占いと猫とトラジャのコーヒーvol.44~Calling You
バグダット・カフェという映画がある。
ジャスミンはとても生真面目な女性だ。清く、正しく、規則正しく。その花序がバグダット・カフェという、打ち捨てられたような場所に紛れ込む。なんとも気怠い雰囲気の中で社会不適合者な住民たちとじんわりかかわり合いができていく。終盤ほんの少し大胆になっていくジャスミンに親近感を覚えた。
Calling Youという曲は知っていた。単音の繰り返しのフレーズに乗せてJevetta Steeleの声が乾いた空気に転がる草のように通り抜ける。
なんとも美しい曲だと思う。
Calling You
ここのところ呼ばれることが多い。
まさに。呼ばれている。
ジャスミンは、終盤、自分を開放していく。
絵描きに自分のヌードを描かせ、肌に入れ墨を入れる。
全てにおいて厳格に生きてきたジャスミンにとって、己の欲望に忠実になることは、自分という人生を生きるための第一歩になったのだろう。
「開放」は、永遠のテーマかもしれない。
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