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「切り絵で世界旅」パドレ・テンブレケ水道橋(メキシコ)寡黙に佇む世界遺産の水道橋を見上げる


神父の名前から付けられた水道橋

 テオティワカン遺跡からプエブラへ移動途中、バスが停止した。一見何もない平原に水道橋が建っている。パドレ・テンブレケ水道橋だ。
 パドレとは「神父」の意味であり、テンブレケ神父の水道橋ということになるになる。16世紀にフランシスコ会のテンプレケ神父が地元民の協力のもとにアメリカの先住民が用いていたアドべ(砂や粘土から構成された天然建材)を使って完成させたもので、最も高いところでは38m にもなる。ヨーロッパの水利技術の蓄積と、アメリカ大陸先住民の文化との優れた融合として、2015年、ユネスコの世界遺産に登録された。
 世界遺産の割には私たちの他に観光客がいるわけでもなく、寡黙に、だが威風堂々と佇んでいる。
 水道橋は水を通すために造られた橋のこと。人類にとって欠かすことができない安全で衛生的な水の確保は、古来よりの課題であり、有名なローマ水道は最も優れた成果と言うべきだろう。
<旅行日/2019.09.07>

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