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「ポラを撮る」こと

私は劇場に行くと、たくさんポラを撮る。
「全員撮る主義の人かと思った」と言われるくらい撮る。

目の前で美しいステージを見せてくれた踊り子さんにお礼を言いたい、感想を伝えたい、貴女が好きです!ってわかりやすい形で示したい。
簡単な理由としてはそんな感じ。

初めてお会いする踊り子さんは、初めましてのご挨拶もかねて必ず撮る。
大好きな踊り子さん達は一日で繰り返し撮ることも多い。
撮るつもりがなくても、演目に感激した時はもちろん、ポラ着がどうしようもなくお似合いだったという理由で撮ったりもする。

撮ったポラは、その日撮った順に並べて大切にアルバムに入れる。
そして、何度も何度もそのアルバムを見返す。

新しいポラをアルバムにしまう時、なんとなく暇な時、そして明日目が覚めなければ幸せだと思うくらい辛い時にも、アルバムを開く。

その時の演目がもう思い出せなくても、写真にはそれを撮った時の私の気持ちが溢れている。眺めていると、どうしてこの時ポラを撮ったのかだんだんと思い出してくる。
初期のツーショット、美しく微笑む踊り子さんの隣でガチガチになって必死にピースを繰り出してるダサすぎる自分の姿。
ひでえブスだ!と思いつつも、緊張でひきつった笑顔を懐かしく眺める。
踊り子さんのコメントを読むと、たどたどしく感想を伝えた時の気持ちも蘇る。
コメントがないポラも、大盛況だった劇場やポラの長蛇の列を思い出すし、帰る直前にどうしても一言伝えたくて預けなしで撮ったポラに、「帰っちゃうの!?じゃあシールいっぱい貼るね!!」と、手持ちのシールを全種類貼ってくれたりしたのも幸せな思い出のひとつ。
もう会えなくなった踊り子さんにも、アルバムの中でならいつでも会える。

笑顔の踊り子さんを眺めているだけで、私の心は楽しかった劇場に戻る。
それは私にとって、とても素晴らしく幸せな時間。
劇場でもらった、あっという間に儚く散ってしまうような夢を詰め込むために、私はきっとポラを撮るんだと思う。

2結初日のポラも、幸せがたくさん。
この日のポラも、いつか懐かしく見返す日が来るのだろう。

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