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ゴミの城

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動画~https://youtu.be/YN4iTq7kIF4  父親が他界、実家に残されたのは子供のように振舞う母親と引きこもりの兄、そして大量に残されたゴミの山だった。 登場…
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#父親

ゴミの城〜025~父親の命日

これまでのお話 仕事が休みの日に、少しだけゆっくりと過ごしてから家のドアを開けると、太陽が何時間も前から活動をしていて、外に出かけることを躊躇わせる。 先日は父親の命日だった。当日は仕事で都合が悪く、休みの日に実家の近くのスーパーで父親が好きだったポテトチップスなどを買って、太陽の光をサングラスで遮りながら実家へと出かけた。 実家へ着くと入れ違いに兄が買い物へと出かける。父親の遺影の前には何も置かれていなかったので、父の命日など誰も気に留めなかったのだろう。兄に声をかけ

ゴミの城~005~庭やベランダのゴミを処分する

 これまでのお話  父親が他界して一か月、呆れるほどのゴミをちょこちょこと片付けているのだが、ゴミが家の外にも及んでいる。庭や駐車場、家と塀の50㎝程の隙間にさえ物が置かれている。と言うよりも「ゴミが詰め込まれている」が正しいのだろう。  基本、家の中はゴミ袋に入る大きさの物が多いが、外となると事情が変わる。厄介な「燃えないゴミ」それも大きな物が多い。プラスチックの大きなタライやスキーの板に壊れた自転車。それに大きな水槽が何個もある。その他にも酒屋でもないのにビールや酒の

ゴミの城〜010~ゴミ屋敷の成り立ちを考える

これまでのお話  父親が「なぜゴミを集めることになったのか」を考えてみた。なにぶん母親は健在なのだが、少し心が不安定なので母から父親のことを聞くことが出来ず、自分で見たことや兄から聞いたことを元に憶測をしてみた。  ゴミと書いたが、本人からしたらそれはゴミではない。部屋にあるあらゆる物を父に見せ、捨てて良いかと尋ねたが、答えは決まってこうだった。 「それは使うんだよ」  僕から見たらゴミでも父から見たら使う物、使える物なのだ。使う物は捨てない。当たり前のことだ。  元々

ゴミの城〜013~モチベーションがだだ下がり

これまでのお話 ここ最近、実家に掃除をしに行くことを躊躇ってしまう。 頭の中で「あそこをこうして……」と考えていたのだが、なかなか考えた通りにはいかない。 外にはゴミに出せない大きさの粗大ゴミが多いし、そもそも「これは、ゴミとして出せるゴミなのか?」という物もある。そうでなくとも虫がいて、何かをどかすとゴキブリやダンゴムシ等がが現れる。それでも伸び切った庭の木を切ったり、燃えるゴミを集めては捨てていたのだが、何よりやる気を無くすキッカケになったのは、 土だ。 もう、土が多い

ゴミの城〜014~あっという間に過ぎていく時間とゆっくりな時間

これまでのお話 久しぶりに文字を書く。実家のゴミ屋敷の掃除をしながら、その模様をYou Tubeで動画をあげたりもしていたのだが、夏の初めに子供がコロナウイルスに罹り自分も罹患してしまい回復後、待機期間を過ぎて、いざ実家へ行こうかと思った矢先に、また別の子供が今度はインフルエンザに罹り、その待機期間を経る前に僕の友達がコロナウイルスに罹り、またその子供が罹りと……。高齢の母親に感染してはマズイと思い、実家には足を運ばなかったのだ。 そのまま心が折れてしまった……。 その