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「切り絵で世界旅」椰子の木(バリ島/インドネシア)高いヤシの木に簡単に登る器用さに呆れる


ヤシの木に登ってココヤシの実を取るホテルスタッフの男性


  バリ島のバリ・ハイアット・ホテルに宿泊中の朝のこと。窓ガラス越しに椰子の木の上の方で動く黒い影が見えた。猿だろうか。やがて椰子の実が落ちてきた。よく目を凝らすと人間だった。どうやらホテルのスタッフが登っているらしい。やがてスルスルと地上まで素手と素足で降りてきた。器用なものだ。
 ヤシの木の上り方には2通りあるようだ。一つは、8の字の形にした樹皮を足首につけ、両足を同時に蹴って飛び上がっていくように登っていくスタイルだ。もう一つは、何もつけずに、片足ずつ前に踏み出しながらスタスタと登っていくスタイルだ。どちらの方法で登ったのか、見ていなかったので分からないが、それにしても器用なものだ。

 ちなみに、熱帯地域では資源植物として重要であり、古来より多くの種がさまざまな方法で利用されている。最も有名なのはココヤシで、ヤシ油をとって食用や石鹸に利用したり、果実の中心にある透明な液を飲料としたりする。
 そのほかにも、アブラヤシの実からはパーム油を採取したり、ほかの種でも食用、デンプンや砂糖の採取、タバコ代わりの嗜好品、条虫駆除薬、繊維利用、屋根葺きの材料など利用法は多岐にわたる。
 だが最近では、換金性の高いアブラヤシの無秩序な開発が、森林破壊の原因のうちの一つとなっている。難しいものだ。
<旅行日/2013.05.26~29>

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