訪問販売

夜中2時に木刀持って追われる!?(コミュイチ)

『土日はアポを取らないといけない。』
これは訪問販売の鉄則である。

アポが取れなければ休みも取れず、夜中まで帰れない。

最下層の営業マンを続けること1年半、2ヶ月は休んだ記憶がない。
入社当初は楽しかったはずの営業が苦痛になっていた。

ある土曜日、私が所属しているチーム全員がアポを取れていない状況に陥った。それでも夜中12時ごろを過ぎるとだいたいは「帰ってこい」という連絡が会社からチームリーダー宛にあるのだが、この日は全く連絡がなかった。

業を煮やしたチームリーダーが会社に連絡すると、
「アポ取るまで帰ってくるな!」
と一括。

こんな時間にインターホンは押せるわけがないと。周りは全員サボっているの中、臆病者の私は夜中でも街中を俳諧。

田舎道であたりは真っ暗な中、一件だけ煌々と電気がついているお家が。

大きな敷地に高い塀、入り口には門があり監視カメラが・・・

恐る恐るインターホンを押すも1秒後には怖くなって立ち去る。

「はい。」

と後ろのインターホンから声がしたような気がしたのだが、気のせいだろうと振り返らず忍足で歩いていた。

「おい!」

と、すぐ後ろから声がした。

ゆっくりと振り返る。

そこには外灯に照らされていた木刀をもった強面のおじさんが立っていた。

「昨日も来ていただろう、お前何なんだ。」

昨日は来ていないがとにかく怒ってらっしゃる・・・

コミュ障だが基本トークは誰よりも練習したので自信がある。

そこで私は、基本トークを始める。
「今、昼間の電力不足と地球温暖化の影響が深刻化しておりまして・・・」

と夜中2時ごろに昼間の電力不足トークをお見舞してやった。

「ふざけんな!」

当然おじさんはブチ切れ、ガタガタ震える私の元へ駆け寄ってくる。

この出会いが私を営業No.1へ導いてくれた。

※続く


沢山失敗して恥をかきますが、それでも前向いて常に挑戦し続けます!