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すべて嘘である。

善(光)と悪(闇)は対立概念ではない。
まして相補性を成すものでもない。
それは、そもそも
比較にすらならないほどの別物である。

つまり、
善は、悪がなくては成り立たないものではなく、
光は、闇があって輝くものではない。
むしろ、
善の前で悪は逃げ隠れするし、
自らを取り繕う。
光があたれば、闇はたちどころに消え去るし、
その存在を許されない。


善は一元。
悪は二元。
悪とは亜の心。
亜すなわち、亜流、亜界。
偽物。
真似事。
世迷言。
たわごと。

この世が二元性の世界であったのならば、またあるのであれば、
この世は亜の世界。
つまり、偽物の世界。
真実がない世界。
悪の世界。
善と悪の相剋によって、
さらなる悪を増大させる世界。

因果応報、
カルマの世界。
自業自得の世界。
自ら蒔いた種を刈り取らなければならない世界。
「どうせ、最後は消えてなくなる」
諦念の世界。
「仮の宿り」とは、うまいことを言ったものだ。

いかなる成功を収めても
必ず衰亡する世界。
なまじ成功したことで
かえって不安と孤独と
虚しさの木枯しが、
心を吹き抜ける。
猛き者が滅びる世界。
栄枯盛衰、生者必滅せいじゃひつめつ会者定離えしゃじょうり
無常の世界。

明暗
上下
天地
東西
右左
終始
時空
肉体と精神
個と全体

わたしたちのディメンションを作っているこれら相対的な
二元性の構造
それゆえに存在する物質界・三次元世界という幻。
相対ゆえに絶対である。
二つ故に一つである。
二元性ゆえに一元である。
そのパラドックス。

この世(三次元)の存在はすべて無であり虚空であり、幻である。
そのくせ、多くのものは、それが立派に存在しているという錯覚で生きている。

それは、物事の片割れを全体だと思い込む錯覚だから、
それをもとに何を成し何を考えようが
やがて一切が灰燼に帰すかいじんにきす

明は暗がなければ存在しない
上は下があって初めて上である
天は地がなければ存在しない
東は西があって成り立つ方便でしかない
右は左
終わりは始まり
時間は空間
精神のない肉体は単なるガラクタだ
全体のない個などありえない
変化(易)ゆえの不変(不易)
すなわち、一切が変わることのみが変わらない

だから、
そんな片目で(もう一方の目をつぶって)どんなに
明を求めたり
快を探したり
富をかき集めようが
すべて無に帰す

宗教が
修養が
理想主義が
平和主義が
エコロジーが
どうにも腑に落ちないところは、
それらのほぼすべてが二元論だからだ

幻。

嘘。

偽善同士が集まると腐りだすし、
独善同士が集まると枯渇する。



三次元世界。
マトリクスの世界。
わたしたちは
おそらくはどこかの星から
この惑星地球に
ある目的をもって飛び込んできた
奇魂くしみたまに違いない

わたしたちは
幾たびも転生を繰り返し
散々三次元の
二元性の
その不可思議な相剋の世界の
上から下まで
酸いも甘いも噛分けかみわけ尽くしてきたのではないか?

さすがにもう満腹なのではないか?

それとも、まだ満足しないからと言って
さらなる泥沼の深みの
文字通り暗中模索の旅を続けようというのか?
またぞろ、十年一日、百年一日のような
同じ「人生」というマトリクスを繰り返すのか?

仲間の多くは、すっかり地球に来た意味を忘れてしまった。
おまけに、「怒り」すら忘れてしまった。
それは、怒りを超克したのではない。
忘れてしまったのだ。

いいだろう。

覚醒したものも、
いまだ眠りについているような不感症のものも、

ただ夢想的に五次元世界の到来や
イベントを指をくわえて待つものも、

この期に及んで
なおかつ、浮沈ふちんする三次元の人生ゲームに没頭するものも
足元からゆでガエルになっても
ケロッとして笑顔を絶やさないような強靭なものも

目の前のことしか見えない
興味がない
関心がない
視野狭窄症しやきょうさくしょう

メディアや
メインストリームの言うことのみを信じて疑わない
信心深いものも

いいだろう。

当然だ。
わたしたちは、何百年、何千年と、
この二元性の世界に閉じ込められてきて、
すっかり麻痺してしまっているからだ。

光は一元
闇は二元

光がどういうものなのか
闇の支配する二元世界にわからなくて当然。
ここまでえげつないまでに闇が露呈されているにも関わらず、
闇が見えない。
闇を見ない。

光が届いたときに
それを歓喜に受け止めるもの
恐怖に受け止めるもの

光は届く。
二元性は崩壊する。

東洋哲学に触れて40余年。すべては同じという価値観で、関心の対象が多岐にわたるため「なんだかよくわからない」人。だから「どこにものアナグラムMonikodo」です。現在、いかなる団体にも所属しない「独立個人」の爺さんです。ユーモアとアイロニーは現実とあの世の虹の架け橋。よろしく。