んだんだけど、火の神を産んだときにその火に身を焼かれたせいでイザナミは黄泉の国へ渡る事になる。そしてそれにブチ切れたイザナギがその火の神をなんと斬り殺してしまう。
でも斬ったらその血から別の神々が生まれたそうだ(タケミカヅチなどの武神系)。

イザナギと黄泉の国

亡き妻を忘れられないで黄泉の国まで追っていったイザナギだが、イザナミは黄泉竈食ひ(よもつへぐひ/あの世の食べ物を食べること)をしてしまったからそう簡単に帰れない、黄泉の国の神と相談する。話がつくまでは姿を決してみてはならない、と言う。
その約束を破って火を灯して御殿へ追っていってしまったイザナギはイザナミの変わり果てた姿にドン引きし、見るなっつったのに恥をかかせて!とブチ切れたイザナミは黄泉の国の軍勢を使ってかなりガチな感じで追ってくる。

黄泉比良坂(黄泉の国の入り口)まで逃げ延びたイザナギは大岩でそれを塞ぎ、逃げ切るのだが、イザナミは「こんな仕打ちをして、あなたの国から1日千人の命を奪う」と宣言し、対してイザナギは「じゃあ1日1,500人の子が生まれるようにする」と宣言する。
日本神話で魂の転生的な概念があるのかまだ触れられてないんだけど、それで良いのか…?

神様だから、死という概念は人間とはまた少し違うのかもしれない。

天照大神

イザナギ(旦那の方)が黄泉の国から帰って禊ぎをしたときに生まれた3柱の神のうちの1人。

高天の原(神々の国)の主として任命されたので、天照大神が神々の筆頭、”日本国民の総氏神”とされているようです。(東京大神宮さまの説明より)

天照大神は昼を、同じときに生まれたツクヨミは夜を司り、さらにもう1人生まれたスサノオが海を司る事になったが、スサノオが超絶反抗期だったのでその任務を放り出しなんやかんや言って姉の天照大神を脅かすほど暴れたので天岩戸に篭ってしまった。

天岩戸の伝説

天岩戸に篭ってしまった天照大神を呼び出すため、芸能の神様、アメノウズメが美しい舞を舞ってお祭りのように賑やかにして気を引いたというのが私の聞いた話だったんですが、この本では実際は面白い…というか風変わりな舞を舞って他の神々がそれを笑ったからという風に訳されています。
この時に作られたのが三種の神器のうちのふたつ勾八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)、八咫の鏡(やたのかがみ)とのこと。(鏡は映るものの魂を呼び込む)

天照大神の勇姿

それにしても、彼女は荒ぶりながらやって来るスサノオに最初は自ら対決すべく武装して出迎えています。天岩戸のエピソードだと少しか弱そうに見えるけど、強くて美しい神様ですてきだ。(ゲームの大神も大好きです。武器は裏表勾玉派です)

二人は誓約(うけい)という占いのようなものをして、スサノオが勝利宣言をして(実際どちらが勝ちだったのか古事記では触れていないそうです)、好き勝手したというふうに書かれている。

このあと触れるんですが、ヤマタノオロチを退治したというスサノオさんですがだいぶ問題児だったみたいですね。わがまま末っ子。

ヤマタノオロチ伝説

暴れすぎて賠償金を課せられた上に天上界から追放されたスサノオは、出雲の国に降りたち、ヤマタノオロチに生贄として差し出されそうになっているクシナダヒメに出会い、ヤマタノオロチを退治する代わりに結婚するよう要求する。

スサノオはクシナダの両親に酒を作るよう命じ、八つの器に酒を入れておくように指示した。

酒好きのヤマタノオロチは八つの器に八つの頭を突っ込んで酒を飲み、酔っ払って寝てしまったところをスサノオが退治。その尾からは太刀が出てきて、これが三種の神器草薙の剣といわれている。

ちなみにクシナダヒメも神様の子孫のようです。
無事にヤマタノオロチを退治したスサノオはクシナダと結婚し、島根県の須賀というところに宮殿を建てて暮らすことにした。

ところで、罰金はどうなったんでしょうか…??

因幡の白兎

有名な逸話で、このお話が好きでガマの穂がちょっと好きです。変わった植物ですよね。

因幡はいまでいう鳥取県で、白兎の神を祀った神社が鳥取県にあります。

(この白兎さん、ただのウサギではなくてちゃんと神様のようです)

海を渡りたくて鰐(ここでいうワニは中国地方の方言でサメを指す)を騙して橋代わりにしようとしたせいで毛皮を取られて泣いていたところ、オオクニヌシが見かけて助言してあげてガマの穂で傷を治したという逸話です。
なぜ怪我したかというと他の神様が海水を浴びて乾燥させろと言ったせいで干からびて痛い思いしてたとのこと。
神様、意地悪するんだ…?まあウサギさんも鰐に対して「お前たちは騙されたんだよ」とか言っちゃうわけですけど。

オオクニヌシは非常に人の良い、実直で思いやりの深い神様として書かれています。
国譲りの神様として有名で、農業、商業、医療などの文化を司り、また出雲の主宰神であるとして縁結びの信仰対象でもあるようです。
やさしい神様みたいですね。

オオクニヌシと医療

医療の神としても信じられているオオクニヌシですが、ガマの穂は古代の民間医療で止血、鎮痛に使用されていたようです。それでガマの穂を体に纏わせるように助言をしたんですね。
当時は為政者であることと、医療知識(科学知識)を持つことは密接な関係にあったようです。

余談:東京大神宮

縁結びで有名という東京大神宮は伊勢神宮の東京分社のようでして、天照大神が祀られています。また入り口に飯富神社稲荷という小さな神社があり、稲荷大神(いわゆるお稲荷様で、お稲荷様自体はウカノミタマ、五穀豊穣の神様の眷属とされる説もある)と大地主大神を祀ってあるとあります。
大地主大神はイコール大国主であるというふうに解説されている方もいるので、非常に縁結びに由緒が深いみたいです。

小ぢんまりした神社でしたが、鳥居には真新しい小さな榊が飾られ、打ち水がしてあって、巫女さんも髪の飾りまできちんとつけていてなんだかとても丁寧に祀られている感じがして気持ちのいい場所でした。
私自身はあんまり信心深いとは言えませんが、きちんと古い文化と信仰が残っている場所はとても好きです。

多神教の神話の共通性

他の多神教の神話もなかなかえげつない話が多いと噂に聞く。
ギリシャ神話で有名なゼウスは、よく聞きつたえられるぶんには多くの女神のもとに通い、時には鳥などに姿を変えて忍び込んだという話もあった。

同じように、古事記の中には美しい姫の家へ蛇神が人の姿で入り込み(蛇の姿で鍵穴を抜けた)子を設けたり、赤い矢に姿を変えて寝室に運び込まれ、人の姿に戻って結婚したなどという神様の逸話が紹介されている。
また、この頃の価値観的に正室と側室がいるのが当たり前のようで、1人の神の逸話に複数の姫と結婚する話がある。
今の価値観で考えると妻がいるのにすぐ「たちまち激しい恋に落ちた」りするのは誠意がないなあ?と思うのだけど、やはり当時の生活などを色濃く反映しているのだろう。

国譲り

オオクニヌシは多くの兄弟神からたくさんの国土を譲られ(というか押し付けられ)、実質地上の統治者のようになっていたが、それは高天の原の意向でそうなっていたわけではないので改めて高天の原で審議して大国主と話し合いをするため神を送ることにした。
なぜかみんなサボったりサボったりして何年も戻らないため、雷神のタケミカヅチを下界へおくり色々あってようやく合議を得た。

新たな中つ国の統治者

天照大神は長男を下界の統治者に送ろうと思っていたけれど、長男のアメノオシホミミは自分の息子のホノニニギのほうが体力もあるし適任だろうと推薦する。
それでホノニニギは幾人かの神に付き従われ、三種の神器を持って国へ降りた。

木花咲耶姫

そして国へ降りたホノニニギは木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)を見初めて結婚し、じきに子を設けるが、子ができたと申し出る妻に対し一夜で子ができたのか?と木花咲耶姫のことを疑う。
木花咲耶姫は 「神意をはかり、子供が無事に産まれたなら間違いなくあなたの子です」と出口を塞いで火を放った宮殿の中で出産し、無事にホデリ、ホスセリ、ホオリの三人の子を産む。

大神に出てくる花の神様、サクヤは木花咲耶姫が由来な気がします。
天照大神の孫の妻ですね!

竜宮城

この時生まれた末の子ホオリは、基本的に山で狩りを行なっていたがあるとき漁猟をやる兄ホデリと「わたしの弓矢と兄上の釣り針を交換して見ませんか」と交渉する。何度か交渉して無事交換して釣りをしたものの、釣り針を海底に落としてしまう。

絶対にその落とした針を返せと迫られ途方に暮れ泣いていたところ、潮路を司どる神シオツチが現れ海底の竜宮へ行くよう助言をする。

竜宮城へたどり着きワダツミの娘トヨタマビメとお互い一目惚れして、ワダツミは二人を結婚させた。
すっかり兄の釣り針のことなんか忘れて3年ほど妻と楽しく暮らした弟だが、ある日釣り針のことを思い出してワダツミの助言を得て取り戻し、ついでに無理難題を言いつけた兄をこらしめた。

そして天皇の系譜へ

やがて身ごもったトヨタマビメは地上の海辺に産室を設け、「異類であるわたしの出産は見るな」と言うが、禁を破って夫は見てしまう。
地上では鰐鮫の姿になってしまう姫は、醜い姿を見られたと傷心して海の国へ帰ってしまった。

そしてこの時生まれたうちの二男のうち一人が玉依姫と結婚し、生まれた四人の子の末っ子がのちの神武天皇となる。

日本書紀と古事記

同じく日本の神様の系譜を書いたもので、登場人物もほぼ同じのようだが、日本書紀の方が正式なものと扱われているようで、スサノオが大泣きしたりする感じではない模様です。もう少し神聖さを重視した語り口なのかな?
日本書記ものちに読んでみたいと思います。

その他小メモ

この後は血生臭い感じの天皇家のあれこれが続くので知ってる名前だけ書き留めます。

▶︎ヤマトタケル:本名オウス
15〜6歳で兄、オオウスをなぜか特に意味もなく惨殺している。これを恐れた父天皇は、しばらく朝廷を離れて欲しくて「朝廷に服従しない不敬なクマソタケルという兄弟を討伐してくれ」と西の方へ使わせた。
このとき西の方で好きに暴れていた?二人の兄弟を殺し、その時に虫の息のクマソタケルが「大和には自分よりも勇猛な方がいたとは。今後はヤマトタケルの皇子と称えられるでしょう」と言って、それ以来オウスはヤマトタケルと改名した。

▶︎草薙の剣

ヤマトタケルは西を征伐したのち東の征伐も命じられるが、父はわたしのことを死んでしまってもいいと思うのか…と、伊勢神宮(天照大神を祀っている)の斎宮の叔母にこぼす。
叔母は三種の神器の一つ、草薙の剣と火打ち石を武器としてヤマトタケルに与えた。
だまし討ちで草原にいる時に火を放たれたヤマトタケルは、その太刀で燃え盛る草をなぎ払い叔母に持たされた火打ち石から吹き出る火で返り討ちにした。
この時草をなぎ払ったから草薙の剣という名前なのだそうだ。

ところが荒ぶる神を素手でも倒せるぞと意気込んだヤマトタケルは剣を手放して出てしまい、結果道中でお隠れになる(亡くなる)。

▶︎不法侵入?や母親が子を呪う話

よく古事記の中では神様が蛇やら矢やらに変化して姫の邸宅に忍び込み子を作る。

ヤマトタケルの後のあたりのこの辺になると初代の神様よりだいぶ人間に近づいており、死もあれば呪いもする。

同じ姫に求愛し断られた兄は、その姫の邸宅に花に化けて侵入してうまいこと結婚した弟に嫉妬をし、以前弟と交わした約束を破るが、それを見て怒った母親は兄の健康を害する呪いをかけ、兄が詫びると呪いを解いた。母親が物理的に子に呪いをかけるとはちょっとびっくりした。

▶︎鷺に位を与えた天皇
詳しくは触れられていないのだが、鷺に五位を与えた天皇がいるらしい。
どっかのファンタジーではオウムに尋問するしね。

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