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[英語・発音矯正] プライベートコーチングを受けてみた感想

はじめに

この記事では、英語の発音にコンプレックスを持っていた筆者が、発音矯正のプライベートコーチングを受けてみたところ、体験としてすごくよかったので、何がよかったのかを自分の備忘録も兼ねて言語化してみたいなと思います。

コーチングを受けてみようと思ったきっかけ

僕は現在カナダのトロントに引っ越してきてから1年程経ったのですが、未だになんて言っているのか一発で聞き取ってもらえないことが多いです。2020年2月現在、仕事を見つけて働けてはいるので、最低限英語を使ったコミュニケーションはできているとは思うのですが、上記のような問題は未だについて回っており、伝えるのを諦めてiPhoneにタイピングしてみせたりすることもよくあります。具体的なエピソードとしては「Volleyball」を「Bible」と聞き間違えられてひたすら教会の話をされたり、同僚から「お前はすごくアクセントあるけどコミュニケーションは問題ないからいいんじゃない?」と言われるなどしていました。そんなとき偶然、現地の語学学校でも講師経験のある日本人英語講師のタクヤさんに会って話しをするうちに、「この人に教われば何か自分で気づいていない本質的なものに気付けるのではないか」という直感があってその場でコーチングをお願いしました。

そもそもの英語力

客観的な英語力で言うと、2019年10月に受けたIELTSの結果が
* Reading: 6.5
* Listening: 7.0
* Writing: 6.0
* Speaking: 6.0
という感じで、IELTS知らない人向けに言うと、「そこそこ英語でコミュニケーション取れるけどまだまだ向上の余地あり」くらいの感じでしょうか。(IELTSのスピーキングスコアについて気になる方はこちらを参照)
英語の発音に関して主観的な評価としては、シャドーイングするときに口が一切ついていかなかったり、音が全然ネイティブのものと違うなぁと漠然と感じたりしていました。

何をしたのか

ということで、コーチングで具体的に何をしたのかを書いていってみたいと思います。

Assessment

まずレッスンに入る前に、Assessment(評価)を行いました。文章・アルファベット・単語・会話の4つのパートに分かれていて、それぞれ英語で普段喋っているように読み上げたものを録音しました。(下図参照)
その結果をもとに、僕の発音を矯正するために何をすべきかを分析し、レッスンを組み立ててもらいました。

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Assessmentの一部抜粋

結果として、
* 母音(aとæ等)が意識できていない
* Rが発音できていない
* 和製英語をがっつり日本語で発音している(talk, vacation, social等)
* 日本人に難しいとされる子音(TH, V, R等)が、単語や文章の途中に来ると発音していない(TH -> S, V -> B, R -> 消える等)
* 文章レベルに置いては、抑揚が全く意識されていない
などの問題点が浮き彫りになりました。逆に
* アルファベットレベルではほぼクリアに発音できている
* 単語や使い慣れた表現に関してはきれいに発音できているものもある
ということもわかりました。
以上のAssessmentの結果から、
1. 母音(発音記号)を知り、単語レベルで音を正確に発音できるようになる
2. 文章レベルで抑揚と文章における単語同士の音の連結を意識できるようになる
という2つを改善することを目的に、1回1 ~ 1.5hのレッスンを週2回、合計8レッスン10hになるよう構成してもらい、実際のプライベートコーチングを行いました。

発音記号と発音

発音記号は皆さんご存知だと思いますが、どのくらいの数の発音記号を知っているでしょうか。また、どのくらいの発音記号を実際に単語を発音するときに意識できているでしょうか。
正直なところ、僕はほぼ全くといいほど意識できていませんでした。雰囲気で喋っていたと言ってもいいかもしれません。それが大事であると知識として知ってはいたつもりでしたが(聞いたことあるなくらい)、実際に英語を話すときには一切意識していなかったのです。最初の4レッスンほどでそれを徹底的に体に覚え込ませました。1レッスン1つもしくは2つの発音記号を持つ単語をひたすら発音しまくりました。同じ音を持つ単語でも、先頭に来るか、特定の子音と一緒に発音するか、和製英語かどうかで発音の成功率にだいぶクセがあるなどの発見もありました。
例)
æ... family, black, ask
ɔ... cost, all, often
また、Rの発音も基本的には同様で、どう発音するかを図で見たり発音の仕方の説明を読んだあとは、ひたすらレッスン中発音し続けました。Rを過剰に意識して発音しまくり、嗚咽して気持ち悪かったです。
ちなみに「口を使わない」という意識に関しては、喉発音の考え方を参考にしました。理論的になぜ口を使わないかとその練習方法は、ベースとして学んでおいてよかったなと思います。ただし個々の発音記号が持つ厳密な音についてはレッスンの中で体得していったところが大きいです。正しい音を探っていくのは、自分の中に知識としてあるものとレッスンの中で学んだものをミックスして総動員し、タクヤさんの耳を利用して答え合わせをするという感覚に近かったです。

文章レベルでの発音1: 音の連結

約半分となる2週間4レッスンで音単体のレベルで発音できていない音を矯正した後、文章レベルでの発音矯正に取り掛かりました。基本的に、このレッスンを始めたときには、「音が違う」と言われたら即座に修正できるようになっていました。文章レベルにおいては、英語の特徴として、「音が省略される」ということを意識することと、「is there(ɪz T͟Her)」など単語が組み合わさったときの発音を実際に音としてどういう音かを意識し、さらに無意識で発音できるまで体に覚え込ませるという作業でした。
個人的に、正しく発音できたかどうかは、発音できたときのある種の「気持ちよさ」と発音するために必要なステップを踏めたかどうかでわかるという感覚があります。文章レベルの発音においては、単語以上に今まであまり試したことのない音の出し方の練習をひたすらやるという感じでした。

文章レベルでの発音2: 抑揚(イントネーション)

音の連結を学んだところで次に、抑揚について学びました。
What are you going to do this weekend?
であれば、Wh, going, weにアクセントをつけて文を読むという感じです。抑揚を意識するということは、他の部分よりも大きな音を出すということなのですが、大きな音を出そうとするあまり、単語レベルではできていた発音ができなくなるという発見がありました。理由としては、日本語の感覚で大きな音を出すのとは違い、口に力を入れて力んでしまうと英語の音がでないというものです。口を力ませずに大きな音を出すには、「息」の意識が必要です。これも日本語の発声にはないものなので、体で感覚を覚えるまでレッスン中ひたすら発音し続けました。

レッスン外でやったこと

レッスン期間中、タクヤさんがレッスンを録音しておいたものを送ってくれたので、通勤時間などの空いた時間にそれを聞きながら、延々と単語と文章の発音を毎日繰り返しました。レッスン中に意識してできた発音が無意識レベルで口が動くと、高確率でいい発音ができることを日を重ねるごとに実感し、またそうなることが楽しくなってきたので、ひたすら口を動かしました(不審者っぽかったかもしれませんが、日本と違ってみんなそこそこでかい声で話すので気にしない)。あとはある程度できるようになったら録音したりSiriが認識できるまで話しかけるなどしました。

レッスンの成果

Assessment時の会話読み上げ

Lesson後に同じ会話を読んだもの

実際のアウトプットとしてはこんな感じになりました。まだまだ100%すごくよい発音ができているかと言われるとそうではないと思いますが、自分ではなんというか、「英語の話し方」がようやくわかりかけてきたかなという実感があります。
またレッスンの影響で、英語の「音」に対する自分の認識と意識が根本的に変わってきたのを感じます。具体的には、iKnowで単語を覚えるたび、発音記号を見ながら一旦発音するようになったり、外で聞こえてくる単語の音に敏感になって、「あ、確かにvacationってvəˈkāSH(ə)nって発音してるわ」と気づくようになってきました。
今まで理論や考え方として知っていたものが、この1ヶ月でそれをどうやって活かせばいいのか、実践のレベルで体に身に付いてきたと同時に、学ぶ楽しさみたいなものにも新たに気づいた気がします。

プライベートコーチングの意義

もしここまでを読んでくださっている方がいるのであれば、おそらく知識として目新しいことは一切ないことに気が付かれたかと思います。ではコーチングの意義とは何なのか。自分なりに考えた結果、コーチがコーチ自身の体験として英語の音を習得してきた過程を短期間で追体験しながら自分のものにできるということなのかなと思います。理論として知っているものを、実践できるところまで落とし込む手助けをしてもらい、自走できるようになるというイメージでしょうか。その過程にこそ価値があり、僕にとっては正に望んでいたものでした。

自分もコーチングを受けるべきか

目的にもよると思いますが、いちばん大事なのは信頼できるコーチが身近にいるかどうかかなと思います。僕が受けた感想として思う、我々日本人に理想的な発音矯正のコーチは、
* 耳がよい(英語の音の違いを高精度で聞き分けることができる)
* 英語がネイティブレベルで喋れる
* 高いコーチングスキルを持っている
* 適切に候補者を分析し、その人にあったプランを構成することができる
* 日本人(日本人特有のクセなども正確に指摘することができる)
という要素を持っている人かなと思います。そんな人いるのか?という感じですがなんと僕は偶然それらをすべて持った激レアな英語講師のタクヤさんにたまたま出会うことができました。(なんかうさんくさくなったけどホントです。)

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歌もお上手なタクヤ先生

トロントに住んでいない方でも、オンラインレッスンを受け付けているとのことなので、もし興味がある方は連絡してみてはいかがでしょうか。

まとめ

というわけでプライベートコーチングを受けた感想でした。
第2言語話者として、少しでもネイティブの音に近づけるためにどう矯正するかに対する正しい指標とやり方について、自信を持って身につけることができたレッスンだったと思います。この記事が英語の発音に悩んでいる方の何らかのヒントになれば幸いです。

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