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光の差す方へ 〜才木浩人を語りたい〜

週末かつ関東で行われる試合しかほぼほぼ行けない私が、今季一番先発で見ているのが才木浩人投手だ。9月22日、ビジターでしか見れていなかった彼を、今季無敗の甲子園で応援することが出来た。虎の子1点を守り抜いた試合の余韻に浸りつつ(もう次の日のデイゲーム試合は始まっているが…)、今季の才木を語りたい。

才木といえば、「本格派投手」らしいピッチングだ。スラッとした長身から投げるストレートは150km/h前後で、半端ない落差のフォークで強打者たちを翻弄している。前季のオフにはスライダーも習得し、新たな武器を手にいれた。この説明では、豪快な印象を受けるかもしれない。実際、マウンド上では闘志むき出しの大迫力ピッチングをいつも見せてくれているし、今季成績は2024年9月23日時点、24試合に登板し13勝3敗で防御率は1.61と文句なしの成績だ。

そんな虎のエースへの階段を確実に登りつつある才木だが、正直去年まであまり注目して応援していた訳ではなかった。今振り返れば申し訳なくなるほど「フォークが決め球」「アレした試合で先発してた人」ぐらいにしか思っていなかった。

今年はなんと現地14試合中、5試合が先発才木と、非常に才木のピッチングを見る機会に恵まれた。気付けば一年前とは大違いで、「もっと知りたい」と思う存在になっていたのである。

そのきっかけは、試合前のルーティーンにある。
彼はいつも投球練習を始める前にマウンドで脱帽し、一礼するのだ。

ルーティンを欠かさない才木。写真は9月7日、神宮球場で。

トミー・ジョン手術を経験し、投げられない時期も長かった才木。あのルーティーンは、一軍の大舞台で投げられることへの感謝と喜びを噛み締めているように思う。ヒーローインタビューでも「うぇぇ〜〜〜い⤴︎」とアゲアゲで陽気な彼だが、さすがMBTIがINFJとあって人一倍強い使命感を感じながら日々マウンドに上がっているように見える。私は、こういう選手の人間性が垣間見える、さりげないルーティーンが大好きだ。

その持ち前の明るさと、うちに秘めたる使命感を特に痛感したのが5月12日横浜スタジアムで行われた試合だ。前日は2点リードをことごとくひっくり返される地獄のような試合をしていたタイガース。今日こそは、という期待に9回128球を投げ、被安打4での完封勝利で応えてくれたのが才木だった。

試合の感想は「(野手に)もうちょっと点取ってほしいですね(笑)」
関西人らしいユーモアも欠かさないヒーローインタビューは魅力の一つ。
写真は5月12日、横浜スタジアムで。

次現地で才木を見た8月13日の対巨人戦は、思い通りのピッチングが出来ず同点に追いつかれてしまったが、味方の援護に恵まれ5-8で阪神に軍配が上がった。「ああ、もはや前半戦ではない」と感じられた試合だった。この日は「東京ドームで野球が見てみたい!」という学友2人を誘って行ったのだが、才木の球の速さに目が釘付けになっていたのが横で見ていてちょっと微笑ましかった。

昨日の9月22日の試合もそうだが、ピンチを背負いながらしれっと抑えるのは才木のお家芸だ(現地試合でよく出会しているので勝手にそう思っている)。見ている時は溜まったもんじゃないが、なんだかんだ抑えてくれるので、その後の表情を見るのも先発試合の面白さの一つだと思っている。

序盤に満塁のピンチを凌いだ後の才木。
安堵の表情を見せた後、ちょっと恥ずかしくなったのか舌ペロしてました。
写真は9月7日、神宮球場で。

↑ 9月22日、無死満塁の大ピンチを抑えた後の才木

クリナップの離脱が相次いだ今季の前半戦。先発が粘っても勝ちを収めることが出来ない試合が続く、バッテリー好きには非常にしんどい時期だった。そんな時、希望の光となったのが才木の活躍ぶりだったなぁ、と改めて感じている。

才木の登場曲(打席時)はAdoの「向日葵」だ。
最後に、この曲のサビを紹介したい。

ああ
向日葵のように咲いて
天を仰いで笑って
ただ真っ直ぐな
あなたのようになりたい
臆病な私も
少しだけ背伸びして
光の差す方へ歩いて行こう

歌ネット Ado「向日葵」 https://www.uta-net.com/song/340373/

向日葵は太陽に向かって咲くことから、勇気や希望を象徴する花と言われている。向日葵のように真っ直ぐに生きたい、自分を変えたいというメッセージが込められているこの曲は、まさに才木にピッタリだ。

レギュラーシーズン登板残すところあと1試合。
チームの”向日葵”である才木のように、最後の最後まで諦めることなく共に光の差す方へ歩いて行きたい。

(のんちゃん、写真使わせてくれてありがとう!)

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