フィクション
僕は、祖母と父親を殺した。
彼らの顔がとても可愛かった。
僕が、包丁を持って切りつけようとした時、家族は、僕の言いなりになった。僕は、味わったことの無いスリルを感じた。祖母は、ブツ切りにして、生ゴミに出した。家族は酷く脅えて、僕を恨めしそうな顔で見てきた。
大っ嫌いなふたりが消えて、少しほっとした。
祖父は、山に置いてきた。どこの山か忘れたけど。
ちゃんと置いてきた。
僕は、彼らを殺したあとで、
彼らを追うように僕も死んだ。
家は、阿鼻叫喚の光景だった。
僕を異端児とか、非常識だとか言ってくる
祖母を殺す時は、とても楽しかったことを覚えている。100均で買った包丁で刺そうとしたけれども、なかなか、中まで入らなかったから、楽しかった。
僕は、返り血を浴びながら、ゲラゲラ笑ってるのを見て、母親は、僕に土下座して、こう言ってきた。「もうやめてください。ごめんなさい。」
僕は、母親の胸ぐらを強引に掴んで、ほくそ笑んだ。
僕は、家族が大っ嫌いだった。
どうせ、家族に期待したって、期待以上は、返って来ないことを知ってからは、余計にしなくなった。
それでも、どっかで自分にガッカリしたことは、
幾度となくあった。
つまらなかったな、僕の人生……
あながち間違えじゃなかったのかもなあの言葉。
あの人たちの、可愛い顔が見れて嬉しかった。
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