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14.1995年 アウトバックと言うカテゴリーイノベーション

マーケティングの教科書には「競合のいないブルーオーシャンに出ていけ」とよく言われます。カテゴリーイノベーションンとも言いますが、あるカテゴリーに参入するのではなく新たなカテゴリーを創れ。です。

そして、言うのは簡単でお客様調査では出てこない、お客様がまだ知らないから「新たなカテゴリー」なのです。プリウスが出るまでは「電気自動車」が欲しいという人はいたかもしれませんが「ハイブリッドが欲しい」という人はいなかったと思います。

言うは易しの「カテゴリーイノベーション」そのひとつのヒントが「ハイブリッド」「クロスオーバー」です。掛け合わせる。

そもそもSUBARUはレオーネという「乗用車なのに4輪駆動で雪道に強い」というカテゴリーを創造したわけですが、それはAだけどBとかAなのにBも。というハイブリッド/クロスオーバーだったのです。

そして日本でツーリングワゴンが売れまくっているころにSOA(SUBARU OF AMERICA)が考えたのがOUTBACKです。 アメリカでもワゴンの時代はありましたし、レガシィも積雪地では地味に売れていましたが、時代とターゲットは「ワゴン」には見向きもしませんでした。

そんななか「SUVライクなワゴン」ってまだ世の中に無いよな。だったのです。しかもカッコだけでなく本格SUVとして通用する性能を持ち備えた。それがアウトバックだったのです。 ワゴンは「旧い価値観」だったのですが、アウトバックにしたことが「新しい価値観」を産んだのです。

その後アメリカ市場はさらにSUV市場が拡大していくわけですが、90年代後半のアウトバックは「カテゴリーイノベーション」だったのです。これで少し変わってきたのがターゲットです。「雪国ワゴン」は雪国でしか売れないのですが「アウトバック」はカリフォルニアでも一部の人たちに「クール」と評され始めます。

結果論であり、ある意味切羽詰まって出てきただけなのですが。瓢箪から駒でもあり。SUBARUにはそういうことが良くありました。

ある意味XVも「あんな派手なホイルなクロスオーバー」は初めてでしたたし、初代WRXも普通のセダンなのに280PSとか。AなのにB、とかAだけどBとか。。

少し違うカテゴリーイノベーションとしては「ぶつからないクルマ?」です。これはまた別途書きますが「世の中にない」というブルーオーシャンに出ていきました。戦々恐々としながら。結果 時代とターゲットに共感していただく結果となりました。

もちろん各社開発を進めていましたが、先んじたことがなによりも勝因でした。小さなブランドはやはり「イノベーション」がないと大手には勝てないので。

市場を創造する。それがマーケティングの醍醐味です。


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