スパイラル
なにかに挑戦をしようと、必死な僕がいる。その隣で、僕の羽根を1枚1枚取っている女がいる。
女に聴くと、
女は「ちゃんとした道」に導いてるらしい。
僕いずれ大人になって、この羽根がなくなったら、「ちゃんとした大人」になるのだろうか。
「ちゃんとした」ってなんなんなのでしょう?
どういうことを指す言葉なのか?今の僕には、よく分からん。
大人の意見を否定することなく、素直に受け入れて、行動することが「ちゃんとしている」なのか?
日本はまだ封建制度というか、儒教みたいだな。
たまに、「ちゃんとした大人」に出会う時がある。
今の僕には彼らが邪魔。
彼らは、まだ「最近の価値観」を僕に教えてくれる。「最近の」。
やっぱり彼らの目はない。
だから、泣くこともないのかもしれない。
もう違うことを知らない人の方が過半数だろう。
僕は今こんな、柵(しがらみ)に囚われているように思える。
こうして、僕が大人になって、彼らの言うことばかりを聴いていたら、僕は次に輝く人間を殺すことになるのか。それでは、彼らは、今まで何人の人間を殺してきたのだろうか。
僕は「犯罪者」なのか。
そんなのは嫌だ。嫌だ。
死刑か、無期懲役かだなんて。
なんなんだよ、「ちゃんとしている」って。
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