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引っ込み思案と誕生日

世界の総人口を調べてみたら80億人もいるそうだ。自分の中の認識では48億という数字が頭の中にあったのだが、おそらくこれは学校の授業で習った時の数字なのだろう。ずいぶんと増えたものだし、ずいぶんと古い記憶でもあった。

わがままに生きてきたし、出不精と引っ込み思案な性格だから、世界には80億の人間がいるというのに、僕の知り合いは年々と少なくなっていく。それでも先日の誕生日には「おめでとう」とメッセージをくれる方がいた。とても有り難く思い、その一言でとても良い気持ちになれた。

人は一生で何人と知り合うのだろうか? 

これを調べてみると、出逢って親しく話せる関係になるのは300人ほどと書いてあった。世界の人口が80億人もいて、その内の300人とは、ものすごく少なく感じて寂しくもなるのだが、そもそも時代が違えば出逢うことすらなかったのだ。そんなに沢山の方がいて、その中から知り合うことができたということは、偶然でもあり必然的なことなのであろう。

振り返ってみると心に残っている人は数人しかいない。嫌な人もいたし、素敵な人もいた。当時はあんなに仲良かった人も、とても大切だった人も記憶に埋もれていく。

今頃、なにをしているのだろう? 幸せに暮らしているのだろうか? 亡くなった方はいないだろうか? 笑っているのだろうか? 哀しみに襲われている人はいないだろうか?

右手にあるスマートフォンはとても便利な道具だが、遠くへ行ってしまった方へこちらから連絡することはない。たまに連絡が来るときは、たいてい悲しい言葉が書いてある。

手が届かなくとも、もう二度と出会うことがなくとも、みんな元気に暮らしているといいのだけれど。




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