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「切り絵で世界旅」移民博物館(ニューヨーク/アメリカ)移民の国アメリカを象徴する貴重な場所

 マンハッタン島の南端にあるバッテリーパークからクルーズ船に乗る。リバティ島に立つアメリカのシンボル、自由の女神を船から見上げる。

 そして船はエリス島に上陸し、移民博物館へと歩く。ここは1900年にオープンした歴史ある建物だが、1990年にリノベーションが行われ、美しく生まれ変わっていた。中にはアメリカの移民の歴史にまつわる写真や展示物が数多く設置されている。

入国審査を並んで待つ移民たちが写る写真の下には、当時のカバンなどが展示されている

 ご存知のように、アメリカは移民たちによって築かれた移民大国である。19世紀後半、ヨーロッパからアメリカに数多くの移民が渡ってきた。移民たちは入国の際、まずエリス島で審査を受ける。当時の審査では名前や所持金などに関する29の質問に答える必要があった。この際、身元不明な人や感染症の人はエリス島に隔離され、入国拒否されることもあった。

 博物館の館内には当時の写真、使われていた書類、手紙、着ていた衣類などが数多く展示されている。各自が全財産をカバンに詰め、毛皮のコートなど着れるだけ着て審査に並ぶ人たちの写真があり、その前には移民たちが運んできたカバンが展示されていた。
 日本人も南米移民などを経験し、神戸には移民センターが今も残っている。みんな大変な時代を必死に生き抜いてきたんだ、との思いを強くした。

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