脳が熱いうちに打て
鉄は熱いうちに打てではないが、学習にもボーナスタイムがある。
1日の範囲だと早朝など脳がクリアな時間帯、記憶に残したい場合は寝る直前など同じことをやるにしても、努力が報われやすくなるタイミングというものがある。
もう少し時間の範囲を広げてみると何かの体験後もそう。たとえばウルトラマラソンを走ったあとは自分の身体が今の状態になっている理由やリカバリ方法を"自分事"にできるので運動生理学の話がより鮮明に入ってくる。
人間的には進化してても、動物的には退化している人が多い。ウルトラマラソン後は動物的に強くなった感覚がするので、より動物的に強い状態を保ちたいと思うようになり、調べる情報の種類が変わってくるのだ。
鉄は熱いうちに打て、ではないが学習も「脳が熱いうちに打て」というのはある。本もそうでAmazonでポチった瞬間が一番吸収率が高い。何日か経てば吸収率は下がってしまうので、なる早で読みたい。当日または翌日配送のAmazonの価値はある。
その逆に期間を空けることも有効なときがあると考える。脳が刺激に慣れてしまった場合だ。
コーヒー断ちをするとカフェインが効くようだ。たとえば、僕の場合だと英語もある程度、脳の可塑性を高めたあとにしばらく練習せずに断ってみる。
それが脳に刺激として伝わりシナプスの可塑性が促進されるのではないか。常に刺激を与え続けると適応と順化により脳の刺激の感受性が下がる。
感受性を高めるにはしばらくその刺激を与えるのをやめてみるのも良いのではないか。期間を空けることで視野がリセットされ、広く見れるようになる。
そうなると無駄な部分が明確になる。池の鯉を見つけるのにはバチャバチャ追いかけるよりも、しばらく動かず泥を沈殿させるのが有効。
スポーツは究極のチーティング動作。ケトルベルも慣れてくると回数こなせるのは筋肉の発達よりも身体の使い方が上手くなってるから重さを逃がせる。
主に意識を司る大脳と無意識を司る小脳はスポーツを上達させるうえで互いに相関し合っている。大脳がコマンドを送り、それに応じて動作を行う。
意識レベルではこうすれば良いと分かっていても、実際にできるかは別問題。知ってる、とできる、は別の次元の話。思っていたよりできない、という誤差情報が小脳に送られると、小脳が改善プログラムをコーディングしてプログラムを構築してくれる。
脳が時差ボケ状態でプライオメトリックスのトレーニングを行った際にベンチの端につま先が引っかかり膝を怪我した。これは脳が正常に機能していなかったので感覚のモノサシがズレてしまった結果だと思う。なので今後時差ボケがある状態では軽いジョグ程度にとどめておくことをこの経験から学んだ。
身体と脳は相関関係があるが、禅では調身、調息、調心と言われるので当てはまる。ということは身体にアプローチすることが脳(精神)に影響を与えることを示唆している。昔の人はここら辺を経験則的に分かっていたのだから偉大だ。
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