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ピピ―、ピピ―、ピピ― 右手にしゃもじを持って、私は三合炊きの炊飯器の前に座った。 カチ…
右足、左足、右足、左足 右足、左足、右足、左足 今日はバナナの皮がやけに少ない。 一年に…
曲がり角を曲がると、そこにはバナナロードがある。 右足、左足、右足、左足 私はいつものよ…
バナナロードには、バナナの皮が落ちていた。 右足、左足、右足、左足 私はいつバナナが出現…
久しぶりに湯船に浸かろうと思った。 体の芯まで凍りそうになりながら、私は風呂場のドアを開…
玄関で靴を脱ぐと、私は居間に入るドアを開ける。 ドアを閉めてから、ドアの横にある仏壇に手…
「排水溝から」 お風呂の排水溝をじっと見つめていると、 ぽこり と黒い物が出てきた。 それは立体的な影のようなもので、とろっとしたあんみつのような感じもする。 千と千尋の神隠しで千尋がハク竜に乗って換気扇のトンネルを通っている時、そこに住んでいる黒いものたちに似ている。 ぽよん、とした影は、もぞもぞと動いていたかと思うと、顔を出した。 顔といっても、影のてっぺんに近いところに、小さな白い目が二つついただけの、およを顔とはいえない何かだ。 「こんにちは」 急に
「真夜中の引っ越し」 一つのレンガが顔を出した。 赤くて固い、石のレンガだ。 けれど真夜…
「落ちる」 極暖のヒートテックが落ちた。 ハンガーからするっと滑り落ちて、本棚と壁の間に…