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フロナカ書店街について

TOP5BOOKSが棚を借りている「フロナカ書店街」。東京品川区西小山にある銭湯「西小山 東京浴場」(以下、東京浴場)のロビーに設置されている本棚のひと棚を貸し出しているシェア型書店です。
出店して1年ちょい経ち、いろいろ思うところが出てきたのでしたためておこうと思います。

西小山 東京浴場について

東京浴場は、もともと地元に古くからあった銭湯が事業継承され、新たな要素が盛り込まれ2020年7月にリニューアルしました。
個人的に思う東京浴場の特徴は、
・おこもりサウナ (脱衣所に1人用のサウナがある。予約制)
・樽水風呂(地下水をくみ上げている。夏はぬるいけど冬は冷たくて気持ちがいい。おすすめは2月)
・あさ風呂(5時~12時まで。清々しい気持ちで1日がはじまる)
・アルコールメニューが豊富(週替わりクラフトビール、生ビール、レモンサワー)
・冬は焼き芋を売る(食べたことはない)
・マンガ7000冊読み放題

入浴料だけでは収益が上がらないため、あれこれ工夫しているんだなと感じます。フロナカ書店街もそんな収益増加の一環として始まったんだと思います。

フロナカ書店街とは

本当の詳細は公式をご覧いただくとして、
フロナカ書店街とは?(東京浴場WEBサイト)

ざっくりまとめると
・入会金なし、販売手数料なし、ひと棚4000円/月のみで出店できる。
・棚の上でも下でも場所で価格もかわらず、空いている好きな棚を選べる。
・取り扱える商品は紙媒体のみ。
・棚主特典としてレンタルタオルセットが無料(2組まで)。
・毎月全棚の売上と冊数を共有してくれる。(他の棚がどれだけ売れているのかわかる)

出来た当初は銭湯にあることでやや珍しい取り組みとして情報番組などで紹介されていました。

フロナカ書店街に出店してみて

・いいなと思ったところ
「シェア型書店に出店してみよう」と思う方はだいたい無類の本好きの方です。本好きの人が選んだ本は町場の本屋さんのラインナップとは違う、見たことない面白い本が並んでいます。

・むずかしいなと思ったこと
そもそもお風呂に入りに来ている人たちがお客さんなので、「本を買う」というモチベーションは低いのではないかと感じました。でも、東京浴場には先に述べたようにマンガ本7000冊が読み放題。お風呂上りにマンガを楽しむ人でいつもロビーは賑わっていて、マンガ好きの人はたくさんいるはずなのです。しかし、出店して分かったことは無料で読めるマンガが7000冊ある中で、販売している本に手を伸ばす人はあまりいないということ。

傾向と対策

1年ちょい出店してみた印象で、売れる本の傾向とこれからよりよくしていくための対策を考えてみました。
・自作の本は売れそう
 →ここにしかないかも、という本は売れやすいかもと思いました。
・銭湯、サウナに関する本は売れそう
 →立地的にそういうものが好きな人が集まる傾向はある
・背表紙が派手な本は売れそう
 →ジャケ買い的な見た目の良い本が手に取られ買われていくんじゃないかな。
・本が買えることをアピールすれば買う人が増えそう
 →7000冊のマンガ本の棚の続きと認識されている可能性がある。買える本だと気づいてもらえていないのではという懸念。

東京浴場の取組み

東京浴場でもフロナカ書店街盛り上げのためにさまざまな取り組みがされています。
・店員による棚紹介(YouTubeチャンネル 銭湯民族ゆーじろー)
毎回一つの棚から本を選んでどんな本か紹介する動画。


・古本イベント「銭湯古本市」
11月26日・27日に東京浴場で開催される「銭湯古本市」。お風呂以外のお客さんにも売り場を解放するフロナカ書店街祭り。東京浴場の前に一箱本屋さんの出店も募るそう。

・TBS火曜ドラマ「君の花になる」ロケ地
7人組ボーイズグループと寮母の奮闘を描いたドラマ。行きつけの銭湯として、東京浴場が登場しています。


まとめ

現状のフロナカ書店街についてまとめましたが、当店も12月末で撤退することにしました。1年ちょっと続けてみましたが、31cm角の棚に本を揃えて時々入れ替えていくのは大変だなと思った次第です。
「銭湯に本屋がある」というのはなかなか面白いしくみだと思うので盛り上がっていけばいいなと思っています。


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