無駄なポーカーフェイス

　高校からの友達に会った。趣味とか全然違って、共通の話題があんまりなくて、何話していいかわからなかった。

　お互い淡々としたコミュニケーションを10年近く取り続けてきたから、本当の私はもっとはしゃぐし、お店で音楽が流れれば小躍りするぐらいノリノリな一面を持ち合わせているが、そういう部分を今更見せられないよなぁと、勝手に自分を抑え込んでいる。何を気にして生きてるんだろう。
　もしかしたら高校生の頃、すでにそういう一面を見せていたのかもしれないが、会わない間に交わしたLINEで素っ気ない文章を送り合う内に、素っ気ない文章通りの人物像を作り上げてしまったのかもしれない。恐るべし、文体。

　楽しいながらも、何となく盛り上がりきらずにさよならした後、長い付き合いなのにその人自身のことを余り知らない事や、相手も恐らく本当の私を余り知らないであろう事に寂しさを感じながら、家族へのお土産にミスドでドーナツを買って帰った。ご所望のフレンチクルーラーとチョコのやつは売り切れてた。

　一度構築された人間関係を築き直したり、深めるにはどうすればいいの。
　最近ようやく、もっと人のことを知りたいと思うようになった。今までボーッと生きてきて、面白い事とか人の魅力的な所とか見逃してたんだろうなと思うとつらい。
　私は色んな事に対する反応が遅いから、人とも、会えなくなった後になってもっと仲良くなりたかったと惜しむ事がよくある。
　今回も、普段何食べてるのとか、そんな些細な事でも聞いてみれば良かったと帰りながら思った。

2023/04/01 すごく久しぶり