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詐欺から約1年経って思うこと

わたしはちょうど去年の今くらいから詐欺師とやり取りをするようになっていく。

ことの経緯を話すと…
コロナで年末年始、帰省もお出かけもできなくなり家での引きこもりが決定した。

なので英語の勉強でもしようかと思い立ち、Tandemという言語交換のアプリを入れた。

言語交換とは、私が日本語を話せて英語を学びたい場合、逆に英語が話せて日本語を学びたい外国人とつながり、チャットなどでやり取りしながら学んでいくことを言う。

1日2日でやりとりが終わる相手もいれば、長く続く相手もできる。
当時は英語で夜も夢を見るほど英語に没頭していた。

そのうちに、自称フランス人の友達が2人できた。
自称と書いたのはのちに詐欺師とわかったからである。
次に自称イギリス人、自称香港人、自称マレーシア人、自称シンガポール人…

自称と続くのは、2020年年末から2021年1月頃、Tandemで出会いLINEを交換したのは10人ほど。
そのうち半分以上が詐欺師だったのである。
詐欺師だったと言い切れるのは、全員他愛のない日常の話の中で、とつぜん投資の話がでてきたからだ。


※アプリ側が登録の仕方を厳しくしない限りはマッチングアプリや各種SNSは詐欺師の狩場となったままです。2021年12月現在もこの状況は改善されず、むしろバイ菌のようにありとあらゆるSNSへ詐欺師汚染は広がっています。

私なりに不信感を抱いた相手はブロックしたりしていたのだが、当時わたしはSNSからの投資詐欺が流行っていることなど全く知らず、あまりにも外国人から投資に誘われるので、日本人が知らないだけで、海外ではこれで副業のように稼ぐのが普通なのだと誤った認識を抱いた。

しかし正体は、俗に言う、国際ロマンス詐欺だったのである。

わたしはロマンスではなかったため、友達を装った複数の詐欺師から英語と投資を学ぶというていでお金のやりとりをしてしまう。

しかも投資のプラットフォームや送金先がフェイクという発想も当時は全くなかった。

私が騙された投資先は、それぞれが実際に存在する大きな会社のフリをしていたので、いちおうググってみたけど、正規のほうのHPをみて安心してしまったのもある。

投資プラットフォームについては、案外、雑な作りのアプリだなと思っていたが、詐欺師が丁寧に教えてくれるので(誘導してるわけだからそりゃそうだよな)、あんまり気にならなかった。

チャットのやり取りの間、ほんとにフランス人?とか、ほんとに香港人??と疑うような場面もあったり、他にもところどころ違和感はあった。
しかし、英語が使えるようになれればいいという目的の前に、前向きに彼らの言葉を解釈してしまっていた。

投資についての説明はどんなにノートに書き写してみても理解できていなかったが(そりゃそう!デタラメなんだもん)、いつかこれで経済的自立を…と夢見るようになった。

こんな状況で、どうやって詐欺に気づけば良かったのか、いまでもわたしにはわからない。

ネット上で、たとえばメルカリだと会ったことのない相手、Amazonや楽天だと行ったことのないお店にお金を払うのは普通のことだ。

だから

会ったことのない人にお金を送らない

で、もイマイチよわい。

私たちSNS投資詐欺の被害者達は、個人宛にお金を送ったのではなく投資会社宛に送ったと思っていたからだ。

しかも最初の数回は儲かったとして利益が還元されるので、だいたい皆これで完全に信じてしまう。

いちばんの防御になるのは、アプリ側や警察が、こういう詐欺が流行っているから気をつけてくださいと啓蒙活動してくれることだ。

それは詐欺被害から一年たった今でもそう思う。


SNSなんて、アプリを開いた瞬間にポップアップで出してくれたらいい。


そうすれば、こういうパターンにあてはめて、これは詐欺かもしれない、と、疑う事ができた。

詐欺師もGoogle翻訳などを利用して、世界中から日本をターゲットにしている。

変な話だが詐欺師のタレントもさまざまだ。
愛を匂わせて誘い込むのが得意な詐欺師もいれば、友情を装ったり、投資の先生のようなフリをする詐欺師もいる。

AKB48やジャニーズ並に、たくさんの詐欺師がウヨウヨしていたら、誰かはあなたがハマる要素を持っているのである。

知っていれば引っかからずに済むが、知らないと引っかかるのがこの詐欺だ。
騙す相手に合わせて、オーダーメイドに誘い込む。

ただ、どんなに信じられると思った相手でも、投資に誘って絶対儲かる、と言われたらそれはもう絶対に詐欺だ。
遅ればせながら、これが最近やっとわかったことだ。

本当に美味しい話を人は他人に教えない。

美味しい話はだいたい業界内で独占だ。

それに投資に"絶対儲かる"は無い。

結局は、長期でコツコツとりくみ成果を出していく世界である。

残念ながら、詐欺に引っかからずにすむほどのマネーリテラシーを持っている人は、今の日本では少数派だと思う。

この詐欺は世界中で横行してるけども日本は一人一人の被害金額が高いそうだ。

なので切に切に、アプリや警察からの注意喚起をお願いしたい。

これは騙された直後も今も、一貫して思っていることです。

あと願わくば詐欺被害者の救済措置を設けてほしい。被害後被害者たちはいろいろ調べたりしているが、あまり私達を助けてくれるシステムがない。

詐欺被害者はだいたい根こそぎやられているので自己破産のための手続き費用すら払えなくなっていることもある。

詐欺への注意喚起と被害者の救済。

日本を詐欺天国にしないために
求められることだと思うのです。


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