Sleep Cop ~睡眠捜査官(12面)

(前回のつづき)
「王手…いや、これは詰みでしょうか?
唯一無二と言われた早撃ちもやはり人間ですな。こうなってみるとたいそう呆気ないものです。しかし終わらせましょう。少し予定が押しておりますので。この後まずsewashの記憶は完全に戻します。その上でRAT saunaに入れます。同じ思いを感じて頂きたいのですが半日持つかが心配でございます。神成社長は反逆者ですが知識の解析が済むまではデンデンハウスに拘束致します。ー貴方あれ好きでしたな。
では  さようなら。」

奴はポシェットからジャンボガンを取り出した。

BANG!!

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第12章
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「うぎゃあああ。 目が、目があああ。」

Doulaが転げ回っている。

先に撃ったのは俺だった。

俺の右手にかすかにエアーガンリキッドが残っていたのだ。

俺の耳はDoulaが撃鉄を引く際の、指の油圧モーターのわずかな遅延を聞き取っていた。そのタイミングに俺が奴に指を向ける事は、造作ない事だった。

奴の視力を奪ったのだ。

Doulaは何やらプログラム言語を叫びながらポシェットに両手を交互に出し入れしては的外れな道具を出しまくっている。

俺はバランスを失ったDoulaが背中を見せたその瞬間、ポシェットのバックルを外しディザーム(disarm)は成功した。

「ううっ!チクショー‼︎この外道がァァァ!!!。」

Doulaには品位の欠片も残っていなかった。

「貴様 よくもおおおお!  」

レンズの潰れたDoulaは天に向かって叫んだ。

「おい!!!聞いているか!?何とかしろ! この出来損ないの妹め!!お前誰のおかげで生き伸びれたんだ!?早く助けろよおおお!」

建物の外…遥か遠くから耳を裂く様な高い音がした。

俺は身構えた。

ー終わるのか。

次の瞬間、物凄い轟音と共に高温で真っ赤になった数mの長い棒が建物を砕き、Doulaを貫いた。


…………そして暫く部屋中に噴煙が充満していた。


Doulaを建物ごと串刺した金属製の槍がこの部屋の中央の床に鋭角に突き立ち、その影を白煙に映し揺らがせていた。

俺は硬直し何も出来ないままま白煙が薄れていくのをただ見つめていた。

なぜだ…D-ram

俺を選んだのか?

兄を憎んだのか?


ーそして煙が薄れ、月光が差し込んだ。

…部屋の中央にモニュメントの様に槍に刺さったそれは話した。

「…勝った…と  思うノか…? めでたいデスナ…。バカな奴、私の勝ちダ… D-ramのOver Drive。  スイッチを押してあル…。モう オシマイだ、マジで。ホッホッホッゲホッ、しかしだ…馬鹿なDetective… Nobby-Changには…Hint を 与え マショウ…。 それが紳士たる…嗜ミ。

止めるには…

「キミの好きナ事」

を選択セ…ヨ。

…でハ 左様ナdGASHA*^#“+€•。」



それは沈黙した。




「こっちだって拍子抜けだったよ。Bro. 」

「子守…絵描き歌を歌う暇もなかったな。」


しかし話が本当ならD-ramを何とかして止めなくてはいけない。

「俺の好きな…。」

すぐにM&MTOWERに向かう。

俺はDのポシェットから

Bamb-o-ptorという道具を見つけた。幼い頃にも使った、頭に乗せると小さな針が刺さり(痛くはなかった)頭蓋と一体化し頭頂のファンが回って空中を飛べる道具だ。

大人の俺の体重を頭蓋のみで支えるのは不安だったが、右足が動かないのだ。(JSTの銃剣に毒が塗られていた)走れないなら選択肢はない。

バランスを取って頭から臀部まで背筋を一直線に保つ。身体を捻ると首を痛めるぞ。

ー慣れろ。

ーそして俺は子供の頃の様に宙を舞った。


ドラミ、俺がお前を止めてやるぞ。兄やこの世界を恨んでいるだろうが、この世界は渡さない。

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暫くして、

M&MTOWERに到着した。

(続く)



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