新型肺炎COVID-19 県別の状況

緊急事態宣言は4/30時点で全国一斉に出ているが,継続するとしても感染状況により解除したほうが良い,という意見がある。前記事で扱った分析は,都道府県別に行えるので,その判断のため作成した。こちらのデータはNews Digestのサイトから引用した(https://newsdigest.jp/pages/coronavirus/)

日本の新規感染者数の推移
News Digestのデータをプロットしたもので,4/11をピークに減少しているのはよく知られている。なめらかに結ぶため7日間の移動平均を重ねると(緑色の線),4/15ごろをピークに減少している。グラフで日付が書いてあるところが月曜日。以下のグラフで同様。

新規感染者数推移 4月29日

日本全体と東京の比較
前記事と同じ分析,日毎の新規感染者数を累積感染者数で割ったものをプロットする。日本全体と東京を比較した。

拡大率 日本と東京 4月29日

3月の3連休後に東京は0.1を超える日が続き,以後の感染拡大のきっかけとなった。その後は東京の感染者数が増え,拡大率も含め全国のトレンドを支配することになった。拡大率は下がっては戻し下がっては戻しを階段状に繰り返しているが,次第にその値が下がっており,強い自粛の効果がはっきり示されている。東京はここ数日の推移で0.01を切ってくるかがポイントと考えられる。

全国主要県の推移
ビジーになるが,東京・大阪・愛知・北海道・福岡・兵庫を同様にプロットした。

地域別拡大率 4月29日

緊急事態宣言の頃に軒並み0.1を越えていたが,東京都同様下がっている。現時点で愛知県と兵庫県は低下トレンドになっている。福岡県は振れ幅が大きい。大阪はここ数日の上昇トレンドがどうなるか。
気になるのが北海道で,独自の緊急事態宣言後は0.01を切る日もあったが,緊急事態宣言後はむしろ上昇した。道外からの流入も指摘されており,部分的な非常事態宣言解除が人の移動を活性化したら他府県でも同様のことが起こりうる。また,実効再生算数(以下から引用 https://rt-live-japan.com/)は「1を切れば収束する」という見方が一面的であることは,北海道の事例をみても明らか。

北海道 実効再生算数

感染者数が多い東京や大阪などから(及び「への」)移動を自粛することは,緊急事態宣言解除の条件となるだろう。

スウェーデンとの比較
よく聞くのがこの国では自粛が最低限であるという意見。感染者数や死亡者数についてはここでは言及しないが,少なくとも3月末までは日本のほうが「自粛していなかった」ことは認識しておくべき。
以下のブログでは(http://blog.sopiva-hokuou.com/corona-sweden-1937)スウェーデンの対策がまとめられている。

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AppleのMobile Trendのデータで両国を比較すると次の通り。3月初めから両国の対応が変わったことが分かります。Appleのアルゴリズムなど詳しいことがわからないので定量的に比較しても意味ないが,トレンドは違っていたことは注意。日本で3月25日以降に移動度が下がったのは,小池都知事の会見効果か?

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緊急事態宣言の解除
ここに書いたのはとてもシンプルなものなので,解除の可否や時期を推定することは,やればできるが妥当ではない。詳しくデータを集めている専門家委員会の分析や政府の判断を待つ。
素人としてサマリするなら「感染拡大防止については,効果は上がっているが充分ではなく,ここで緩めると他国からおいていかれる結果になるのでは」である。拡大係数を下げるのに失敗したら,感染拡大国として他国から封鎖されるかもしれない。
そうならないよう,国民は自粛を継続するのだから,政府はもっと果敢に迅速に大型の支援を打ち出してもらいたい。

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